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2006年の汽車旅9-4 [汽車旅2006]
2006年12月17日(日曜日)7時過ぎ、大阪市交通局(大阪市営地下鉄)御堂筋線なんば(M20)から、千里中央行き(10号車1111:リニューアル車)に乗り、梅田(M16)でJR西日本[大阪駅]に乗り換える。
6番のりばには東海道本線の各駅停車西明石行きが停車中だが、運よく、残りわずかとなったJR西日本ブルーの201系である。321系の大量投入により、走り慣れた道を去らなければならないが、東海道本線で201系に乗るのは最後になるだろうと、心を鬼にして、5番のりばから先に発車する221系の快速(明石から普通電車)姫路行きに乗らず、各駅停車西明石行き(クハ200-143:弱冷車)を選ぶ。ちなみに7番のりばには321系の各駅停車がたて続けに到着したが、フェイスが特急〈成田エクスプレス〉でおなじみ、JR東日本253系によく似ている。
7時23分、各駅停車西明石行きが勢いよく発車。就寝中に雨が降っていた影響か、天気はうす曇り。阪神高速のオレンジの街頭灯はまだ消えない。車内はガラガラだが、暖房は心地よく効いている。
ありったけの力で走りぬき、塚本へ。
発車すると、321系の各駅停車大阪行きが複々線の外側を走り、通過。大阪発着の福知山線各駅停車は国鉄時代と変わらず、塚本を通過するようだ。
関東の場合、各駅停車の上は普通電車なので、この場合はそれに値するが、JR西日本は阪急電鉄でさえ各駅停車と案内するのに、意固地に「普通電車」と案内している。都会を走る通勤形電車に「普通電車」と案内するのは、ものすごく違和感があり、ウチのブログでは各駅停車として、御紹介している。
神崎川を渡り、兵庫県へ。新大阪-尼崎間は淀川、新淀川、神崎川とたて続けに3つの川を渡る。大阪市は“水の都”とも呼ばれるゆえんであろう。
尼崎4番のりばに到着し、ここで降りる。本当は終点西明石まで乗りたい心境だが、もうすぐ、“乗りたい電車”がやって来るため、そうもいかないのだ。
8番のりばへまわり、新快速京都方面湖西線経由敦賀行き(5号車クハ222-2086:弱冷車。近江今津から1号車)へ。わざわざ尼崎へ先回りしたのは大阪で座席に坐ることをたくらんだため。これは『東京-大阪 単身赴任 旅物語』というブログで、zba03198さんがよく使っている“戦法”だからである。
尼崎では1分停車。以前のダイヤでは尼崎の停車時間は1分もなかったが、7時37分に発車。ちなみに平日ダイヤでは米原方面長浜行き・京都方面湖西線経由敦賀行きとなっており、京都で切り離す。
塚本で207系シリーズの各駅停車高槻行きを抜き、大阪8番のりばに到着。7番のりばに先ほど抜かれた各駅停車高槻行きが追いついてきた。バッサリ抜かれても、すぐに追いつくのだから“しぶといヤツ”だ。ちなみに大阪で坐ることができた。
新大阪で、東海道・山陽新幹線に乗り換えると思われるお客が多く降り、立客の数も減る。発車すると、583系の団体とすれ違う。
岸辺で321系の各駅停車京都行きを抜き、進行方向右側は阪急電鉄正雀工場。2006年11月には御堂筋線10系第23編成がVVVFインバータ改造工事を行なっていたが、その姿はなく、なかもず検車場へ戻った模様。ちなみにこの情報は『住吉急行電鉄の日報』で知ったが、「4」という数字に不吉なものを感じるのか、リニューアル工事が完了すると、10系第4編成はオリジナルのまま廃車になる予定だという。もったいない!! 我が国の地下鉄では初の冷房車という、偉大な功績を持つ名車かつ大阪市営地下鉄のエース、10系。また、大阪市営地下鉄の第3軌条路線では唯一の御堂筋線専用車ということもあり、5本の指に入る“お気に入り車両”である。末永い活躍を願う(画像は後続の新大阪行きオリジナル車)。
京都2番のりばに到着。向かいの3番のりばでは113系体質改善車の普通電車近江舞子行きと接続する。ここでも新快速の緩急接続が発揮されるが、普通電車近江舞子行きは京都始発である。ちなみに新快速はここから「湖西線経由敦賀行き」に変わる。
山科は3番のりば、すなわち、複々線の内側に到着し、発車すると、湖西線へ。高架を徐々に登ってゆき、トンネルへ。
トンネルを抜けたら、そこは西大津。発車すると、進行方向右側には琵琶湖が見える。湖西線のウリモノは“琵琶湖レイクショー”だが、寝台特急<日本海1・4号>のA寝台個室シングルデラックスは通路に出ないと見れない難点がある。
複線の湖西線に入っても、スピードをゆるめることはなく、琵琶湖レイクショーを楽しむ。進行方向右側は列車のすれ違いだけを楽しむところではない。
堅田が近づくと、琵琶湖を離れる。しばしのお別れで、堅田を発車すると、遊園地の観覧車がそびえ立っていた。琵琶湖を満喫する絶好の場のようだが、どのくらい訪れているのだろうか? かつて、“幽霊ホテル”が存在していたのだから、人の数は多くないように思う。
琵琶湖が近づくと、スピードを落とす。“関西の水瓶(Mizugame)”と言われる琵琶湖の車窓を満喫してもらおうという、新快速らしからぬ徐行サービスではないだろう。
比良でスピードが回復。前日と同様の曇り空だが、かすかに姿を現す“てぃだ(「太陽」のこと)”が琵琶湖の水面に浮かぶ。
近江舞子に到着し、かつての新快速車両、117系の始発、普通電車京都行きと遭遇するが、新快速湖西線経由敦賀行きの足を引っ張っていた。複線の悲しいところである。
近江舞子から先は各駅に停まり、ここから先は自動改札機に直接入れることができるプリペイドカード(「ストアードフェアシステム」と言う)、Jスルーカードが使えない。
琵琶湖レイクショーは相変わらず続いているが、北小松を発車すると、トンネルへ。北陸本線が近づいていることを感じさせる。
トンネルを抜けると、琵琶湖へもっとも近づくシーンを展開。琵琶湖の雄大さに見とれる。
近江高島からしばらくのあいだ、積雪時における高速走行における、バラストの飛散を防止するためなのか、グリーンのアミをしていた(していないところもある)。以前、JR北海道は冬になると、振子車両が普及したため、高速走行時にバラストが窓に直撃するという予想外の事態が多発。そのため、窓を強化する対策を行なっている。
琵琶湖を離れたり、近づいたりているうちに広大な留置線が見えると、近江今津に到着。暖房効果を保つため、ここから先はドアが半自動扱いとなる。
近江今津では1~4号車を切り離すが、乗り移るお客が意外と多かったものの、全員着席。また、5~8号車は1~4号車に変更。合わせて、行先も「敦賀行き」に変わった。つまり、この新快速は始発から京都までは「京都方面湖西線経由敦賀行き」、京都-近江今津間は「湖西線経由敦賀行き」、近江今津から先は「敦賀行き」と“3変化”する。
9分停車なので、自販機を探すも、改札を出ないとありつけない。私は青春18きっぷを使っているからいいようなものの、途中下車無効の乗車券ならばガマンをしなければならず、この9分停車は退屈でしょうがないだろう。
また、この9分停車はエル特急〈雷鳥5号〉金沢行きと待ち合わせ。アーバンネットワークのブランドネーム、新快速ではあるまじき光景だ。新快速が特急に負けるとは考えられないが、かつては383系で運行していた急行〈ちくま〉長野行きに複々線で抜かれていたことがある。
『JR時刻表2006年12月号』で調べたところ、平日のみ運行、網干6時30分発の新快速京都方面野洲行きは草津で、エル特急〈(ワイドビュー)ひだ23号〉高山行きと待ち合わせ。また、平日のみ運行、播州赤穂6時59分発の新快速京都方面野洲行きは京都-草津間を複々線の内側に走らせ、外側からやって来るエル特急〈(ワイドビュー)しなの9号〉長野行きに追い抜かれることになっている。
さて、近江今津ではエル特急〈雷鳥5号〉金沢行きが到着。新快速敦賀行きより、長い編成なのにお客の数は少ない。特急〈サンダーバード〉を選ぶお客が多いということなのだろう。また、エル特急〈雷鳥〉はかつて、運行本数が1番の多い国鉄特急として名をはせ、湖西線内は無停車だったが、特急〈サンダーバード〉の影響で、利用客の減少が目立つようになり、途中停車駅を増やして、かつての隆盛(Ryusei)を取り戻そうとしているのだろうか?
エル特急〈雷鳥5号〉金沢行きを撮影しようとするが、オッサンが平然とサクを越えており、唖然とする。も。のの、「立入禁止」とは書いていなかったため、私もつられてやってしまう。
小休止を終え、9時19分、近江今津を発車。乗務員も変わり、北陸本線がひときわ近づくことを物語る光景だ。空席は少なく、懸念していた4両編成運行時に混雑するのではないかという不安を蹴散らす(相生-姫路間の4両編成運行で、ひどい混雑に見舞われたことがある)。
マキノを発車すると、ついに琵琶湖とオサラバ。長いトンネルに入る。
長いトンネルを抜け、永原へ。ここから敦賀までは交流電化から、直流電化に変わった区間に入る。
私は湖西線に乗るのは3回目になるが、2001年3月に寝台特急〈日本海1号〉函館行き(2006年3月18日から青森行きに変更)で、初乗車全線完乗を果たしているものの、A寝台個室シングルデラックス利用で、車窓は暗くてよくわからず、念願のブルートレイン初乗車は満足しつつ、消化不良のような感じだった(JR東日本羽越本線新津-新発田間は就寝中に全線完乗を果たしたが、これも消化不良で、2004年9月に改めて乗った)。
そんな想いがあり、湖西線の車窓を満喫する日を心待ちにしていた。北陸本線に合流し、近江塩津に到着すれば、胸のつかえはおりる。
9時36分、近江塩津3番のりばに到着。隣りの2番のりばには223系2000番台の始発、普通電車近江今津行きが発車を待っている。また、北陸本線長浜・米原方面は10時13分発の始発、新快速米原経由姫路行きまで待たなければならず、新快速らしからぬ長時間待ちに私の前に坐っていた熟年夫婦はうんざりしていた(ちなみに熟年夫婦は終点敦賀まで利用)。ちなみにここから先はICOCAの利用もできない。
2006年10月21日(土曜日)、湖西線永原-近江塩津間と北陸本線長浜-敦賀間の直流化によるダイヤ改正を行なったが、しっくりこないものがある。
まず、近江塩津の接続の悪さで、短時間で乗り換えられるダイヤにしなければならない。アーバンネットワークで築いたものが近江塩津に対応できないのは大いに不満だ。また、「新快速米原方面近江塩津行き」の設定も理解できない。米原方面でも敦賀まで運行すべきだろう。増発をはかることにより、利便性を向上させなければ、直流化をした意味がない。
あと、懸念していた通りだったが、新快速は彦根及び近江舞子から各駅に停まらせているのも納得がいかない。停車駅を見直し、速達性を高めるべきだろう(姫路-上郡・播州赤穂間もそうだが)。米原or長浜と近江舞子で普通電車に接続をとるJR西日本お得意のワザを使ってくれないのは残念である。半自動ドア対応の221系や113系体質改善車を起用してもいいはずだ。
また、4両編成で運行するよりも6両編成または8両編成にして、“確実に坐れる”ようにする。更にJスルーカード及びICOCAを敦賀まで使えるようにして、万全磐石の体制にしてもらいたい。
近江塩津から北陸本線に入り、更には北陸地方の福井県へ。
新疋田はホームは長いものの、4両分だけかさ上げ。
敦賀運転派出に521系の姿が見えると、9時47分、終点敦賀4番のりばに到着した。
折り返し、10時23分発、新快速湖西線経由姫路行きとなるが、車掌は転換クロスシートの向きを進行方向に変え、不心得者のゴミを収集。また、清掃員も乗り込んでいた。“気持ちよくお客様に乗っていただこう”という表れで、JR東日本首都圏の近郊形電車では車内の整備と点検は当たり前の光景だが、JR西日本はそういうことがなく、転換クロスシートの向きはお客自身で変えなければならない。中には転換クロスシートの向きの変え方がわからないお客もいて、仕方なく逆向きでガマンしているようだ。
余談だが、私が転換クロスシートの向きの変え方を知ったのは平成11年(1999年)で、お客がやっていた姿で覚えた。JR東日本は転換クロスシートの車両が1両もないため、わからないのは無理もないということになるだろう。
さて、産経新聞SankeiWebによると、新快速の敦賀延伸により、土休の利用客は平均1800人から4300人に倍増したという。それと引き換えに長浜の利用客が減っているとのこと。課題は多いものの、乗車券だけで乗れる新快速の存在は大きく、関西の宝物である。
★備考
①東京-大阪 単身赴任 旅物語…http://blog.goo.ne.jp/zba03198/
②住吉急行電鉄の日報「大阪市交10系VVVF車 整備中」…http://sumiyoshi-rw.jugem.jp/?day=20061118
③JR西日本ホームページ…http://www.westjr.co.jp/
④アーバンネットワークについて、くわしくお知りになりたい方はこちらにクリックして下さい。
すごく面白いレポートですね
新快速が敦賀まで行ったので、私たち鉄道ファンは行動範囲が広がりとてもうれしいですね。
by keitai (2006-12-28 11:27)
どうもありがとうございます。
新快速の敦賀行きは興味があり、実現しました。1週間遅かったら、今里筋線乗車もできたんですけど、2007年の楽しみにとっておきます。
by 岸田法眼 (2006-12-28 22:42)
岸田法眼 様、こんばんは。
仰るように、新快速近江塩津行きは中途半端な感じがいたします。
湖西線の近江今津と駅名が似通っていますので、余計そう感じます。
今後、人の流れが変わってくると、いずれかダイヤに反映されることを期待したいですね。
さて、敦賀といえば交直流電車のイメージがなかなか抜けないですが、223系直流電車が敦賀~新疋田のループ線を走る光景は、まだ違和感があります。
関西人でありながらこの様に感じます。
北陸本線は、ホンマ特急街道です。 683・681系が引っ切り無しに来る印象があります。
by 住吉人 (2006-12-28 23:12)
住吉人さん、毎度御利用ありがとうございます。
北陸本線の敦賀以南は近郊形に改造した国鉄鈍行が走っていたので、見慣れるまでに時間はかかるかもしれませんね。125系でもループ線を走る姿は想像できないと思いますが、ボックスシートから転換クロスシートに変わったのは大きいでしょう。固定座席やロングシートに坐らない限りは快適性が向上したと思います。
北陸本線は北陸新幹線が開業したら、どのように再編されるのかが見ものです。<あさま>が金沢へ向かうのか、<はくたか>がふさわしいのかということと、富山or糸魚川-直江津-長野間は第3セクター化が予想されるだけに、青春18きっぷユーザーへの“いじめ”がまたも起こることが心配されます。
by 岸田法眼 (2006-12-28 23:55)