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各駅停車湘南台行き [汽車旅2007番外編]

2007年6月30日(土曜日)、相模鉄道本線横浜へ。

相模鉄道は通称、「相鉄(Sohtetsu)」と呼ばれており、横浜は3面6線の行き止まり式で、まさしくターミナルにふさわしい駅である。以前は中小私鉄に分類されていたとは思えないほど。

路線は本線といずみ野線だけで、神奈川県だけを走る規模の小さい大手私鉄だが、将来は東京急行電鉄(通称、「東急」)東横線と相互乗り入れする予定で、“東京進出”を果たすことになる。新しいルートの開拓により、JR東日本に対抗することになっているが、湘南新宿ラインが大手私鉄に火をつけた恰好だ。

1番線は15時00分発の急行海老名行き、2番線は15時02分発の快速湘南台行き、3番線は15時03分発の各駅停車湘南台行きと順次発車する。たいていは1・2番線に乗るのがセオリーなのだが、3番線の各駅停車湘南台行きは強烈なインパクトがあり、そちらに目を奪われる。

各駅停車湘南台行きの車両は10000系。これはJR東日本E231系通勤形タイプを“コピー”した車両なのである。相鉄の“大冒険”により、その後、小田急電鉄3000系、東急5000系・5050系・5080系もE231系通勤形タイプをベースとした車両が登場し、大きな影響を与えた(東急5000系はその後、E233系ベースにしたフシがある)。

10000系のフェイスは相鉄のオリジナルだが、車体側面はE231系シリーズと同一であるものの、車体幅は異なる。

中に入ると、シートモケットは違っていても、E231系通勤形タイプ(総武線仕様)に乗っているかのようだ。JR東日本に乗り間違えたのではないかと錯覚するほどである。ちなみに先頭車は1か所、中間車は2か所、車内にコンセントがある。

通常のロングシートは赤、優先席は青。松平健によると、赤は“情熱と愛情”、青は“優しさとやすらぎ”だそうで、みずから作詞した『マツケンサンバⅢ』で腰を振りながら歌っている。

15時03分、横浜を発車(8号車10506に乗車)。すぐに平沼橋へ到着し、意外と先頭8号車は多く下車した。

各駅停車湘南台行き編成表
乗車区間号車車両番号禁煙備考
湘南台810506なし
 710112弱冷房車
 610212なし
 510614なし
 410613女性専用車
 310111なし
 210211なし
横浜110706なし
女性専用車は①平日7時から9時30分に
横浜へ到着する上り電車。
②18時以降の横浜発下り電車。 
アンダーラインは筆者が乗車した車両

次の西横浜では早くも乗務員が交代。発車すると、右へカーブして、JR東日本東海道本線と別れる。

ドア上のLEDは209系・E231系初期タイプと同じ1段表示。停車中は駅名が点滅し、発車すると、次はx→Next x→各駅停車y行き→このドアが開きます(反対のドアが開きます)のくり返しで、ドアチャイムもJR東日本と同一。スピードメーターも160㎞/hまであり、部品もほとんど共通化している。ちなみに10000系は2001年に入団し、2002年2月24日(日曜日)にデビューしている。

西谷を発車すると、JR東海の東海道新幹線をくぐる。鶴ヶ峰を発車すると、ドア上のLEDは「海老名方面はお乗り換えです」とスクロール表示。JR東日本では常磐線用のE231系通勤形タイプから2段表示に改め、スクロール案内もできるようになった。但し、10000系もそうだが、1行全角6文字のため、キュークツである。

運転免許センター最寄り駅の二俣川2番線に到着。ほどなくして、1番線から9000系の急行海老名行きが到着。10両編成で、一部の車両はボックスシート&ロングシートのセミクロスシートになっている。4ドアのセミクロスシートは、のちにJR東日本E217系・E231系近郊形タイプに取り入れられることになる。ちなみに9000系のフェイスは大阪市交通局(大阪市営地下鉄)の“新20系シリーズ”に似ている。

相鉄の種別は急行、快速、各駅停車の3種類がある。

急行は横浜-二俣川間をノンストップで走り、二俣川-海老名間は各駅に停まる極端ぶり。快速は横浜-二俣川間は星川、鶴ヶ峰に停まり、二俣川-湘南台間は各駅に停まる。いずれも二俣川から先は各駅に停まることになっており、今後は特急が欲しいところ。横浜-海老名間は二俣川、大和のみ停車し、横浜-湘南台間は二俣川、いずみ野、いずみ中央でいいだろう。ただ、東横線の相互直通運転が始まれば、特急の誕生が予想される。

運転士は乗務員室の大きい窓のカーテンを下ろし、15時23分に発車すると、いずみ野線に入って、高架を登り、トンネルへ。

南万騎が原を発車すると、すぐにトンネルへ。いずみ野線はトンネルが多く、長さは1キロ以上や25メートルなど様々。東急田園都市線もトンネルが多い。

いずみ野でカーテンを解除し、どんよりとした曇り空だが、思った通り、雨が降ってしまった。梅雨である。

ゆめが丘は開業前から“アートなデザイン”ぶりが注目を集めているが、なぜか9・10号車分の上屋がなく、雨や雪のときは乗降に苦労する。そして、乗務員室の大きな窓には再びカーテンが下ろされる。

発車すると、進行方向左側に横浜市交通局1号線(横浜市営地下鉄ブルーライン)と合流し、いずみ野線がお先に地下へもぐり、15時39分、終点湘南台1番線に到着した。相鉄の乗車はいずみ野線が延伸開業した平成11年(1999年)3月10日(水曜日)以来、8年ぶりの利用。自動改札へ向かう階段はレンガで、なつかしいものを感じた。

下車すると、PASMOの導入により、横浜市営地下鉄の定期券うりばが戸塚と共に閉鎖。各駅に定期券販売機を導入したからであるが、通学定期券の新規購入が上大岡と3号線(ブルーライン)横浜だけにしてしまった。そのほか、あざみ野、新横浜、関内は横浜市交通局のバス(横浜市営バス)の定期券に専念。通学定期券の新規購入は横浜or上大岡に“遠出”しなければならなくなり、不便きわまりなくなった。4号線(グリーンライン)開業時は中山と日吉に定期券うりばを設置することが考えられるが、不便きわまりないことを願う。

湘南台駅

★備考

①今回の動画はこちらにクリック!!

②相模鉄道ホームページはこちらにクリック!!

③『フリー百科事典Wikipedia「相鉄10000系電車」』はこちらにクリック!!

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★お知らせ

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②『Yahoo! セカンドライフ』のコラム一覧はこちらにクリック!!

③2007年6月30日(土曜日)、鉄道友の会は本年のブルーリボン賞を富山ライトレール0600形、ローレル賞はJR東日本E233系と西日本鉄道3000系に決定しました。

なお、富山ライトレール0600形については「2006年の汽車旅8-前編-」、JR東日本E233系については「JR東日本E233系試乗」を御覧下さい(私のブログには西日本鉄道3000系に関する記事がありませんので、御了承願います)。

2007年7月4日(水曜日)、観客動員数は14萬6000人を突破しました。なお、観客動員数15萬人を突破したら、記念企画をたてておりますので、ドシドシ足を運んで下さいね。


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コメント 8

UZ

取材お疲れ様でした。相鉄は1度だけ横浜から海老名まで利用した事があります。確か10000系がデビューするはるか前でしたね。

記事の通り今後は相互乗り入れが始まると、大きく変化しそうですね。
by UZ (2007-07-05 18:57) 

岸田法眼

どうもありがとうございます。実を言うと、移動するつもりだったのですが、たまたま10000系が止まっていたため、急きょ、記事にいたしました。

10000系の投入発表があった時は唖然としましたが、8000系や9000系が主役の座を保っているため、脇役にとどまっているようです。

10000系は10両と8両の2タイプがあり、おそらく、後者が東横線に乗り入れるものと思われます。
by 岸田法眼 (2007-07-05 19:31) 

オーミヤ

10000系はE231系ベース、ですか・・・。新造費用は安くなりそうですが、JRとは別の会社であるにもかかわらず似ておる車両ですと何か味気ないです。
定期券売り場が消えゆく様子を考えますと、JRのみどりの窓口閉鎖を連想してしまいます。何でも人件費削減のためだそうで・・・。
by オーミヤ (2007-07-06 16:40) 

HIRO

相鉄線湘南台までのレポート、興味深く拝見しました。
大和、海老名に向かう本線は平面交差、住宅、畑と踏切が多いのに比べて湘南台線は横浜西部の丘陵を切り開いて建設した路線で高架方式でトンネルも多くまったく景観も対照的です。
僕も先日、相鉄の現車輌の塗装が変わるというのでこの間駆けつけましたが、9000系の車輌、ヘッドライトが下部真ん中にあって、個性的でどっかに似てると思っていましたが、たしかに大阪地下鉄新20系に似ています。さすがだと思いました。
詳しいレポートありがとうございました。
by HIRO (2007-07-06 18:32) 

岸田法眼

オーミヤさん、どうもありがとうございます。

10000系が発端となり、首都圏の私鉄・地下鉄の一部車両はE231系ベースになってしまいました。そして、小田急4000系もE233系ベースになっており、今後もそういった私鉄車両が増えそうですね。

JR東日本は指定席券売機の設置を増やしているため、オーミヤさんのブログの三河島記事にもありました通り、みどりの窓口が消滅しました。人件費もそうですが、少子化及び人口減少対策を進めている表れといえます。

さて、オーミヤさんがコメントで述べていた関連記事はhttp://tetsuomiya.at.webry.info/200705/article_22.htmlにクリックして下さい。ちなみに私はコメントしておりませんが…

なお、今回の記事にある市営地下鉄湘南台の定期券うりばの閉鎖は撮影しておりませんので、御了承下さい。
by 岸田法眼 (2007-07-06 21:55) 

岸田法眼

HIROさん、どうもありがとうございます。

たしかに、いずみ野線は高架とトンネルが主体ですね。本線はトンネル1つもない、平坦な路線です。

昔の相鉄車両は個性的なツラをした車両が多かったのですが、今はインパクトは強烈ではないものの、洗練されておりますね。

余談ですが、画像の新20系は四つ橋線の23系で、2006年4月に撮影しました。また、先月でしたか、フォントの拡大と画像の差し替え(ケータイ投稿による4コマから個別に変更)を行ないました。ちなみにこの画像を掲載している記事はhttp://blog.so-net.ne.jp/railway583/2006-04-08にあります。
by 岸田法眼 (2007-07-06 22:05) 

YOUKE

初めまして。レポート興味深く拝見させていただきました。
ところで、冒頭に、相鉄線は本線といずみ野線「だけ」と書かれていますが、私の記憶では相鉄には「厚木線」という、厚木までの単線があったように思うのですが、どうでしょうか?

もしかしたら、旅客は扱っていないので割愛されたのかも知れませんが、読んでいてふと気になったのでコメントさせていただきました。もし記憶違いだったら済みません。
by YOUKE (2007-09-19 21:08) 

岸田法眼

YOUKEさん、どうもありがとうございます。

確かに厚木線があることは知っておりますが、貨物線であるため、カットしております。これは『運輸総覧』だったと思いますが、そこにも確か記載されていると記憶しています。

日本の鉄道完全制覇を目指しているので、その本を図書館から借りて、データーを作成しました。個人データーに基づいて記事を書いているので、貨物線を省いた恰好となりました。けっして、記憶違いではございませんので、御安心下さい。

なお、くわしいことはhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B8%E9%89%84%E5%8E%9A%E6%9C%A8%E7%B7%9Aにアクセスして下さいね。

またのお越しをお待ちしております。
by 岸田法眼 (2007-09-19 23:30) 

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