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世界遺産にしたい車両-JR西日本500系- [INFORMATION]



◆怪物
 

500系は意外と思うでしょうが、〈のぞみ〉が誕生した1992年に入団。当時は高速試験車両、『WIN350』という愛称をつけ、先頭車のフェイスも量産車とは異なっており、350㎞/hを目指しました。  

JR西日本が受け持つ山陽新幹線は東海道新幹線より、遅れて開業したこともあり、線形も良好で、260㎞/hまで対応できる設計となっておりました。しかし、ノストラダムスの大予言が外れた1999年、コンクリートの原料に海砂を使っていたことが原因とされる劣化により、高架を中心に耐震強化工事を行ない、支柱の姿は痛々しいものがあります。  

山陽新幹線は東海道新幹線より、利用客数が段違いに少なく、〈こだま〉は4・6両編成で足りるほどで、福岡空港が博多駅に近いこともあり、航空機に比べると、劣勢の状態です。これを打破するには、東海道新幹線でデビューしたばかりの〈のぞみ〉の270㎞/hを上回る車両が必要でした。  

高速試験を何度も重ね、最高350.4km/hを記録しましたが、パンタグラフから発生する風切り音の騒音が国の基準を超えてしまったため、350 km/hを断念。300㎞/h運転で“妥協”して、量産車が登場することになりますが、試作車はわずか3年で廃車。1年後の1996年に量産車が登場しました。  

量産車は先頭車が奇抜なデザインで、高速運転のため、空気抵抗とトンネル微気圧波による影響を与えないためです。また、〈のぞみ〉の運転開始により、トンネルの出入口には筒状のような緩衝工を作っており、トンネル微気圧波の対策でもあります(大半の新幹線に設置)。また、東海道・山陽新幹線の営業車両では初めて、前照灯(ヘッドライト)と尾灯(テールランプ)が別々になりました(それまでは前照灯と尾灯は兼用)。  

500系量産車は1年間による試運転を行ない、1997年3月22日(土曜日)にデビュー。当時は山陽新幹線内の運行でしたが、この年の11月29日(土曜日)に満を持して、東海道新幹線の直通運転を開始。ボディーの色が東海道新幹線と異なることもあいまって、たちまち人気者になりました。東海道・山陽新幹線の歴代車両では、№1は100系、500系は№2ですね。  

私は500系を“怪物”と称しております。見ればわかりますが、1度見たら忘れられないフェイス。また、東京に着く500系を道路下、またはガード下から見ると、まるで“ゴジラの来襲”を思わせるかのような風貌。存在感では日本の鉄道車両において、№1ではないでしょうか。ちなみに700系は“おたふく患者”と称して、周囲を笑わせたことがあります。  

余談ですが、500系が入団した当時、JR東日本でも高速試験車両、『STRA21』を開発。500系試作車を上回る最高速度425㎞/hを達成しました。ちなみに500系試作車と『STRA21』は米原駅に近い鉄道総合技術研究所風洞技術センターで、JR東海700系の原点と言える『300X』と共に並んでおります。また、東海道新幹線及び、東海道本線下り進行方向左側からでも見えます。

◆500系とSPEED  

500系量産車と共にデビューしたのは4人組の女子グループ、SPEEDです。  

SPEEDは元々、ユニット名のない状態からスタートしましたが、日本テレビの『THE夜もヒッパレ』で公募したところ、4人共通のお気に入りということで、決定。ようやく、シングルCDを発売する運びになりました。当初はメンバーが小中学生ばかりという“低年齢”が話題となりました。  

500系が営業運転に就いた頃、『Go! Go! Heaven』がヒット。また、JR東日本では秋田新幹線〈こまち〉が誕生し、更にその後、〈はやて〉で使われることになるE2系もデビュー。東海道新幹線内の〈のぞみ〉より、5㎞/h速い275㎞/h運転で、新幹線のスピードアップが本格的な時代に入りました。 東海道新幹線の直通運転が始まった頃は『White Love』が大ヒット。更に500系が増備されると、『my graduation』が大ヒット。500系の勢いはSPEEDの絶頂期でもありました。

しかし、1999年、JR東海とJR西日本が共同開発した700系がデビュー(1997年に入団していた)。500系はわずか9編成で増備が打ち切られてしまいました。また、700系は500系より、15㎞/h遅い285㎞/h運転となり、東海道新幹線で残っていた初代車両、0系が去った直後、SPEEDは解散を発表しました。

500系はSPEEDと共に歩んだ車両といえるでしょう。

◆2008年、東海道新幹線から撤退?  

500系は長らく、日本最高速度の300㎞/hで走る新幹線として、小さな子供から大きなお年寄りまで、幅広い世代に愛されている車両ですが、先ごろのダイヤ改正で、N700系がデビュー。東京-博多間の所要時間は500系より、短くなったため、大きな転機が訪れようとしています。  

N700系は初代〈のぞみ〉の300系を置き換える予定で、500系は東海道新幹線から撤退することになっておりますが、時期は未定です。また、今回のダイヤ改正では“300㎞/h運転しない500系〈のぞみ〉”も出現しております。  

500系は旅行者のあいだでは人気が高いものの、ビジネスマンの人気はイマイチ。300㎞/h運転をするため、当時の技術では車体を丸っこくせざるを得なかった影響で、居住性に難があるそうです。“気持ちにゆとりのないビジネスマンの声は困ったものだ”という印象がありますが、移動中もお仕事というピリピリした状態で乗っているのでしょう。

N700系では空間を500系より確保しましたが、車体強度の都合により、窓が小さくなるといった難点もあります。また、JR東日本でも320㎞/h以上の営業運転を目標とした高速試験車両が登場しております。

皆様も500系に乗ってみませんか?(市販の時刻表の一部では使用車両を明記しているものがございます)毎度御利用ありがとうございます。

★備考

①フリー百科事典『Wikipedia「新幹線500系電車900番台」』はこちらにクリック!!

②フリー百科事典『Wikipedia「新幹線500系電車」』はこちらにクリック!!

③岸田法眼のRailway Blog.「AMBITIOUS JAPAN!-のぞみは、かなう-」はこちらにクリック!!

④岸田法眼のRailway Blog.「JR東海N700系オープン戦」はこちらにクリック!! 

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2007年7月24日(火曜日)で観客動員数は15萬9000人を突破しました。ありがとうございます。


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keitai

こんにちは

いつも、岸田法眼さんのブログだけでなくYahooの方にも目を通しています

「日本の新幹線の顔の500系」が「のぞみ」から辞退とは最初信じられませんでした。

今後、西日本の管内のみの運転になりそうですが末永い運転を期待したいです
by keitai (2007-07-26 11:49) 

岸田法眼

keitaiクン、「辞退」ではなく、「撤退」あるいは「勇退」ですね。辞退はこれは賞などを受賞することを断ることをさします。

山陽新幹線ではまだまだ走るものの、16両のままか、短くして300㎞/hの〈ひかり〉になるのかはまったくの不明です。
by 岸田法眼 (2007-07-26 19:34) 

UZ

記事の画像ですが、左が700系B編成で右が500系W編成でどちらもJR西日本の編成で、いいもの拝見させてもらいました。700系B編成の設備は落ち着いたインテリアなど、さりげなく西日本らしさを出していたと思います。C編成と異なりデッキ側のシートには各座席分のコンセントも備わっていまして、東海道直通版の”レールスター”といった気がしました。

N700系では東海、西日本とも外装も内装も同じで各社の違いがなくなってしまい残念です。九州直通バージョンをJR西日本と九州で製造するそうですが、その編成に期待しています。もちろん500系の今後にも注目していますが。
by UZ (2007-07-28 07:32) 

岸田法眼

UZさん、どうもありがとうございます。

今回の画像は「JR東海N700系オープン戦」で掲載したものですが、まさか“他人の土俵”でJR西日本の新幹線電車がそろい踏みとは思っておらず、「サプライズ」ですね。

500系は九州新幹線に乗り入れてもよさそうな気がしますが、肝心の九州新幹線は8両しか対応していないこと。各駅にホームゲートがあるため、夢で終わるかもしれません。
by 岸田法眼 (2007-07-28 12:06) 

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