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2002年の汽車旅9-1 [汽車旅2002]

2002年9月1日(日曜日)、JR東日本新宿へ。今回はもっとも長い6泊7日の旅が始まる。今回に備え、青春18きっぷをもう1枚購入した。



7番線では快速〈ムーンライトえちご〉村上行き(2号車指定席モハ164-66:新潟から自由席)が入線しているが、発車前の新宿では関西人カップルがいて、彼女は青春18きっぷの旅に限界を感じ、新幹線を熱望。彼氏はキヨスクや自販機がないことに憤慨。愛が崩れそうになっている。


快速〈ムーンライトえちご〉村上行き編成表

6号車クモハ165-100:新潟まで指定席(一部レディースシート)
5号車モ ハ164-64:新潟まで指定席
4号車ク ハ165-166:新潟まで指定席
3号車クモハ165-102:新潟まで指定席
2号車モ ハ164-66:新潟まで指定席
1号車ク ハ165-170:新潟まで指定席

※新潟で進行方向が変わり、1号車が先頭。また、全車禁煙(アンダーラインは筆者が乗車した車両)

新宿はJR東日本利用客数第1位をほこる駅で、発車する7番線は売店が1か所しかなく、もう閉店。彼氏はキヨスクや自販機がないことに憤慨していたが、南口に行けばあるものの、飲料購入を断念して乗車した。

若者の姿が多く、元気ハツラツ。私は2号車12D窓側に坐っているが、前の13番席はテーブルがなく、戸袋窓があるため、ペットボトルなどが置けない不便な席である。

シートピッチは広く、ゆったり過ごせる。ノーリクライニング時の角度もよく、このまま眠りについてもよさそうな感じである。

23時09分、新宿を発車。山手線、東北本線を通り、大宮へ。2分停車で、2号車は運よく、大塚製薬の自販機があり、好都合。新宿で飲料購入を断念した彼氏は速攻で購入する。

2号車では指定席のダブルブッキングが発生?! どうやら、新宿から乗ったオバチャンが乗り間違えていたのだが、検札した車掌はまったく気づいていなかった。おいおい、ちゃんとやってくれよ!!

日付が変わり、2002年9月2日(月曜日)へ。話し声がうるさいのと冷房が冷え過ぎるため、よく眠れず、高崎から上越線に入った。

3時過ぎ、トイレを終えた私は洗面台へ。関西人アベックが歯磨きをするのはいいとしても、イチャイチャして、10分以上も占拠していた。困ったものである。

「すいません」

と男は平謝りをするが、心がこもっていない。

4時55分、新潟2番線に到着。ここから先は全車自由席となり、全車禁煙となる。

進行方向が変わり、5時04分に発車。白新線に入り、新発田から羽越本線へ。越後平野を快走し、草原をゆくような感じである。

5時58分、終点村上1番線に到着。隣りの2番線には普通列車酒田行き(キハ47 511)が乗り換え客を待っている。多くの人々の狙いはボックスシートで、いつも通りの“座席争奪マラソン”で殺気だつが、さいわい、この日、ロングシート改造車は1両もなく、みーんな、思い通りのボックスシートをGETできたようである。

6時03分に発車し、進行方向左側は美しき朝の日本海が姿を現す。冬だとまだ暗闇で、『暗闇仕留人』のエンディング映像を思い出す(『暗闇仕留人』は『必殺仕事人』の前身と言える番組で、当時、中村主水は北町奉行所に所属していた)。

桑川(Kuwagawa)から海なのに笹川流れとなり、今川に到着すると、朝6時30分だというのに、チャイムが鳴った。これからラジオ体操というわけでもあるまい。

笹川流れにそびえる岩は芸術作品のような感じ。アートと言える。ちなみに笹川流れの距離は桑川から約11キロまでと考えたほうがいい。

普通列車酒田行き編成表
乗車区間 号車 車両番号 禁煙 備考
酒田 なし キハ47 511 なし
  なし キハ47 1130 なし
  なし キハ47 187 なし
村上 なし キハ47 1517 なし

90パーセント近くは青春18きっぷ利用客で占めている車内だが、府屋あたりから通学高校生の姿が目立つようになった。列車の数が少ないせいか、高校生の朝は早い。この日は2学期初日のはずであろう。

「列車、大変混みあいまして、御面倒様です。

お客様にお願いいたします。

ここから鶴岡までのあいだ、車内は混み合いますので、1人でも多くの方が坐れますよう、荷物は網棚かヒザの上に乗せますよう、御協力をお願いします」

山形県に入り、鼠ヶ関(Nezugaseki)を発車すると、車掌が放送を流した。

4両の車内は青春18きっぷ利用客と高校生に二分された。前の車両より、うしろの車両のほうが、たいそうにぎわっているだろう。

夏休みの思い出を語り、眠くて寝ているなど、様々。どこの高校生も共通しているのは、ドア付近にいること。時には乗降のさまたげにもなる。

小波渡(Kobato)で村上から続いていたオーシャンショーが終わり、鶴岡市に入った。ちなみに小波渡でおばちゃん2人と相席になるが、なにを言っているのかはよくわからず、地元コトバはヨソモノにはわかんね。

庄内平野の稲穂が黄金色に輝き、7時39分、鶴岡に到着し、しばらく停車。行き違いがあるためだが、2ドアなので、乗降に手間取る。地元軍団で一掃かと思いきや、次なる高校生が怒涛の乗車。車内の入りに大きな変動はなく、7時46分に発車した。

余目で空席が見られ、8時25分、終点酒田1番線に到着。下車して、徒歩12分のところにある酒田郵便局で9時に旅行貯金をした。

コンビニでダイヤの都合上、昼食を早目に購入し、酒田に戻り、2番線から9時41分に発車する普通電車酒田行き(クモハ701-101:女鹿・桂根通過)へ。東北の鈍行の大半はロングシートである。

普通電車秋田行き編成表
乗車区間 号車 車両番号 禁煙 備考
秋田 なし クモハ701- 101 なし
  なし サ ハ701- 101 なし
酒田 なし ク ハ700- 101 なし
女鹿と桂根は通過

夏に普通電車秋田行きを利用するのは初めてだが、今までチラホラと空席があったのに、この日はほとんど埋まってからの発車となった。

普通電車秋田行きは快走し、鳥海山が姿を見せる。まるで、正義の味方のようだ。ちなみに運転席付近では坐れなかったアベックがイチャついている。

鳥海山のあとは“日本海オーシャンショー”復活で、山よりオーシャンに目が行く人が多く、進行方向右側のお客はスタンディングオベーションで、カメラにパシャ!!

カーブが多い関係で、スピードが遅くなるが、日本海オーシャンショーによる徐行サービスとみなしていいだろう。眺望車でもあれば、最高なんだけどね。

羽後本荘を過ぎ、気がついたら羽後亀田を発車し、日本海オーシャンショーは桂根まで展開。先ほどの大海原とは規模が小さいせいか、関心度は低かった。

11時31分、終点秋田に到着し、奥羽本線の普通電車青森行き(クモハ701-26:糠沢通過。大館-弘前間はワンマンカー)に乗り換え。3両から2両に減ったうえ、下校の高校生が乗り込むなど、ロングシートサバイバルは激化!! また、坐れない女子高生は地ベタ。ドアが開いても、立ち上がらなかったが、ついには根をあげるかの如く、立ち上がった。

普通電車青森行き
(大館-弘前間はワンマンカー)編成表
乗車区間 号車 車両番号 禁煙 備考
弘前 なし クモハ701- 26 なし
秋田 なし ク ハ700- 26 なし
糠沢は通過

2両の上、高校生の下校時間と重なるとJR東日本は予想できたはず。大館まで、もう2両増結するなど、気を利かせて欲しいものだ。

青春18きっぷ利用と思われる旅人の立客は、まっピルマから地ビールを飲む。運転するわけではないから、いいものの、飲むんだったら、ボックスシートが理想だっただろう。地ビールの香りはすっぱそうな感じだった。

11時54分に発車。はやての如く、突っ走る。

「本日もJR東日本を御利用下さいまして、まことにありがとうございます」

と車掌が言う。青春18きっぷシーズンの混雑対策はキチッとしてね。

中央本線、JR西日本山陽本線にも存在する大久保で、特急〈かもしか2号〉秋田行きと行き違う。わずか3両しかなく、通過もあっさり。次の羽後飯塚では果てしなく長い貨物列車と行き違った。

電車は井川慶じゃなくて、井川さくらに到着。「井川さくら夙川」という、しりとり遊びができそうだ。

「キーン」

とDrスランプアラレちゃんのような感じで走り、「走るぅー、走るぅー、おれぇーたぁーちぃー」と爆風スランプのような感じでもある。駅へ停まるごとに車中のお客は減ってゆく。

秋田平野を快走し、東能代は下車や五能線乗り換え客が多い。特に五能線の普通列車深浦行きワンマンカーは進行方向左側の席は早々に埋まった。「オーシャンアロー五能線」と名づけたくなってくる。

長時間も鉄道で移動しているせいか、寝ている人もいるが、私の周囲は大変だ。まず、左側の寝ている男は私にもたれ、右の男はゲロを吐きそうな感じの姿勢で寝ている。

大館に到着し、ここから弘前まではワンマンカー。乗車率に大きな変化はなく、しのびよる特急〈かもしか3号〉青森行きに気にすることなく、驀進(Bakushin)を続ける。

津軽湯の沢から青森県に入り、津軽路へ。整理券発行機や乗車ドアにまごつくお年寄りが多く、ワンマンカーは浸透していないような印象を受ける。

弘前で特急〈かもしか3号〉青森行き(1号車グリーン車・自由席クロハ481-1003:自由席利用)へ。酒田から4時間53分に渡る701系のロングシートから、簡易リクライニングシートに坐ると、気持ちいい。

特急〈かもしか3号〉青森行き編成表
乗車区間 号車 車両番号 禁煙 備考
青森 3 クモハ485- 1008 指定席
  2 モ ハ484- 1023 × 自由席
弘前 1 クロハ481- 1003 グリーン車・自由席
乗車した1号車は自由席を利用

14時45分に弘前を発車すると、車内販売のお姉ちゃんがさっそく現れ、コーヒーのニオイがプーンプン。

軽快な感じの701系とは違い、どっしりとした重みのある走り心地。国鉄車を感じる。

自由席の禁煙車が1号車の半室(定員はグリーン車12人、自由席44人)しかないことに怒りを覚えるが、2007年3月18日(日曜日)のダイヤ改正で、全車禁煙となった。

この日の山形、秋田、青森の3県は雲1つないP-KANで、青空が澄み切っている。カーテンを引くところもあり、私は睡魔に襲われ、何度か寝てしまった。

 “汽笛一声新橋を”のメロディーが流れると、終点青森だ。

秋田-青森間の特急は昭和60年(1985年)3月14日(木曜日)のダイヤ改正で、特急〈むつ〉が最初。しかし、昭和61年(1986年)10月30日(金曜日)でフォーエヴァー。その後、特急〈秋田リレー〉による田沢湖線運休のピンチヒッターが登場すると、エル特急〈たざわ〉は秋田-青森間に縮小された。これは盛岡-青森間の便が2往復あったため、生き残っただけなのだ。

平成9年(1997年)3月22日(土曜日)、現在の特急〈かもしか〉に愛称が変更されたが、もともとは国鉄最後のダイヤ改正(1986年11月1日)で、廃車した0系の簡易リクライニングシートを急行形電車に取りつけて、居住性の向上をはかった信州の急行だった。

15時15分、終点青森に到着した。

★備考

①フリー百科事典『Wikipedia「笹川流れ」』はこちらにクリック!!

②フリー百科事典『Wikipedia「JR東日本701系電車」』はこちらにクリック!!

③フリー百科事典『Wikipedia「かもしか(列車)」』はこちらにクリック!!

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コメント 8

葉詩美

読んでて思いました・・羽越本線を研究してる(最近は青春18きっぷの事で頭一杯)んですが快晴ですとこんなに綺麗なんですね・・。親が車で用事で鶴岡の方まで行ったとのことですのでで山形行ってみたいです^^;
信越線を一刻も早く再開する事を願うばかりですねw羽越線は羽越線でまた車両も面白いものです。モーター車と気動車がごちゃ混ぜになってるところがまた特にwwではでは
by 葉詩美 (2007-08-04 07:47) 

岸田法眼

羽越本線は新津-秋田間で、村上-間島間は直流と交流の境界線です。交直流電車はコストがかかるため、鈍行は気動車で運行する変則的な路線ですね。JR東日本は“廉価電車路線”なので、“羽越本線にE531系を投入してもいいのでは?”と思っております。また、特急〈いなほ〉もE653系にしてもよさそうですね。

画像の海は、夏の晴れた日は綺麗ですよ。冬だとまだ夜が明けませんからね。まさに早起きは三文の徳です。

信越本線不通区間は復旧のメドが立っておりませんが、青海川駅の上に崩壊を免れた民家があるので、まずそこが安全な場所であるかどうかを確定させる必要があります。そのあと、土砂崩れ部分をセメントで固めるでしょうね。

復旧は秋から冬になると思われます。
by 岸田法眼 (2007-08-04 14:51) 

オーミヤ

懐かしい写真を拝見させていただきました、165系によるムーンライトえちご号・・・。更に、大型前照灯ですから、たまりません。今は国鉄色の485系6連による運行となりましたが、繁忙期などに見られた3+3+3運用は記憶に残っております。
最後となりますが、こちらのサイトをRSS登録させていただきました。宜しくお願い致します。
by オーミヤ (2007-08-04 21:05) 

オーミヤ

只今、登録しようと致しましたが、So-netのIDとパスワードが必要でした。事実を確認せず、先に登録をしたかのようなことを先走って書いたことをお詫び申し上げます。
by オーミヤ (2007-08-04 21:07) 

オーミヤ

代替手段として、WindowsInternetExplorerの方で登録し、購読をさせていただきます。3連続のコメント、失礼いたしました。
by オーミヤ (2007-08-04 21:09) 

岸田法眼

オーミヤさん、どうもありがとうございます。

RSSはたいてい、URLだけで登録可能なブログが多いのですが、一部は難解ですね。

さて、なつかしの165系ですが、今後も登場する可能性はあります。

〈ムーンライトえちご〉は初代の165系のほうが居住性がよく、2代目はキュークツですね。また、〈ムーンライト信州〉などの誕生もあり、利用する機会はメッキリ減りました。ちなみに165系利用時は9両編成での運行はなかったです。
by 岸田法眼 (2007-08-05 01:39) 

オーミヤ

某大手鉄道雑誌には、165系が9両で運行されておる画像が御座いました。
只今、もう一度調べてまいりましたが青春18きっぷのシーズンになると、先のような9両編成で運行されていたそうです。尤も、ま時の姿を直に見たことはないので、言いきることはできませんけれども・・・。
165系時代はグリーン車並みの座席でしたが、現行の状態になってからはだいぶ変わってしまいましたね。
by オーミヤ (2007-08-05 17:52) 

岸田法眼

私が165系〈ムーンライトえちご〉を利用したときは繁盛期ではないんですよね。なので、9両編成の姿は見ていないのです。1度、その姿を見てみたかったですね。

現行では検査時などは485系1500番台が登板するそうです。あと、できることなら、酒田まで延長して欲しいところですね。
by 岸田法眼 (2007-08-05 18:43) 

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