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2002年の汽車旅9-5 [汽車旅2002]
オマタセ、ベイベー。イッツ・ショータイム。
釧路に戻り、3番のりばへ。臨時〈くしろ湿原ノロッコ6号〉塘路行き(For Tohro.3号車指定席オハテフ510-1:トロッコ&売店つき。非冷房車)が入線。1号車はセミクロスシートの自由席、2~4号車はトロッコ車で、2号車以外は指定席である。
臨時〈くしろ湿原ノロッコ〉は遠矢のみ通過で、種別は表示されていないが、1・2号車は団体などで占めており、トロッコ車の2号車は自由席であることに驚く。団体客に占拠されては落ち着かなかっただろう。事前に指定席券を購入して、正解だった。
2・3番のりばの根室寄りには湿原の鐘があり、私は3回鳴らし、乗り込むが、指定席の3・4号車はガラガラである。
根室からの普通列車釧路行きワンマン列車が遅れたため、定刻より2分遅れの14時52分に発車。トロッコ車は冬でも使えるよう、窓は開閉式で、進行方向左側はボックスシート、進行方向右側は2人掛けのロングシートで、すべて木製である。
臨時〈釧路湿原ノロッコ6号〉塘路行き編成表 | |||||
乗車区間 | 号車 | 車両番号 | 禁煙 | 備考 | |
塘路 | なし | D E10 | 1660 | 不明 | 全区間牽引 |
1 | オ ハ510- | 1 | ○ | 自由席(セミクロスシート) | |
2 | オハテフ510- | 2 | ○ | 自由席(トロッコ) | |
3 | オハテフ510- | 1 | ○ | 指定席(トロッコ)。売店 | |
釧路 | 4 | オクハテ510- | 1 | ○ | 指定席(トロッコ) |
次の東釧路までは普通に走り、釧網本線(Senmoh Line)に入るとのんびりゆき、放送は車掌から、ノロッコレディーに変わり、おしゃべりも一語一句ていねいに、わかりやすく、のんびりしゃべる。
通常の列車よりスピードが遅いので、イラつかぬよう、いやしのBGMを流している。
そのあと、車掌による車内検札。それはいいとして、指定席券を持たずに3号車へ乗り込んだミョーなジジイがノロッコレディーをナンパしているようで、困ったものだ。
臨時〈くしろ湿原ノロッコ6号〉塘路行きは国道391号線沿いを走り、クルマに次々と抜かれる。
車内検札を終えると、車掌は乗車証明書が配り、遠矢を通過すると、臨時〈くしろ湿原ノロッコ〉のテーマ曲が流れ、“さぁー、いよいよ釧路湿原に突入か”と胸を高揚させるが、進行方向右側に待っていた車窓はクルマのスクラップの山だった。出だしからオチかよ!!
いよいよ、釧路湿原(東京ドーム64個分)の登場。大半が釧路湿原の車窓を堪能している中、ジジイは車掌と世間話。ノロッコガールのナンパを阻止するのも車掌の役目?!
スピードが落ち、進行方向左側は水門へ。そして、スピードはあがらず、釧路湿原に到着。20人ほど離脱し、発車。3・4号車はドアが開かなかった。
ノロッコのはずが“はやてッコ”になってしまい、揺れる。単線なので、前方及び後方のダイヤを大いに乱してはならないからであろう。
早々に細岡へ到着。ナンパのジジイは暴走し、買ったワインを飲めと勧める始末。旅がダイナシになっちゃいそう。
細岡の次はもう、終点塘路。再びゆっくり走り、釧路湿原の車窓を満喫させる。
スピードがゆっくりとなり、釧路川。カヌーが2隻こいでいる。車内では『釧路湿原の歌』を流し、その後、ジジイは京都の社会人カップルにちょっかいを!! このジジイ、いったい何者なんだ。
風も涼しく、クーラーなんていらない。自然の風は緑あふれるおいしい空気だからね。ちなみに3号車の売店の売り上げのほとんどはジジイが貢献。ジジイは勝手にワインを差し入れ、京都の社会人カップルと共に赤ワインを昼間から飲むハメになった。困ったジジイだ。
15時50分、終点塘路に到着。ログハウスふうの駅を下車すると、塘路郵便局の職員が立っており、切手の臨時販売。記念切手を買うのが目的でない私は塘路郵便局の所在地を訪ね、走って3分ほどで到着。この日最後の旅行貯金を果たす。あっ、ラッキー、ラッキー、ラッキィーッ!!
塘路駅に戻り、16時19分発の普通列車網走行きワンマン列車(キハ54 516:簡易リクライニングシート改造車。非冷房車。南斜里通過)へ。1両ぽっきりで立客が出るほどのにぎわいだが、2両編成にして欲しい。
普通列車網走行きワンマン列車編成表 | |||||
乗車区間 | 号車 | 車両番号 | 禁煙 | 備考 | |
塘路→網走 | なし | キハ54 | 516 | ○ | 簡易リクライニングシート改造車。非冷房車 |
南斜里通過 |
茅沼(Kayanuma)付近で畑が見えたので、釧路湿原は終わりを迎えたようだ。
釧路湿原はお別れでも、大自然の満喫はまだまだ続き、五十石(Gojikkoku)を過ぎてから、モーモーお牛さんの姿が目立つようになった。ちなみに臨時〈くしろ湿原ノロッコ〉とはスピードが倍なので、よく揺れる。
標茶(Shibecha)は乗降が多く、車内はすかない。私はアルコールに強い体質ではないので、酔いがまわってしまう。
普通列車網走行きワンマン列車は摩周に到着。大量下車し、全員着席となる。ちなみに残念ながら、釧網本線の車窓から摩周湖は見えない。
発車すると、日が落ちかけてきた。根室の日の入りは17時49分。あと1時間ほどで、こちらも日没となるだろう。
川湯温泉で更に減ったが、あのジジイが「おつりいらない」とダダをこね、運転士を困らせるひとまくがあった。自分勝手で困ったものだ。
川湯温泉を発車すると、森にさまよい、緑へ。周囲に住居があちこちに点在するが、大自然の中に駅があるということに変わりはない。
だんだん、暗くなりかけようとしている。1~2か月早ければ、まだ明るいだろう。
中斜里を発車すると、進行方向左側の空は落陽で、一部が赤く染まっていて、カメラを向ける人がいた。デジカメはスンナリ撮れそう(この当時、私はフイルムカメラを使っていた)。
知床斜里は乗降が多く、乗車率が回復。発車すると、潮の香りがしだし、ついにオホーツク海が見えた。
ついに“オホーツク海オーシャンショー”の始まりだ。ギリギリで間に合った。列車はフルスピードでバクシン!! さぞ、日の出は美しかろうと思うが、空に赤味があるため、もしかしたら日が落ちるところなのかもしれない。
オホーツク海オーシャンショーを終え、止別(Yamubetsu)へ。発車すると、オホーツク海オーシャンショーを再開。桂台まで続いた。
桂台を発車すると、高架を通り、左へ曲がると、18時49分、終点網走1番ホームに到着。釧網本線全線完乗を達成した。
下車すると、駅舎は網走刑務所を参考にしたようなデザインであることに気づく。観光地のように思える網走刑務所だが、実際は今もそこで生活する人がおり、ホンモノの刑務所だとは思わなかった。
駅前に郵便局があるのを見つけて、網走駅に戻り、1番のりばで22時20分に発車する特急〈オホーツク10号〉札幌行き(2号車自由席キハ182-43)へ。ちなみに留置線では『ニセコエクスプレス』と『クリスタルエクスプレス』が密会(?!)をしていた。
なお、2006年3月18日(土曜日)のダイヤ改正で、夜行の特急〈オホーツク9・10号〉〈利尻〉は季節運行に格下げられた。普段の利用客が少ないということだが、さびしいものである。
ふと思ったが、特急〈オホーツク〉〈スーパーおおぞら〉プラス釧網本線で、“夢の札幌発札幌行き”はできないだろうか。キハ283系を使用し、北海道の車窓を大満喫できるダイヤにするのだ。愛称もJR九州の特急〈九州横断特急〉に対抗し、「特急〈シベリア超特急〉」にする。トロッコ列車もいいが、特急の大縦断もあっていい。課題は釧網本線のホームの長さぐたいだろう。
特急〈オホーツク10号〉札幌行き編成表
乗車区間 号車 車両番号 禁煙 備考
遠 軽 1号車 キハ 183-16 自由席
2号車 キハ 182-43 自由席
増21号車 キハ 182-11 指定席
増22号車 キハ 182-10 指定席
増23号車 キハ 182-45 指定席
3号車 スハネフ 14 504 2段式B寝台(一部女性席)
4号車 キロハ 182-4 グリーン車・指定席(女性席)
網走 札幌 5号車 キハ 183-211 指定席

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景色も素晴らしかったでしょうね~
道東は鉄道で旅するとたまらないでしょうね。
by kikuzou (2007-08-10 06:15)
おおっ!ノロッコ号だ!
私もオハテフ510-1の指定席に乗ったことがあるのですが、塘路行きは結構混んでいました。
しかし、廃車の山は・・・イカンですなぁ。(^^;)
釧網本線の知床斜里~網走は、一度乗ってみたい区間です。
オホーツク海がきれいだろうなぁ。。
by (2007-08-10 13:04)
kikuzouさん、どうもありがとうございます。
北海道の車窓は心に残りますね。ただ、北海道だと鉄道より、レンタカーのほうがよさそうな気がします。機動力ではクルマが勝りますからね。
今回の旅では思いっきり、JR北海道を満喫しました。
by 岸田法眼 (2007-08-11 00:50)
うたにさん、どうもありがとうございます。
私が乗ったのは9月の平日なので、ガラガラだったのでしょう。観光客に乗ってもらうため、土休だけの運行というわけにはいかないのでしょう。
釧路湿原に入る前の廃車の山には驚きましたよ。もし、普通列車に乗っていたら、たぶん撮影しそこねたかもしれませんね。
オホーツク海はギリギリで見れましたが、次回の利用時は晴天で満喫したいものです。
by 岸田法眼 (2007-08-11 00:53)
こんばんは。
こちらは釧網線のノロッコには乗車した事がなく、同線自体も普通列車で1度乗り通しただけですが、本数が少なく乗り難いながらも、乗車する価値は充分ある路線ですね。
また釧網線かなりの閑散線で、大半の列車が1両ワンマンですが、観光シーズンだけ混雑するのは、この時期の利用者に格安な青春18きっぷや北海道&東日本パスの利用者が多数を占めている事を考慮すると、止むを得ないかもしれません。
あと網走の監獄ですが、彼の地ではかつて使われていたモノを移設して公開している博物館(博物館網走監獄)と、実際に使われている刑務所(網走刑務所)の双方が存在し、網走駅から博物館網走監獄へバスで向かうと、途中に刑務所前(網走刑務所)というバス停が存在する程ですので、少々紛らわしいですね。
by MAKIKYU (2007-08-12 22:08)
MAKIKYUさん、どうもありがとうございます。
釧網本線は本数が少ないですが、普通列車はよく揺れます。ただ、キハ54系500番台は台車をボルスタレスに交換しているので、揺れは改善されたでしょう。
網走刑務所にはビックリしましたが、博物館があるのですね。情報ありがとうございます。
by 岸田法眼 (2007-08-13 01:20)