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2007年の汽車旅4-14 [汽車旅2007]

オマタセ、ベイベー。イッツ・ショータイム。アーンドゥ、クライマックス!!

十三で再び京都本線に乗り換えるが、ここでもあることに気づく。

十三は神戸本線が1・2号線、宝塚本線は3・4号線、京都本線は5・6号線となっているのに対し、梅田は京都本線が1~3号線、宝塚本線は4~6号線、神戸本線は7~9号線となっている。

日本の鉄道の多くは1番線の振り方が駅ごとに西から順、東から順となっている。例えば、JR東日本の東京、JR東海の名古屋、JR九州の博多は1番線が西側にあるものの、JR東海の大垣とJR西日本の大阪は東側にある(JR西日本とJR九州は「1番のりば」と案内)。

日本の鉄道は番線の表示を統一して、よりわかりやすくして欲しいと思う。



さて、京都本線は3300系の快速急行と各駅停車の河原町行きが発車。隣りの宝塚本線では3号線に6000系の特急〈日生エクスプレス〉日生中央行きが発車。宝塚本線で運行される唯一の特急である。



再び京都本線に目を向けると、7300系の準急河原町行きが発車し、そのあと、お目当ての通勤特急河原町行き(8号車6454:携帯電話電源オフ車両)が到着た。10分以上も待ったので、先ほど乗った神戸本線の特急は“終点梅田まで乗ってもよかったな”と損した思いだ。

阪急は6300系・6330系に限り、車体側面及び車内に号車シールがあり、特急車のプライドと風格を感じさせ、18時43分に発車する。当然、坐れない。

通勤特急河原町行き編成表
通勤特急梅田行き編成表
乗車区間 号車 車両番号 禁煙 備考
河原町 8 6454 携帯電話電源オフ車両
  7 6914 弱冷車
  6 6814 なし
  5 6864 弱冷車。女性専用車
  4 6854 なし
  3 6904 なし
  2 6804 弱冷車
十三 梅田 1 6354 携帯電話電源オフ車両
女性専用車は平日終日

減速して淡路を通過。6300系は大阪市営地下鉄10系をさながらの電気笛を鳴らす。この音色、俺は好きなんだなぁー。思えば、初めて10系を見た時、電気笛のタイフォンが衝撃的だったが、なんでリニューアル時に変えちまったんだろうね?(ちなみに10系は増備末期から空気笛に変わっていた)

7300系の準急河原町行きを抜き、俊足が戻る。乗車している車両は昭和52年(1977年)に産声をあげて、30年たつが古さは感じない。というか、9000系・9300系は大仏みたいなフェイスであるため、6300系の落ち着き感、重厚感が際立っているのである。

6300系は昭和50年(1975年)に入団。2800系の後継車とした特急車両で、2ドア転換クロスシートを踏襲。阪急の車両では初めて、車体上部に白を採用。先頭車の貫通扉の周り及び、急行灯とテールランプをシルバーで囲むなど、特急車のグレードを高めた。

2800系は特急運用から離脱し、ロングシート3ドア化して、活躍を続けたものの、先輩の2300系よりハードな運行をしていたため、老朽化が進み、8300系に置き換えられている。

昭和51年(1976年)、6300系は鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞し、阪急のエースに君臨。昭和59年(1984年)には輸送力増強のため、6330系が登場。足まわりは7300系と共通である。

入団以来、まさか32年も走り続けるとは思っていなかったが、特急の停車駅が激増し、2003年にセミクロスシート(転換クロスシート&ロングシート)3ドアの9300系が入団しているものの、6300系を置き換えるほどの勢力ではなく、また、経営事情もあり、まだまだ走り続けるだろう。

阪急はマルーンの車体と木目調の車内にこだわりを持っており、携帯電話電源オフ車両を設けるなど、独自色の強い鉄道だ。それゆえ、阪急ファンが多いのもうなずける。

ただ、これを「伝統」と化したため、思い切った刷新ができないように思える。例えば、塗装を省いたステンレス車体が登場したとしても、レールファンは東武鉄道の通勤形電車と同じように映るだろうし、現代の鉄道では白を基調とした化粧板を基本としているが、阪急にそれを採用したら、違和感を持つ利用客も多いかもしれない。コストの削減がどこの鉄道でも共通のキーワードであるだけに、“伝統からの脱却と新たな挑戦をしてもいいのではないか”と考えることがある(結論が出ないため、提言できない)。

しかし、阪急のように独自色にこだわらないと困るケースもある。

例をあげると、JR東日本E231系シリーズやE233系シリーズをベースにした私鉄や地下鉄の車両が誕生したことである。特に相模鉄道10000系や東京都交通局10-300形のようにドア及び、ドア上の情報案内装置などを見ると、“JR東日本の車両に乗っているのではないか?!”と錯覚するほどの車両もある(ドアチャイムもJR東日本と同じ)。共通化するにせよ、オリジナリティーがないのは“芸がない”ことと同じなのである(JR九州はオリジナリティーのがある車両が多い)。

さて、新快速ほど混んでおらず、高槻市で若干減るものの、それでも坐れず、発車すると東海道本線に接近。タイミングがいいのか悪いのか、221系の普通電車米原行きとデッドヒートを繰り広げ、互角。心情的に“世界遺産候補”の221系に抜き去ってもらいたいところだけど、特急の面目躍如。先ほどの神戸本線7000系の特急梅田行きは各駅停車JR東西線経由松井山手行きについていけなかったから、意地を見せたことになる。

長岡天神で降りるお客が多く、補助いすに坐る。



補助いすは1人がけとなっているものの、JR西日本223系1000・2000・5000番台、JR九州817系シリーズのように離席すると、自動的に収納しない構造である。



桂で補助椅子から展望席へ。展望席は2人がけロングシートで6300系・6330系で唯一、惜しい点だが、最前席にはひじかけがついており、ふっくらとした座席は“ゆったり感”を強調。坐り心地もよく、さすがは特急車だ。

西京極を通過すると、地下へもぐり、西院へ。ここから先は各駅に停まり、19時24分、終点河原町3号線に到着したが、この駅は撮影しづらく、到着時しか撮れない印象を持つ。ただ、フラッシュを使うことは運転の妨げになるため、7・8両編成の場合、10両編成対応の1号線梅田寄り以外、撮れる場所がない(10両編成時はムリ)。

折り返し、通勤特急梅田行きとなり、再び乗車。さいわい、8号車は乗る人が少なく、ほかは補助いすを必要とするほどの入りである。



8号車は携帯電話電源オフ車両なのに、テレホンカード式公衆電話がある。京阪電気鉄道8000系“エレガン都エクスプレス”のような個室ではないため、通話するとうるさくて不快感を持つお客も少なくないだろう。車掌も携帯電話電源オフ車両を案内しても、テレホンカード式公衆電話についてはまったく案内していない。“通話したけりゃテレカを使え”ということなのだろうが、矛盾しているように思う。これだとテレホンカード式公衆電話を撤去するか、携帯電話電源オフ車両を7号車に変更する必要があるだろう。



6300系の転換クロスシートはバケットタイプではないため、相席になると、座面が下がる感じで、JRの近郊形電車のようなワイドボディーでないこともあり、若干、キュークツさを感じる。窓側にひじかけがあるせいだろうか(9300系の転換クロスシートは窓側にひじかけがない)。

通勤特急の走りは見事。近年の特急は途中駅の停車駅を増やしているせいか、貫禄が失われ、品格が問われても不思議ではないが、停車駅の少ない通勤特急は最高。もう1度、昼間の特急で速達の爽快感を味わいたいものである。



相川を発車すると、スピードが落ち、熱を冷ますかのような走りで十三に到着。一気にガラガラとなり、20時15分、終点梅田1号線に到着。外幌を見ると、新幹線なみの高さをほこり、マルーンだと女性のブーツにありがちな色であろう。6300系をクライマックスに選んでよかった。

JR西日本大阪へまわり、Jスルー(自動改札機)をSuicaで利用。タッチしたが、Jスルーの利用は4年ぶり及び、JR西日本で初めてSuicaを使うことが影響したのか、1発で突破することができず、もう1度タッチして通れた。



東海道本線8番のりばから20時38分発、221系の快速(高槻から普通電車)京都方面野洲行き(6号車サハ221-55)へ。この日、唯一のJR利用で、次の新大阪で下車した。

快速(高槻から普通電車)
           京都方面野洲行き編成表
乗車区間 号車 車両番号 禁煙 備考
新大阪 8 クモハ221- 55 なし
  7 モ ハ221- 55 なし
  6 サ ハ221- 55 なし
  5 モ ハ220- 45 なし
  4 サ ハ220- 45 なし
  3 モ ハ220- 46 なし
  2 サ ハ220- 46 弱冷車
大阪 1 ク ハ221- 55 弱冷車

★備考

①『お出かけ通信:blog版「関西一泊二日1979年(07)」』はこちらにクリック!!

②『お出かけ通信:blog版「関西電車旅(1975年夏版)06」』はこちらにクリック!!

③『お出かけ通信:blog版「関西電車旅(1975年夏版)07」』はこちらにクリック!!

④フリー百科事典『Wikipedia「阪急6300系電車」』はこちらにクリック!!

⑤住吉急行電鉄の日報「阪急創立100周年」はこちらにクリック!!

⑥ホテル&トラベルジャーナル「阪急電鉄の100周年」はこちらにクリック!!

⑦岸田法眼のRailway Blog.「2003年の汽車旅8-後編-」は
こちらにクリック!!

⑧岸田法眼のRailway Blog.「2003年の汽車旅9-後編-」はこちらにクリック!!

⑨岸田法眼のRailway Blog.「2004年の汽車旅2」はこちらにクリック!!

⑩Yahoo! セカンドライフ「世界遺産にしたい車両-JR西日本221系-」はこちらにクリック!!

★ウラ話

microSDカードのメリットを生かし、携帯電話で6300系の車内を4枚をひとつにまとめた画像を作成したが、本文に使う必要性がないことがわかり、“骨折り損のくたびれもうけ”となった。ちなみに2007年9月下旬にmicroSDメモリーカード1GBを購入しようとしたが、SDメモリーカードより500円の差がついていたため、後者に変更した(2007年8下旬購入時は200円の差だった)。




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コメント 10

UZ

阪急6300系は昭和50年の登場以来30年経過しています。最も新しい編成でも20年以上経過しています。当時の空気をどことなく感じさせる部分も多いですね。
私もJRに221系が登場するまで、京都へ行くのによく利用しました。当時JRよりも運賃が安かった事や座り心地が良かった事もあり人気があり、始発でいつも満席になり、立ったまま移動する事も少なくありませんでした。
その後は221系や223系、阪急でも9300系の出現、特急の停車駅が増えた事によりラッシュ時の運用に支障を来す事になりました。
先日久々に乗車しましたが、夕方ラッシュ時なのに比較的余裕があった事もあり、時代を感じました。長い期間走行していますが、今後も更新をかけて頑張ってほしいですね。
by UZ (2007-10-07 07:08) 

岸田法眼

6300系に関するエピソードをお寄せいただき、ありがとうございます。

特急車ということもあり、かなり威信をかけて作ったというのがうかがえますね。

ただ、阪急の情勢により、特急の高速性が失われ、停車駅がかつての急行なみとなってしまったこと、利用客の減少に歯止めがかからず、日中は3ドアでも空席が多いなど、種別の意義が低下したのは残念です。

今後も走り続けることでしょうが、9300系の勢力はどこまで増やせるかどうかも気になりますね。
by 岸田法眼 (2007-10-07 11:25) 

サットン

6300系はいろいろと思い入れがあります。デビュー前の一般試乗会に当選したこと、大学4年間通学でお世話になったことなど。今でも看板車両の貫禄十分だと思います。ただ最近はシートがくたびれているように感じます。梅田駅で見ているとロングシートの特急を見送りクロス車を待つ人が案外いるということです。10分待てば次が来ますから。案内表示でも次発の特急のドア数を表示しています。
番線表示の件ですが、国鉄には駅本屋(駅長室のある建物)のある方から番号をふるという原則がありました。阪急で面白いのは桂駅の嵐山線ホームにC号線という乗り場があることですが、Cの意味はわかりません。
by サットン (2007-10-07 13:12) 

岸田法眼

サットンさん、コメント5連投ありがとうございます。

6300系は阪急のエースですが、停車駅の増加により、影が薄い存在になった感じもします。事実上、新快速に白旗を揚げた停車駅の大幅増加は不満があり、全国的に特急の定義はあいまいになっているので、巻きぞいになったのかもしれません。

おっしゃる通り、確かに東京駅は西側の丸の内口に駅長室があります。ちなみに東京駅には駅長は3人いるんですよ。梅田も3人います。

桂のC号線は初めて知りました。めったに営業運転で使うことはないらしいのですが、くわしいことはhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A1%82%E9%A7%85http://rail.hankyu.co.jp/station/katsura/index.htmlにアクセスしていただければ、さいわいです。
by 岸田法眼 (2007-10-07 18:45) 

住吉人

岸田法眼様、こんばんは。


>阪急はマルーンの車体と木目調の車内にこだわりを・・・
かつて新聞記事で見たことがあるのですが、
阪急電鉄が車体のマルーンを変えようと計画があったようですが、利用者から『猛反発』を食らい、結局マルーンを基調に屋根部にアイボリーを入れただけに止まりました。
沿線住民・利用者の声が相当大きかったことかと思われます。
by 住吉人 (2007-10-07 21:25) 

しおつ

関西の鉄道は、なかなか縁がなくて阪急は乗ったこともないです。
by しおつ (2007-10-07 22:35) 

岸田法眼

住吉人さん、こんばんは。コメント連投ありがとうございます。

阪急の塗装変更の話は聞いたことがあります。実際に塗っていたらしいですが、おそらく営業運転に就くことはなかったのでしょう。

かつて、南海は空港線開業を機に色を塗り替え、沿線から物議がありましたが、京阪の通勤車も同じ色なので、いい意味での分離ができて、よかったのではないでしょうか。また、〈こうや〉が据え置きなので、“南海のエース”という存在なのでしょう。
by 岸田法眼 (2007-10-07 23:28) 

岸田法眼

しおつさん、どうもありがとうございます。

クセになるかどうかはわかりませんが、刺激的ですよ。機会がございましたら、乗ってみてはいかがでしょうか。
by 岸田法眼 (2007-10-07 23:29) 

MAKIKYU

こんにちは。

阪急6300系の座席は横幅はともかくとして、足元がやや支える印象がありますので、先頭車最前部の座席のみをロングシートとして、選択の余地を残している点は評価できますし、最近登場した9300系はシートピッチを拡大してこの問題を解決していますが、同系はその代わり座席定員が少ないのが難点ですので、どの様な座席配列が最も良いと感じるのかは、評価が分かれる所ですね。

また阪急グループ(神戸電鉄なども)の携帯電話OFF車両は、通話の際の話し声などではなく、携帯電話からの電磁波問題を考慮しての事かと思いますので、携帯OFF車両に公衆電話設置は問題ないかと思いますが、携帯の普及している現状ではどの程度の利用があるのか…という気がしますし、反対側(梅田寄)先頭は最混雑車両ですので、ここを携帯OFF車両にするのは分かりやすさという面では評価できるものの、これは少々問題ありかもしれません。
by MAKIKYU (2007-10-08 13:50) 

岸田法眼

MAKIKYUさん、どうもありがとうございます。

6300系の転換クロスシートは足元にパイプがあって、足のせ的な印象がありますね。9300系は転換クロスシートの少なさに愕然としました。通勤輸送を主眼におき、特急の速達復活がないような印象を受けます。

携帯電話オフ車両がある以上、通話はダメということですから、公衆電話のあるところにそれがあるというのは矛盾している気がしますね。ただ、1日にどこのくらい利用しているのかはわかりませんが、JR東海でも311系・373系が外されているだけに今後はどうなりますか?

阪急も全席優先から優先席を設けるよう、見直す可能性があるそうです。そうなると、携帯電話電源オフ車両のあり方が見直されることにもなりそうです。
by 岸田法眼 (2007-10-08 14:02) 

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