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2008年の汽車旅1-5(寝台特急〈なは〉〈あかつき〉フォーエヴァー初日) [汽車旅2008]
終点門司で1番のりばへまわり、鹿児島本線19時46分発の準快速(赤間-久留米間は快速、久留米から普通電車)荒尾行き(クハ810-105)に乗り換えるが、電車とホームの段差があまりにもあり過ぎている。
JR九州はホームの地面に乗車口があり、両数表示をしているが、4・8両編成はオール811系シリーズと415系シリーズ、3・6・9両編成はオール813系シリーズ、7両編成は双方の混結となっている。
車内は先頭車のみ自由席のプレートがあり、先ほどの普通電車門司行きでもそうだったが、乗務員室寄りに温度計が設置された。どうやら、JR九州では標準装備になったようである。ちなみにこの日の温度は18℃である。
準快速(赤間-久留米間は快速、 | |||||
久留米から普通電車)荒尾行き編成表 | |||||
乗車区間 | 号車 | 車両番号 | 禁煙 | 備考 | |
鳥栖 | なし | ク ハ810- | 105 | ○ | 自由席 |
なし | サ ハ811- | 201 | ○ | なし | |
なし | モ ハ811- | 105 | ○ | なし | |
なし | クモハ810- | 105 | ○ | なし | |
なし | ク ハ810- | 17 | ○ | なし | |
なし | サ ハ811- | 17 | ○ | なし | |
なし | モ ハ811- | 17 | ○ | なし | |
門司 | なし | クモハ810- | 17 | ○ | なし |
定刻より1分遅れで小倉に到着し、3分停車。遅れている883系のエル特急〈ソニック49号〉大分行き、787系の特急〈きらめき5号〉博多行きを定刻通り、先に発車させる。
「閉まるドアに御注意下さい」
と車掌はJR九州の“定番フレーズ”を言い、19時55分に発車する。
鉄道会社によって、定番フレーズはあり、今回は私が今まで聞いたものを御紹介しよう。
◆ドアから手を離してお待ち下さい
これはJR西日本の定番フレーズで、ドアに注意ステッカーを貼ってからだと思うが、使われだした。ちなみに東京のラッシュ時だとドアから手を離すことがほとんど不可能で、朝より23時台のほうがきつい(特に金曜日)。
◆お降りの方はお支度をお願いします
これはJR東海静岡地区の定番フレーズで、普通電車の停車時間が短い駅が多いため、定刻通りに運行するためにも、お早目のお支度をお願いしている。ちなみに東海道新幹線ではそのような定番フレーズは流していない。
◆足元に御注意下さい。出口はx側です
これは東京地下鉄の定番フレーズ。到着時に放送を流すのだが、なぜか駅名を省略し、このようなフレーズを発している。これは帝都高速度交通営団時代にはなかった。
足元に注意するほどのホームは少なく、「出口はx側です」と略すところが多いものの、ラッシュ時は乗り換え路線を案内しないため、放送の質は帝都高速度交通営団時代より落ちている(乗り換え路線の終電が出てから、案内を省略するのは理解できる)。ちなみに帝都高速度交通営団時代、英語放送は南北線のみであったが、東京地下鉄になってからは自動放送を搭載していない車両以外は全線に拡大したものの、やはりラッシュ時は省略している。
準快速(赤間-久留米間は快速、久留米から普通電車)荒尾行きは水巻で大量下車があり、空席が見られるようになり、海老津で811系の回送が止まっているが、種別幕は黒地に赤いJR九州のコーポレートカラーを入れている。これは衝撃だ。なんせ、今までJRのマークが種別幕に入っている姿を見るのは初めてだからだ。ちなみに813系シリーズは種別幕のJRは白地になっている。
余談だが、JR西日本は種別幕に回送を表示するが、なぜか125系は方向LEDである(125系はフェイスに種別幕がなく、側面にあるという、疑問のある車両)。また、JR東海は種別幕ではなく、方向幕に回送を表示する。これは東京急行電鉄2代目5000系も同様である。
福間で883系のエル特急〈ソニック50号〉博多行きの通過待ち。停車中、車番チェックをすると側面の種別幕は準快速から快速に変わっていた。
香椎を発車すると、西日本鉄道貝塚線に合流。貝塚線の香椎宮前まで距離は短く、共にある千早もあっというま。貝塚線はほとんど鹿児島本線と並行しているため、苦しい立場だが、福岡市交通局箱崎線に乗り継げば、繁華街の天神や中洲が近いので、まだまだ必要だ。
千早(Chihaya)を発車して5分足らずで貝塚を通過。JR九州に駅はなく、設置できるスペースもないようだ。また、運転士は通過駅やそうでないところでも、警笛を鳴らしまくる。
吉塚でJR西日本山陽新幹線0系の〈こだま669号〉博多行きに抜かれる。東海道新幹線開業時から活躍を続けていた0系は2008年11月の予定で運行を終了。その後、サヨナラ運転を行なう計画があるという。
21時06分、博多7番のりばに到着。ここでは大量乗車があり、21時07分に発車。警笛は相変わらず、豪快に鳴らし続け、南福岡に到着。隣りの6番のりばで発車を待っていたエル特急〈リレーつばめ67号〉新八代行きに抜かれる。そうさせるぐらいなら博多で先に通せばいいのに、よくわからないダイヤだ。ちなみにドアは中間以外、締め切っていた。
上りの4番のりばでは813系シリーズ(初期車と1000番台)の普通電車門司港行きが885系のエル特急〈かもめ46号〉博多行きに抜かれた。
大野城でスピードが落ち、ノロノロ運転。都府楼南(Tofuroh-Minami)まで続き、そこを通過すると、一気にスピードがあがり、21時26分、二日市に到着。811系と813系を混結した普通電車鳥栖行きに接続し、定刻より1分遅れの21時27分に発車。ダイヤは回復して、定刻通り、21時39分、鳥栖に到着。ホームの上屋を支える柱はドイツ製の古いレールで、明治29年(1896年)に製造。本業としての役目を終えたあとはホームで“縁の下の力持ち”に転身しており、112年間、鉄道事業を支えていることになる。
話は変わり、もし、この鳥栖にせんだみつおがいたら、きっとレールファンには、あのフレーズで声を掛けているだろう。
「ナハッ、ナハッ!!」
ふと進行方向右側に目をやると、1番のりばに寝台特急〈なは〉京都行きが停まっている。レールファンも集結しており、これから寝台特急〈あかつき〉京都行きを待つが、私が1番のりばに着いた時、運悪く、熊本から牽引したED76が切り離されていた。
ここで疑問が発生し、鳥栖で寝台特急〈あかつき〉京都行きとドッキングするのだが、どうやってやるのかが気になった。『JR時刻表』をよく見ていないから、疑問が生まれてくるのだが、てっきり寝台特急〈あかつき〉京都行きが先に到着するものと思っていた。
さて、レールファンは寝台特急〈なは〉京都行きを思う存分に撮るものの、3号車B寝台個室ソロはボロボロ。寝台特急〈なは〉はJR九州所属だが、同僚の寝台特急〈はやぶさ〉〈富士〉はそういう姿を見せていないだけにこの差はいったい、なんだろうか? よくも哀れな姿で営業運転をしているものである。この姿を見ていると、JR東日本の583系を思い出す。
2000年に入り、JR東日本583系はわずか24両に減少し、そのうちの1編成は無残な姿だった。その編成は検査切れの2003年に廃車することを予定していたが、哀れな姿がなんと2002年12月下旬、郡山-仙台間の臨時快速〈SENDAI光のページェント〉で運行。これが好評となり、仙台支社は必要な戦力と判断。郡山工場(現在の「郡山総合車両センター」)で大手術を受け、美しい姿がよみがえっている(2008年3月現在、JR東日本の583系は12両と更に減少している)。
しかし、JR九州は車体修繕をしなかった。採算が合わないものにカネがかけられなかったのだろう。その結果、最悪の結末を迎えてしまったのだ。JR九州らしくない気がするものの、九州新幹線に力を入れているため、いずれにしても、寝台特急〈なは〉は役目を終えるという筋書きは以前から描いていたのだろう。
21時48分、3番のりばに「お待たせしましたぁー」と言いたげなブレーキ音で、寝台特急〈あかつき〉京都行きが到着。少々、停まったあと、発車して一旦、鹿児島本線へ進入。そのあと、バックして寝台特急〈なは〉京都行きとドッキングすることがわかった。その光景を目に焼きつけたいのだけど、見ちゃうと長崎本線21時56分発の各駅停車肥前山口行き(クハ810-16:自由席)に乗れなくなってしまうため、無念だ!!(青春18きっぷでなければ見ることができたのだが…)
各駅停車肥前山口行きに乗り換える。JR九州は車掌によって、「各駅停車」や「普通列車(電車)」と言うため、どちらかに統一してもらいたいものである。個人的には「各駅停車」のほうがわかりやすくていいが、駅の行先案内板では「普通」と表示している。
中原(Nakabaru)でエル特急〈みどり29号〉佐世保行きの通過待ちをしたあと、22時24分、佐賀に到着。この日は佐賀泊まりである。
各駅停車肥前山口行き編成表 | |||||
乗車区間 | 号車 | 車両番号 | 禁煙 | 備考 | |
佐賀 | なし | ク ハ810- | 16 | ○ | 自由席 |
なし | サ ハ811- | 16 | ○ | 自由席 | |
なし | モ ハ811- | 16 | ○ | なし | |
なし | クモハ810- | 16 | ○ | なし | |
なし | ク ハ813- | 2 | ○ | なし | |
なし | サ ハ813- | 402 | ○ | なし | |
鳥栖 | なし | クモハ813- | 2 | ○ | なし |
★備考
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ボロボロになった車体が、今までの活躍(功績)を感じさせますねぇ。
by 鉄道美術館館長♪ (2008-03-16 09:21)
鉄道美術館館長♪、どうもありがとうございます。
〈なは〉は2段式B寝台は状態がいいのですが、なぜかソロだけがこのありさまなのです。車体強度の問題もあるのかどうかはわかりませんが…
by 岸田法眼 (2008-03-16 09:52)
車両がこんなに痛んでいたと走りませんでした。
最終運転直後にこれらの編成は早々廃車回送されたようですね。
こんな状態ではやむを得ないことだったのでしょう。
by schnitzer (2008-03-16 09:56)
なは、あかつきはとうとう乗る機会がありませんでしたっ
ブルートレインがどんどんなくなって悲しいデス
by haru (2008-03-16 13:31)
schnitzerさん、どうもありがとうございます。
もう〈なは〉の編成は廃車したんですか。この状態では修復の仕様がないと判断するしかなかったのですね。
by 岸田法眼 (2008-03-16 15:02)
haruさん、どうもありがとうございます。
ブルートレインは縮小の傾向にあり、元気がありません。かと言って、ホテルよりせまいですから、見合った寝台料金に見直さない限り、好転しないでしょう。
私はまだSUNRISE EXPRESSに乗ったことがないので、乗ってみたいですね。ノビノビ座席は廉価ですし、寝台個室も魅力です。
by 岸田法眼 (2008-03-16 15:09)
取材お疲れ様です。また当方の拙い記事を備考に紹介して下さってありがとうございます。
現在の消費は支払った金額に見合ったものかどうかがその人の支払う基準になっているのかが重要になっています。その基準に満たさなければ市場から淘汰されます。ブルートレインが淘汰されたのは自明の理ではないでしょうか。
それにしてもあのボロボロの車体は乗客をバカにしているとしか思えないですね。
by UZ (2008-03-16 23:30)
UZさん、どうもありがとうございます。
個室ならば寝台料金に見合うと思いますが、現代の水準からして、”1泊6300円”は高いと思うでしょうね。普通のB寝台ならば、喜んで乗るのは583系だけでしょうか(下段がいいですね)。
豪華さをウリとする〈トワイライトエクスプレス〉や〈カシオペア〉は見合う額でしょうね。そうでなければ、リピーターが多いということはありません。この2つはブルートレインではなく、列車名で呼ばれるのが一般的になっておりますね。
ボロボロの車体について、この記事では賛否両論の御意見がありますけど、あれを見たら興ざめする人は少なくないと思いますが、なぜあそこまでひどい状態になったのか知りたいですね。
by 岸田法眼 (2008-03-17 02:10)
ハードな旅お疲れさまです!いや、うらやましい!
それにしてもSOLOの外板塗装のメンテのひどさには恐れ入ります。メンテなんていう以前の問題ですね。乗ってくれるなといわんばかりです。
高額商品をこんな形で提供している企業の姿勢を疑ってしまいます。
by サットン (2008-03-18 10:49)
サットンさん、どうもありがとうございます。
UZさんのブログで〈なは〉のソロのひどさは紹介されているのですが、実際にナマで見ると、見るに耐えないものがありますね。おっしゃる通り、れっきとした商品ですから、そういう意識がなさ過ぎるのも、九州新幹線全通をにらんでいるからでしょうね。でも、〈はやぶさ〉〈富士〉は車両が30年以上、経過していますが、こんなにひどくはないですよ。手入れの格差にも疑問があり、14系化改造で、デュエット共々、〈はやぶさ〉〈富士〉に連結されることはなさそうです。
by 岸田法眼 (2008-03-18 23:52)