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臨時快速〈リゾートみのり〉お披露目の儀 [プラットホーム2008]



2008年9月14日(日曜日)、JR東日本上野へ。東北本線地平ホームはにぎわいを見せている。この日、13番線で10月1日(水曜日)にデビューする臨時快速〈リゾートみのり〉の車両展示会が行なわれており、改造車ではあるが、新しい車両をひと目見ようと多くの人々が駆けつけた。

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14番線にはE231系近郊形タイプの普通電車黒磯行きが発車を待っているが、1号車乗務員室寄りの一画を荷物室としていた。上野でこういう姿を目にするとは思ってもみなかったが、新聞を積み込んでおり、どこの駅で降ろすのかはわからないものの、そうするのであれば、そこだけドアを締め切ったほうがよかったのではないだろうか。  

13時18分、14・15番線にある車両展示会の列の最後部に並び、13時20分に普通電車黒磯行きが発車。10両編成で運行しているため、グリーン車が長く楽しめる。  

嬉しいと言うか、こっちが驚いたことでもあるが、予想もしていなかった長蛇の列で、こういうイベントはレールファン主体というイメージがあるものの、家族連れが多い。係員によると、1時間以上も待つ可能性があるという。そして、13時30分、予定より30分早く展示会の見学受付を打ち切った。以前、車両展示会は品川で行なわれていたが、今回はなぜ上野なのだろうか?

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車両展示会は約50人が1組となって、見学するもので、13時51分、ついに13番線へ移動。前へ進むと、ディーゼルエンジンの音が聞こえる。上野でディーゼルエンジンの音を聞くのは寝台特急〈カシオペア〉のラウンジカーやブルートレインの電源車、寝台特急〈北陸〉のスハネフ14形しかないが、原油の高騰や物価の値上げで世界中の人々が悲鳴をあげているさなか、動かないのに何時間もかけっぱなしに少々疑問ではあるが、13番線の前方にはEF65 1102が止まっており、自力では走行せず、燃費を抑えている。

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臨時快速〈リゾートみのり〉は車体の色が強烈で、陸羽東線の紅葉をイメージした深緋色(Colar is Kokihi)と漆黒(Shikkoku)をベースとしたもので、高級漆器のような上質な輝きを魅せている。また、フェイスは運転台の窓の周辺をブラックで囲っているが、アクセントとして、伊達政宗のカブトをイメージしたアンティークゴールドを入れている。そして、フェイスや車体側面にも稲穂をイメージしたメタリックゴールドの帯を入れており、車内もグレードが高いことを確信させる。塗装を見ただけで、久々に目の覚めるような車両を見た気がする。

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1・3号車のドア横に力強い楷書体で「みのり minori」と表示。黄金に輝く文字にJR東日本の意気込みを感じる。車体側面には方向LEDが設置され、窓は大きく、小さな子供から大きなお年寄りまで、幅広い世代で楽しめる。JR西日本221系も窓は大きいが、これは坐れない利用客に配慮したもので、臨時快速〈リゾートみのり〉は全車指定席。平屋のままだが、坐ってみると、JR北海道キハ183系500番台のハイデッカーグリーン車と錯覚しそうなほど、大きい。  

1・3号車は設備が同じであるため、時間の都合もあり、2・3号車を覗いてみることにしよう。

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1号車のドアから入るが、デッキは暗く、オレンジの照明が光り輝く。まるで高速道路のトンネルを彷彿させる(画像は3号車のデッキ)。

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2号車は東京寄りに運転台が設けており、どうやら2両編成での運行も可能なようだが、客室に入ると、イベントスペースがあり、地上デジタル放送に対応したかのようなワイドテレビを設置。陸羽東線内の観光情報を紹介する予定で、残念ながら“ワンセグ代わり”やテレビカーにはならないようだ。
 
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客室の化粧板は木目調を採用しており、電球色の照明とあいまって、暖かみがある。指定席はJR東日本の特長であるリクライニングのほか、座面を動かすことのできる“ファミコンシート”で、シートピッチはなんと破格の1200ミリ!! 向かい合わせにしても、足元がせまくなるようなことはなく、首都圏の近郊形グリーン車よりもグレードがいい。また、テーブルは座席背面のほか、ひじかけにも装備されており、向かい合わせにしても飲食ができるよう、万全磐石の態勢を整えている。快適にくつろげることは間違いないだろう。

定員は1・3号車が34人、2号車は36人で、合計104人。首都圏の満員電車なら1両で済むような数だが、臨時快速〈リゾートみのり〉は“ゆとり”をウリにしている。また、指定席、展望スペース、乗務員室のシートモケットはすべて、紅葉をイメージとした色調である。更に各車両の一部は窓が開く構造になっている。

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1・3号車は展望スペースと車椅子対応と男性用のトイレ、洗面所を設置。特にキハ48系の鋼体を生かし、トイレと洗面所を取りつけることができたのは高い評価ができるだろう。
 
臨時快速〈リゾートみのり〉編成表
運行区間号車車両番号禁煙備考
新庄3キハ48-546指定席
 2キハ48-549指定席
仙台1キハ48-550指定席
①平日は小牛田-新庄間、土休は仙台-
新庄間の運行となる。
②指定席はすべて“ファミコンシート”

臨時快速〈リゾートみのり〉は郡山総合車両センターで改造されたが、フェイスを取り替え、側面の窓を大きくするために骨組みを一部取り替えている。そして、改造前のキハ48系は非冷房車だったため、冷房取りつけも行なわれている。非冷房車の冷房設置には骨組みを強化しなければならないが、気動車では国鉄末期の昭和61年(1986年)に入団したキハ185系以降、標準装備のようになっている薄型のバスタイプを採用し、1両につき2台設置している。

気動車がバスタイプの冷房装置を採用している1つの理由として、トンネルの断面を配慮しているようだ。非電化路線というのは、トンネルの断面が電化路線に比べて、少し小さいところが多いのである。

この車両の惜しいところは外幌がステンレス車体と同じグレーであること。ここは深緋色と漆黒をベースにした色がよかったのではないだろうか。

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14時30分に車両展示会が終了し、ドアが閉まるが、これには意表をつかれた。なんと、その部分はメタリックシルバーにメタリックゴールドの帯を巻いているからだ。
 
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13番線にはこけしや伊達政宗らの“戦国武将ファッション”を公開。5月人形を思い出すが、地元は観光客の誘致に力を入れている。  

さて、「みのり」と言う名を以前、どこかで聞いたことのあるレールファンも多いのではないだろうか? 

平成9年(1997年)10月1日(水曜日)、急行〈赤倉〉は特急に格上げするカタチで、特急〈みのり〉が長野・高田-新潟間で運行開始。当初は3往復の設定で、485系による運行だった。  

2000年12月2日(土曜日)から長野発着便は183系や189系も参入したが、乗車率はかんばしくなく、2001年12月1日(土曜日)、高田-長岡・新潟間2往復の運行に変わり、再び485系に統一。新潟県内しか走らなくなる。

そして、2002年11月30日(土曜日)で特急〈みのり〉は一旦、表舞台から去り、翌日から新井-新潟間で運行する快速〈くびき野〉に変更。快速〈くびき野〉は2回利用したが、車両は特急〈みのり〉時代と変わらず、特急料金不要とあって、好評かつ好調のようだ。
 
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6年後の2008年10月1日(水曜日)、臨時快速〈リゾートみのり〉として、活躍の場を陸羽東線に移し、愛称はプラスアルファーしたカタチでよみがえる。

余談だが、臨時快速〈リゾートみのり〉という名の由来は実りある収穫の「稲穂」、実りあるひとときの「温泉」、実りの秋の代名詞の1つである「紅葉」がキーワード。この3つを合わせ、“実り多い旅にして欲しい”という願いが込められている  

プラスアルファー的な愛称の例は国鉄時代、特急〈あすか〉が走っていたが、JR西日本になるとジョイフルトレイン『あすか』としてよみがえった。そして、JR東日本は特急〈すいごう〉がジョイフルトレイン『ニューなのはな』による臨時快速〈すいごう〉として運行したこともある。

★備考

①今回の動画はこちらにクリック!!

②フリー百科事典『Wikipedia「くびき野(列車)」』はこちらにクリック!!

③鉄道ニュース「『みのり』,上野駅展示のため上京」は
こちらにクリック!!

④鉄道ニュース「上野駅で『みのり』展示会」は
こちらにクリック!!

⑤レールファン音楽館スタッフの部屋「新型ジョイフルトレイン『みのり』車両展示会実施!」は
こちらにクリック!!

⑥プッチーの夏休みは更新中!!!「『みのり車両展示会』撮影記」はこちらにクリック!!

⑦岸田法眼のRailway Blog.「臨時快速〈リゾートしらかみ〉“くまげら”」は
こちらにクリック!! 

⑧岸田法眼のRailway Blog.「2003年の汽車旅7-後編-(JR東日本165系フォーエヴァー)」は
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⑨岸田法眼のRailway Blog.「2004年の汽車旅6」はこちらにクリック!!



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るる

E231系の新聞輸送ですね。
千葉方面の113系の新聞輸送列車はどうなったのか気になります。
みのりですが、内装外装ともにキハ48が種車とは思えません。
by るる (2008-09-16 01:22) 

tensaikamekun

こんばんは。

依然、東京メトロ東西線に関する記事にお越しいただいた際もトラックバックを張っていただいたのですが、まさか、今回も張っていただけるとは思いませんでした

私は、14日に展示会へ行ったのですがそのときも人人で大変でした・・・。
私も張らせていただきますのでよろしくお願いします。
by tensaikamekun (2008-09-16 01:25) 

岸田法眼

るるさん、どうもありがとうございます。

今年に入ってから新聞輸送を見るのは2回目です。都市で新聞輸送とは驚きます。

千葉のほうはどうなのかはわかりませんが、3年前に見たことがございます。その模様はhttp://railway583.blog.so-net.ne.jp/2005-11-19へどうぞ。

〈リゾートみのり〉のキハ48系ですが、最初見た時は“車体更新車じゃないの?”と思わせるほどですね。
by 岸田法眼 (2008-09-16 01:52) 

岸田法眼

tensaikamekunさん、こんばんは。どうもありがとうございます。

東京23区内は「人、人、人」が当たり前の光景とはいえ、鉄道車両の展示会でこんなに押し寄せるとは思ってもみなかったですね。それだけ鉄道がクローズアップされ続けているのでしょう。

なお、トラバ返しはブログ上で書いておりますように、原則としてお断りしておりますが、今回は備考欄として御紹介させていただきます。

またのお越しをお待ちしております。
by 岸田法眼 (2008-09-16 02:05) 

ato

岸田法眼のRailway Blog.さん♪ atoお得日記にお越し頂きありがとうございます。 そして
「臨時快速(リゾートみのり)お披露目の様」 の記事のトラックバック ありがとうございます。
大変楽しませて頂きながら貴ブログを拝読しました、 これからもよろしくお願いいたします。
by ato (2008-09-16 08:01) 

タリカス

E231系の荷物室の写真。
私も同一アングルで14日に撮っています。
ということはすぐ隣にいたかもしれませんね。

13.14番線の間の荷物ホームに大きな扇風機が置いてあり
排気ガスを尾久方に出す工夫がなされていたのに感心しました。
by タリカス (2008-09-16 11:08) 

あーちゃん&父

「みのり」…!
こいつのせいで陸羽東線の「おもいで湯けむり」は9月28日で運転を終了、使用していたキハ58は廃車だそうです;はぁ、、、ゴハチは一番好きな車両なのに…
by あーちゃん&父 (2008-09-16 16:44) 

岸田法眼

atoさん、どうもありがとうございます。

楽しんでいただき、光栄です。何時間もかけて作った甲斐がありました。

またのお越しをお待ちしております。
by 岸田法眼 (2008-09-16 19:38) 

岸田法眼

タリカスさん、どうもありがとうございます。

13時台には上野にいましたか。荷物室を撮影するレールファンは何人もおりましたね。

扇風機については気がつかなかったのですが、日の当たる16・17番線で展示していないだけに利用客への環境を配慮していたのでしょう。かつて、ブルートレインの電源車は行き止まりのところにありましたから。

またのお越しをお待ちしております。
by 岸田法眼 (2008-09-16 19:41) 

岸田法眼

あーちゃん&父さん、どうもありがとうございます。

最近、その列車が話題になっていたようですが、キハ58はJR四国でも今季限りです。

最近はハイブリッドのディーゼル機関車導入を示唆する話題もありましたので、鉄道技術は進化しておりますね。
by 岸田法眼 (2008-09-16 19:44) 

schnitzer

中も見てこられたのですね。
私は黒磯行きの前の高崎線系統の新聞輸送車に乗って尾久に行ってしまいました。
同じような時間に上野駅にいらっしゃったんですね。
by schnitzer (2008-09-16 21:04) 

岸田法眼

schnitzerさん、どうもありがとうございます。

高崎線でも新聞輸送の普通電車が走っていたのですね。となると、東海道本線の普通電車でもあるのでしょうか?

今回の記事のコメントでも普通電車黒磯行きの新聞輸送スペースを撮影された方もおりますので、世の中のせまさを実感します。上野や尾久にもブロガーさんが多かったようです。
by 岸田法眼 (2008-09-17 00:18) 

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