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2008年の汽車旅4-25(JR西日本の電化路線、すべて制す!!) [汽車旅2008]
※「2008年の汽車旅4-1~24」の目次はこちらにクリック!!
◆ゆったりやくもを酷評するおじさん
13時39分に米子を発車した普通電車新見行きワンマンカーは山陰本線を走り、早々に東山公園へ。ここは米子市民球場の最寄り駅で、プロ野球の試合を開催したこともある。
伯耆大山(Hohki-Daisen)から伯備線へ入り、雲行きがあやしくなるものの、農作畑を快走する。
車両は115系体質改善車だが、ワンマンカーであるせいか、転換クロスシートには変えず、従来通りのボックスシート&ロングシートのセミクロスシートとなった。また、乗車している最後部車両は中間車を先頭車化改造したもので、乗務員室と客室は完全に仕切られておらず、空調吹き出し口や照明が一体となっている。これは改造費用の削減に努めたためで、フェイスは103系っぽくなっている。223系5500番台に置き換えられた113系3800番台はブサイクフェイスだが、この車両は改善されている。
さて、私は米子で出会ったおじさんと相席となり、色々と話しかけてくる。向かいのボックスシートに陣取る50代か60代の夫婦にも話しかけ、ムードメーカーの旅人だ。
そのおじさんの話によると、山陰地方で人気があるのは寝台特急〈サンライズ出雲〉だそうで、JR産の車両というのが大きな理由だという。山陰地方はキハ120系シリーズ、キハ126系シリーズ、キハ187系シリーズがJR西日本産だが、鈍行の多くは国鉄産が使われている。その多くは体質改善工事を受けており、まだまだ活躍を続けてゆく。
おじさんは国鉄産とJR産及びHOT7000系の気動車について、エンジンの馬力が違うと述べる。おじさんはかなり燃料を消費しているのではないかと持論を展開。私も気動車で運行する特急に燃油サーチャージを上乗せした料金値上げ、または会社自体の運賃が値上げされてもおかしくない。1日も早い架線不要の電車を実用化させるという考えは一致した。おそらく、全車電動車でないと厳しいのではないかと思うが、気動車、ディーゼル機関車、蒸気機関車はエコになるのかという疑問がある。二酸化炭素の排出量は電車より上じゃないかと思うからだ。今すぐというわけにはいかないだろうが、5年先、10年先にはMAX130㎞/hの架線レス電車が走りだすことになると、地球温暖化防止に貢献してくれるはず。宮崎あおいなら、こう言うだろう。
「Train@earth」
電車は伯耆溝口(Hohki-Mizoguchi)に到着。ここでエル特急〈やくも11号〉出雲市行きと行き違う。勢いよく通過すると思ったが、単線のせいか、スピード控えめである。
行き違ったエル特急〈やくも11号〉出雲市行きは6両編成だが、おじさんによると、3両編成のときは速いが、9両編成だと通過するのに時間がかかり、遅れが発生するという(以前は3両編成で運行していた時期がある)。また、エル特急〈やくも〉は山陽新幹線からの乗り換え客が多いという。さらに“ゆったりやくも”を酷評。おじさんによると、居心地がよくないのだそうだ。私は乗ったことがないので、なんとも言えないが、381系を26年使っているのに、リニューアルしているのが気に食わないらしい。記憶にある限り、JR西日本は国鉄特急形車両のリニューアル工事はあっても、体質改善工事はされていない。
381系は2008年でJR東海所属車は御役御免となり、JR西日本では継続使用されている。平成8年(1996年)に283系が入団したときは将来、エル特急〈くろしお〉と特急〈スーパーくろしお〉を置き換えるものと思われていたが、381系のリニューアルにより、2020年ぐらいまでは活躍するのではないだろうか。
エル特急〈やくも〉は伯備線の電化当初から381系で、グリーン車のパノラマ先頭車化改造により、平成6年(1994年)12月3日(土曜日)に特急〈スーパーやくも〉が誕生したものの、現在はすべてエル特急〈やくも〉に統一されている。これは今まで、特急〈スーパーやくも〉がグリーン車は必ず連結されているのに対し、エル特急〈やくも〉はない場合もあるからだったが、2006年3月18日(土曜日)のダイヤ改正で方針変更。すべてつけることになり、愛称を統一したのである。
◆JR西日本の電化路線、すべて制す!!
伯耆溝口を発車すると、進行方向右側は鬼の像が堂々と仁王立ちをしており、まるで桃太郎を待ち構えているようだが、車内は向かい側のボックスシートに坐る夫婦を巻き沿いにして、知らない利用客同士との話で盛り上がる。鉄道好きのおじさんは“レールのつなぎ目は揺れる”と力説。また、おじさんは青春18きっぷを使っているが、ワンマンカーだと運転士は利用日を証明する日付印を押してくれないという。さらに伯備線は天気がイイと大山のぶ代、じゃなかった、大山(Daisen)がよく見えるという。
江尾(Ebi)付近の進行方向右側では日野川リバーショーが始まり、到着するとアルピニストらが乗車。武庫(Muko)を発車すると、2006年1月24日(火曜日)、保線作業員7人のうち、4人が特急〈スーパーやくも9号〉出雲市行きにはねられた事故が発生した場所を通る。この電車ではおじさんが解説してくれるので、ありがたいことだ。
※画像は事故の現場であるという確信を持って撮影したわけではなく、日野川リバーショーの眺めに見とれて撮ったものです。
この事故は先述した通り、2006年1月24日(火曜日)に発生したが、この日は降雪により、ダイヤが遅れていた。伯備線は貨物列車も通っており、行き違い駅が変更となっていた。現場責任者は変更を聞いているはずなのに、カン違いにより、この事故が起こったのではないかとされている。この事故により、作業員7人のうち、4人がはねられ、3人が他界している。福知山線脱線事故から1年もたたない中、重大事故が続いてしまったことになる。
根雨(Neu)で普通電車米子行きワンマンカーと行き違い、発車すると、岡山カラーのキハ47系がDE10形に牽引されている姿に遭遇。日野川リバーショーは進行方向左側へ変わる。
黒坂から日野川リバーショーは再び、進行方向右側に戻り、路面は濡れている。どうやら、この先は雨模様を覚悟しなければならないようだ。
電車は上菅(Kamisuge)に到着。おじさんの情報によると、ここには30㎏レールがあるという。ホームではなく、保線車両を留置するところが30㎏レールで、ホームに敷いているレールはもっと重い。高速車両が頻繁に通る路線だと60㎏を使うのが一般的となっており、左右のレールを見ると、その差は明らか。左側の30㎏レールは細くてひ弱、木の枕木があり、つなぎ目が見えるのに対し、右側のほうはピーンと張って力強さがあり、PC枕木が高速走行を支えている。
やがて、“ゆったりやくも”のエル特急〈やくも13号〉出雲市行きと行き違う。いくら振子車両の381系でも思ったほど速くなかったが、通過中、ホームがまるで震度1のような地響きを感じた。エル特急〈やくも〉の鼓動なのだろう。
14時29分に発車し、電車は生山(Show-Yama)1番のりばに到着。ここでは停車時間が異様に長い。2・3番のりばは誰もおらず、双方向とも赤信号。また、車内の冷房も快適から“寒い”に変わってゆく。
おじさんによると、生山の停車時間は長いというが、行き違いや通過待ちのないまま、14時56分に発車。下石見信号場を通過すると、雨が降ってきた。もしかしたら、電車は雨を追跡していたのかもしれない。やたらとカーブが多く、右に左にクネクネ曲がる。
上石見に到着し、伯備線で標高が高い駅らしい。そして、雨は激しくなってしまった。運転士は停車時間について、放送ではなにも語らず、言ってくれれば下車して旅行貯金ができただろう。
激しい雨の中、エル特急〈やくも20号〉岡山行きの通過待ち。4両編成だが、前から6・5・4・1号車の順で、2・3号車は連結されていない。また、4号車は“スーパーやくも色”が混結されており、これはJR西日本の“お得意分野”である。意外なことに塗装は変わっても、方向幕は国鉄時代のままだ。
この通過待ちには疑問があり、手前の生山の停車時間が長ければ、接続できるのではないかと思うが、エル特急〈やくも〉は29・2号を除き、根雨と生山は交互停車となっている。先ほどのエル特急〈やくも20号〉岡山行きは根雨には停まるものの、生山は通過するのである。つまり、根雨と生山はほぼ2時間おきにエル特急〈やくも〉が停まるのだ。
ようやく上石見を発車し、雨がやみ、クネクネ曲がって下り坂の途中、新郷(Ni-izato)に到着。雨が降った痕跡はまったくなく、カーブや勾配は険しく、よくぞ、ここに駅を設置できたものだが、ここではエル特急〈やくも15号〉出雲市行きと行き違う。さすがの振子車両も登り坂の曲線走行は苦しい様子。キハ181系時代だと、ディーゼルエンジン全開で気力をふりしぼりながら、駆け抜けていただろう。
車内に戻り、ふと、見上げると、ドアとドアのあいだの網棚は2分割されていることに気づいた。なぜ、そうなっているのはわからないが、見ていて面白い。
発車すると、晴れマが見え、おじさんと隣りの夫婦は大山について熱く語り、進行方向右側から芸備線と合流し、備中神代(Bicchu-Kohjiro)1番のりばに到着。これで伯備線全線完乗を達成した。これにより、JR西日本の電化路線にはすべて全線完乗し、残るは非電化路線3つだけとなった。これにて、今回の旅のもう1つの目的である“中国大陸縦断”は終わったが、旅はまだまだ続く。
◆おじさんは神出鬼没?!
電車は布原を通過。市販の時刻表で伯備線のページをめくると、布原に停車する電車は1本もない。かつて、JR北海道函館本線の張碓の晩年は臨時駅となり、列車は1本も停車しなかったことを思い出すが、布原はそうではない。
実はこの駅、停車するのは電車ではなく、気動車なのだ。 なぜならば、ホームは1両分しかないためで、伯備線の電車は最低2両で運行するからである。そして、備中神代で芸備線と合流するが、路線はここで終わっても、たった1両の列車は伯備線に乗り入れ、新見まで足を伸ばすのだ。それでも布原に停まるのは下り5本、上り6本(土休は5本)だけ(2008年3月15日ダイヤ改正時点)。ちなみに昔は伯備線の鈍行客車が停まっていることもあったという。しかし、ホームが短いため、ドアが開かない車両が多かった。
15時48分、終点新見4番のりばに到着。向かいの3番のりばは普通電車備中片上行きが発車を待っているが、なんと、湘南色!! おじさんと俺はガッカリ。もっとも、私は新見で一旦下車することを決めていたので、次の電車に賭けてみよう。
新見を下車し、千屋(Chiya)ダムにつながり、貯まった水を流すときにサイレンが鳴るという、高梁川(Takahashi Liver)を渡ったところにある新見郵便局でこの日、最後の旅行貯金。
急いで戻ると、3番のりばは213系の回送、4番のりばはエル特急〈やくも17号〉出雲市行きが発車。そのあと、4番のりばの倉敷寄りから普通電車姫路行き(クハ115-1139:体質改善車)が入線。願いがかない、転換クロスシート装備の体質改善車がやって来た。
車番をチェックし、発車時刻が近づいたので、後方の車両に乗り込み、乗車している先頭車に戻る途中、前から2両目の車両にあのおじさんと御夫妻が乗り込んでいて、ビックリ。おじさんも普通電車姫路行きは転換クロスシート装備の体質改善車であることを信じていたのだ。国鉄車両を愛する方には申し訳ないけど、私もおじさんも湘南色に対する想いや郷愁はないのである。
16時15分に発車し、石蟹(Ishiga)-井倉間は複線だが、井倉を発車したあと、単線に戻って、広石信号場で止まり、普通電車新見行きと行き違う。そのあと、高梁川リバーショーは進行方向左側から右側へ移り、速度を大幅に落として通過するなど、難所だらけだ。
備中川面(Bicchu-Kawamo)で“ゆったりやくも”のエル特急〈やくも19号〉出雲市行きと行き違い。動画撮影終了後、車内に戻ろうとしたら、ドアが閉まり、動いてしまった。背筋が凍るほどあわててしまったが、運転士が気づいて、すぐに止まり、車内に戻ることができた。乗務員の情けに感謝ではあるが、私自身が情けない。投手に例えるなら、痛恨の失点である。
◆やっぱりダイヤにゆとりのないJR西日本
電車は備中高梁(Bicchu-Takahashi)3番のりばに到着。向かい2番のりばには始発の湘南色、普通電車三石行き(Local for Mitsuishi)が発車を待っているものの、誰も乗っていない。それもそのはず、三石まで、この電車が先に到着するのだ。それにしても、岡山地区に湘南色がまだ残っているというのは意外な気がする。JR西日本を利用するレールファンではない利用客は、湘南色と転換クロスシート装備の体質改善車、どちらを好む?
備中高梁から複線となり、カーブはゆるやかになって、快走。美袋(Minagi)で7分停車。ICOCAが使える無人駅用(?)の自動改札機を素通りして下車し、コンビニ等を探すものの、周辺にはなく、深入りすると乗り遅れる可能性があるので、晩メシの購入はしばらくお預けが確定。実は新見に食料が買えるお店があったのだが、買うのを忘れてしまったのだ。
車内に戻ると、“ゆったりやくも”のエル特急〈やくも22号〉岡山行きが通過。今まで、行き違いや通過待ちのエル特急〈やくも〉を見ていると、道の険しさから思ったほどスピードは出なかったが、ここでは特急らしく、気分爽快に駆け抜けていく。
17時17分に発車し、東総社を過ぎると、高梁川と別れ、街に変わると総社へ。総社線からの乗り換え客が多いのかどうかは定かではないが、大量乗車があり、立客が発生。ドアが閉まったあと、第3セクター、井原(Ibara)鉄道井原線の気動車が到着したが、次の清音で乗り換え客が待っている。なぜならば、総社-清音間は井原線と共用しているからだ。
山陽新幹線をくぐり、高梁川リバーショーは完全に終了し、水島臨海鉄道水島本線〔倉敷市駅〕のベテラン気動車が頑張っている姿を見届け、17時40分、倉敷に到着。ここから山陽本線に入り、帰宅ラッシュが本格化した。
17時59分、岡山4番のりばに到着。半数は降りたが、ホームで待つ人は倍以上で、ホームは長蛇の列!! もう乗れないとあきらめたのか、ホームは数人、次の電車を待つことにした。
夕ラッシュ激化で18時01分に発車し、岡山県内の駅で終わり、再びガラガラになるかと思いきや、そうでもなく、三石を発車しても混みあっている。意外にも通勤客ではなく、高校生の姿が多いのだ。
いよいよ関西に戻り、有年(Une)で223系2000番台の普通電車上郡行きとすれ違い、相生3番のりばに到着。乗車率はほんの少しだけ減り、2番のりばでは播州赤穂からの新快速京都方面野洲行きを待つ利用客がいた。坐れる確率は高いが、相生と姫路の停車時間が長い難点がある。この電車に乗ったほうが加古川から先の新快速停車駅は15分早くなるが、電車は少々遅れが発生していた。
竜野(Tatsuno)でカマキリが網干までへばりつき、英賀保(Agaho)ではオール223系1000番第12両編成の新快速播州赤穂行きに遭遇。1~8号車はほぼ満席、9~12号車は網干止まりのため、ガラガラだった。
19時30分、定刻より4分遅れで終点姫路5番のりばに到着。向かいの6番のりばで乗り換えるはずの新快速米原行きがいない!! すでに定刻通りに発車したのだ。これはどういうことだ。なぜ待たない。首都圏は少々遅れてもキッチリ接続をとるのだ。こういう姿勢は困ったもので、サービス業の基本を放棄している。また、車掌も遅れて終点姫路に到着し、新快速米原行きに接続をとらないのであれば、相生到着時に案内しなければならない。そうすれば、姫路5・6番のりばで騒然とするほど混みあうことはなかっただろう。
帰宅後、JR西日本にクレームを出したところ、このような回答をいただいている。
「お客様には不愉快な思いをおかけし、ご迷惑をおかけいたしまして申し訳ございませんでした。
姫路駅での大阪方面への接続につきましては、早朝や最終間近などの一部列車を除きましては、運転本数が比較的多く設定されていることと、新快速電車をご利用されるお客様が多くおられること、新快速電車も各ターミナル駅で待ち合わせしている列車があり僅少な遅れでありましても各列車・各線区に遅れが波及することなどから接続を行なっておりません。
列車に遅れが発生した場合は、お客様のご利用状況や他の列車への影響・運転状況などを総合的に判断して、全体的なお客様へのご迷惑が最小限となるように努めております。
今後も、早期ダイヤ復旧に努めて参りますので何卒ご理解を賜りますようにお願いいたします」
この回答では途中駅の各駅停車接続を優先しているようで、気分が悪い。首都圏ではダイヤを犠牲にしてでも接続を重視する。下りの快速〈ムーンライトながら〉大垣行きも他線が遅れている場合、それに付き合い、お客様を待つ。他社の遅れでも乗ってくる人のために待つのだ。そのため、下り便の遅れは日常茶飯事的になっている。
JR西日本は福知山線の脱線事故以来、“ゆとりダイヤ”に取り組んだはず。首都圏もゆとりのないダイヤかもしれないが、殺伐な中にも“遅れてでも接続をとる”という策をとっていることが多い。これが“「お客様重視」という名の真のゆとりダイヤ”ではないだろうか。また、他社線などで終電の接続を行なわない場合、ちゃんと貼り紙等で案内をしている。
◆ゆとりダイヤでも、新快速の遅延は日常茶飯事?
姫路5番のりばに始発の普通電車(西明石-高槻間は快速)京都方面野洲行きが入線。223系6000番台の種別幕の「普通」を見ると、下の英文字部分にブルーのラインがないことに気づいた。この電車は8両編成で、5~8号車は223系6000番台、1~4号車は221系で、それに合わせたのだった。
さぁー、いよいよ、19時42分発の新快速京都方面野洲行き(8号車クモハ223-2052)が登場。さいわい、坐ることができた。
山陽本線は上下線共、帰宅ラッシュを迎えており、補助シートが使えない。その場合、座席定員は221系よりも減るため、223系1000番台以降はサービスのイイ車両ではない。
先頭車だと夜間は乗務員室のカーテンは左側と中央を下ろしているため、前面展望はサングラスガラスとなっている右側しかできない。そのため、左側と中央にいる人は“東京流”でうしろにもたれている。
須磨で221系の快速(高槻から普通電車)米原方面大垣行きと車両未確認だが、各駅停車近江舞子行きをダブル抜き!! 兵庫では下の支線はいつもの103系ではなく、207系シリーズの代走を見届け、神戸に到着。ここからはついに東海道本線へ入り、長い旅のゴールが近づいたことを実感する。
三ノ宮では223系2000番台の新快速姫路行き共々、ラッシュの混雑が激しいものの、8号車の種別幕は白一色!! どこの鉄道もそうだが、時たま方向幕が誤って、“空き幕”の白が表示されることがある。
住吉付近で207系シリーズの各駅停車JR東西線経由松井山手行きを抜くが、7両編成の車内は空席が多く、新快速とは差があり過ぎる。
芦屋で321系の各駅停車京都行きに接続するが、ガラガラ。また、席が空いているにもかかわらず、すでに着席している人の隣りに坐ることを嫌うのか、立っている人もいる。次のさくら夙川で降りるのだろうか。
尼崎が近づくと、路面が濡れていることに気づいた。今回の旅は雨の日が多い。梅雨はとっくに明けているのに…
塚本-大阪間の鉄橋で221系の快速篠山口行きとすれ違い、大阪環状線の留置線にスカイブルーで、方向幕が「天王寺」と表示している201系を眺め、20時43分、大阪9番のりばに到着。“帰宅客の入れ替え戦”となり、20時45分に発車。223系2000番台の新快速姫路行きは大阪到着目前で足踏み状態だ。
吹田工場で221系の姿があり、岸辺を通過すると、ある物体の存在を確認できたため、「ヨシッ!!」と心の中でガッツポーズ。次の日の行程が決まった。
高槻で降りる利用客がおり、大荷物を抱えている身としては京都で降りやすくなった。しかし、島本付近で減速し、そこから先は徐行運転。特急〈スーパーくろしお35号〉和歌山行きの回送とすれ違ったあと、ATSの音がピコピコ鳴り、止まりそうになるが、長岡京で再びスピードがあがり始めた。ちなみに長岡京のホーム外側は旧来の黄色のサクだが、快速停車を考慮し、一部は“ワープゾーン(サクの設置が省略されている)”となっている。
向日町で221系の普通電車野洲行きを抜き、怒涛のハイスピードだが、さすがに東海道新幹線300系の〈こだま594号〉静岡行きには抜かれたものの、猛追したのち、21時18分、定刻より4分遅れで京都2番のりばに到着した。
京都で京都市交通局烏丸線(K11)21時33分発の国際会館行き(3723:ローレル賞のプレート、近畿日本鉄道車)に乗り換え、21時37分、四条(K09)に到着。河原町までテクテク歩き、コンビニでようやく晩メシにありつくことができた。
※来訪御礼のみや記事に関係のないコメントをされる方は上にクリックして下さい(コメントは承認いたしません)。また、我がブログのコメント、トラックバック承認制になっておりますので、御了承願います。
★お知らせ
2008年11月も2者択一サイト、『Unow?』で、「アノ人はなぜハマル?(モハよう著者からの20の質問)」が公開されており、質問28・33・39・43で私の画像と解説が掲載されております。ぜひ、アクセスしてみて下さい。
なお、質問を回答するには会員登録が必要となりますので、あらかじめ御了承下さい。
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②『Unow?「モハよう著者からの20の質問」』はこちらにクリック!!
③『Unow?「モハよう著者からの20の質問」』の質問28はこちらにクリック!!
④『Unow?「モハよう著者からの20の質問」』の質問33はこちらにクリック!!
⑤『Unow?「モハよう著者からの20の質問」』の質問39は旧式はこちらにクリック!! そして、新式はこちらにクリック!!
⑥『Unow?「アノ人はなぜハマル?」』の質問43はこちらにクリック!!
※②~⑥は2008年11月30日(日曜日)まで公開予定です(翌日以降は削除されている可能性がありますので、あらかじめ御了承下さい)。
◆ゆったりやくもを酷評するおじさん
13時39分に米子を発車した普通電車新見行きワンマンカーは山陰本線を走り、早々に東山公園へ。ここは米子市民球場の最寄り駅で、プロ野球の試合を開催したこともある。
伯耆大山(Hohki-Daisen)から伯備線へ入り、雲行きがあやしくなるものの、農作畑を快走する。
車両は115系体質改善車だが、ワンマンカーであるせいか、転換クロスシートには変えず、従来通りのボックスシート&ロングシートのセミクロスシートとなった。また、乗車している最後部車両は中間車を先頭車化改造したもので、乗務員室と客室は完全に仕切られておらず、空調吹き出し口や照明が一体となっている。これは改造費用の削減に努めたためで、フェイスは103系っぽくなっている。223系5500番台に置き換えられた113系3800番台はブサイクフェイスだが、この車両は改善されている。
さて、私は米子で出会ったおじさんと相席となり、色々と話しかけてくる。向かいのボックスシートに陣取る50代か60代の夫婦にも話しかけ、ムードメーカーの旅人だ。
そのおじさんの話によると、山陰地方で人気があるのは寝台特急〈サンライズ出雲〉だそうで、JR産の車両というのが大きな理由だという。山陰地方はキハ120系シリーズ、キハ126系シリーズ、キハ187系シリーズがJR西日本産だが、鈍行の多くは国鉄産が使われている。その多くは体質改善工事を受けており、まだまだ活躍を続けてゆく。
おじさんは国鉄産とJR産及びHOT7000系の気動車について、エンジンの馬力が違うと述べる。おじさんはかなり燃料を消費しているのではないかと持論を展開。私も気動車で運行する特急に燃油サーチャージを上乗せした料金値上げ、または会社自体の運賃が値上げされてもおかしくない。1日も早い架線不要の電車を実用化させるという考えは一致した。おそらく、全車電動車でないと厳しいのではないかと思うが、気動車、ディーゼル機関車、蒸気機関車はエコになるのかという疑問がある。二酸化炭素の排出量は電車より上じゃないかと思うからだ。今すぐというわけにはいかないだろうが、5年先、10年先にはMAX130㎞/hの架線レス電車が走りだすことになると、地球温暖化防止に貢献してくれるはず。宮崎あおいなら、こう言うだろう。
「Train@earth」
電車は伯耆溝口(Hohki-Mizoguchi)に到着。ここでエル特急〈やくも11号〉出雲市行きと行き違う。勢いよく通過すると思ったが、単線のせいか、スピード控えめである。
行き違ったエル特急〈やくも11号〉出雲市行きは6両編成だが、おじさんによると、3両編成のときは速いが、9両編成だと通過するのに時間がかかり、遅れが発生するという(以前は3両編成で運行していた時期がある)。また、エル特急〈やくも〉は山陽新幹線からの乗り換え客が多いという。さらに“ゆったりやくも”を酷評。おじさんによると、居心地がよくないのだそうだ。私は乗ったことがないので、なんとも言えないが、381系を26年使っているのに、リニューアルしているのが気に食わないらしい。記憶にある限り、JR西日本は国鉄特急形車両のリニューアル工事はあっても、体質改善工事はされていない。
381系は2008年でJR東海所属車は御役御免となり、JR西日本では継続使用されている。平成8年(1996年)に283系が入団したときは将来、エル特急〈くろしお〉と特急〈スーパーくろしお〉を置き換えるものと思われていたが、381系のリニューアルにより、2020年ぐらいまでは活躍するのではないだろうか。
エル特急〈やくも〉は伯備線の電化当初から381系で、グリーン車のパノラマ先頭車化改造により、平成6年(1994年)12月3日(土曜日)に特急〈スーパーやくも〉が誕生したものの、現在はすべてエル特急〈やくも〉に統一されている。これは今まで、特急〈スーパーやくも〉がグリーン車は必ず連結されているのに対し、エル特急〈やくも〉はない場合もあるからだったが、2006年3月18日(土曜日)のダイヤ改正で方針変更。すべてつけることになり、愛称を統一したのである。
◆JR西日本の電化路線、すべて制す!!
伯耆溝口を発車すると、進行方向右側は鬼の像が堂々と仁王立ちをしており、まるで桃太郎を待ち構えているようだが、車内は向かい側のボックスシートに坐る夫婦を巻き沿いにして、知らない利用客同士との話で盛り上がる。鉄道好きのおじさんは“レールのつなぎ目は揺れる”と力説。また、おじさんは青春18きっぷを使っているが、ワンマンカーだと運転士は利用日を証明する日付印を押してくれないという。さらに伯備線は天気がイイと大山のぶ代、じゃなかった、大山(Daisen)がよく見えるという。
江尾(Ebi)付近の進行方向右側では日野川リバーショーが始まり、到着するとアルピニストらが乗車。武庫(Muko)を発車すると、2006年1月24日(火曜日)、保線作業員7人のうち、4人が特急〈スーパーやくも9号〉出雲市行きにはねられた事故が発生した場所を通る。この電車ではおじさんが解説してくれるので、ありがたいことだ。
※画像は事故の現場であるという確信を持って撮影したわけではなく、日野川リバーショーの眺めに見とれて撮ったものです。
この事故は先述した通り、2006年1月24日(火曜日)に発生したが、この日は降雪により、ダイヤが遅れていた。伯備線は貨物列車も通っており、行き違い駅が変更となっていた。現場責任者は変更を聞いているはずなのに、カン違いにより、この事故が起こったのではないかとされている。この事故により、作業員7人のうち、4人がはねられ、3人が他界している。福知山線脱線事故から1年もたたない中、重大事故が続いてしまったことになる。
根雨(Neu)で普通電車米子行きワンマンカーと行き違い、発車すると、岡山カラーのキハ47系がDE10形に牽引されている姿に遭遇。日野川リバーショーは進行方向左側へ変わる。
黒坂から日野川リバーショーは再び、進行方向右側に戻り、路面は濡れている。どうやら、この先は雨模様を覚悟しなければならないようだ。
電車は上菅(Kamisuge)に到着。おじさんの情報によると、ここには30㎏レールがあるという。ホームではなく、保線車両を留置するところが30㎏レールで、ホームに敷いているレールはもっと重い。高速車両が頻繁に通る路線だと60㎏を使うのが一般的となっており、左右のレールを見ると、その差は明らか。左側の30㎏レールは細くてひ弱、木の枕木があり、つなぎ目が見えるのに対し、右側のほうはピーンと張って力強さがあり、PC枕木が高速走行を支えている。
やがて、“ゆったりやくも”のエル特急〈やくも13号〉出雲市行きと行き違う。いくら振子車両の381系でも思ったほど速くなかったが、通過中、ホームがまるで震度1のような地響きを感じた。エル特急〈やくも〉の鼓動なのだろう。
14時29分に発車し、電車は生山(Show-Yama)1番のりばに到着。ここでは停車時間が異様に長い。2・3番のりばは誰もおらず、双方向とも赤信号。また、車内の冷房も快適から“寒い”に変わってゆく。
おじさんによると、生山の停車時間は長いというが、行き違いや通過待ちのないまま、14時56分に発車。下石見信号場を通過すると、雨が降ってきた。もしかしたら、電車は雨を追跡していたのかもしれない。やたらとカーブが多く、右に左にクネクネ曲がる。
上石見に到着し、伯備線で標高が高い駅らしい。そして、雨は激しくなってしまった。運転士は停車時間について、放送ではなにも語らず、言ってくれれば下車して旅行貯金ができただろう。
激しい雨の中、エル特急〈やくも20号〉岡山行きの通過待ち。4両編成だが、前から6・5・4・1号車の順で、2・3号車は連結されていない。また、4号車は“スーパーやくも色”が混結されており、これはJR西日本の“お得意分野”である。意外なことに塗装は変わっても、方向幕は国鉄時代のままだ。
この通過待ちには疑問があり、手前の生山の停車時間が長ければ、接続できるのではないかと思うが、エル特急〈やくも〉は29・2号を除き、根雨と生山は交互停車となっている。先ほどのエル特急〈やくも20号〉岡山行きは根雨には停まるものの、生山は通過するのである。つまり、根雨と生山はほぼ2時間おきにエル特急〈やくも〉が停まるのだ。
ようやく上石見を発車し、雨がやみ、クネクネ曲がって下り坂の途中、新郷(Ni-izato)に到着。雨が降った痕跡はまったくなく、カーブや勾配は険しく、よくぞ、ここに駅を設置できたものだが、ここではエル特急〈やくも15号〉出雲市行きと行き違う。さすがの振子車両も登り坂の曲線走行は苦しい様子。キハ181系時代だと、ディーゼルエンジン全開で気力をふりしぼりながら、駆け抜けていただろう。
車内に戻り、ふと、見上げると、ドアとドアのあいだの網棚は2分割されていることに気づいた。なぜ、そうなっているのはわからないが、見ていて面白い。
発車すると、晴れマが見え、おじさんと隣りの夫婦は大山について熱く語り、進行方向右側から芸備線と合流し、備中神代(Bicchu-Kohjiro)1番のりばに到着。これで伯備線全線完乗を達成した。これにより、JR西日本の電化路線にはすべて全線完乗し、残るは非電化路線3つだけとなった。これにて、今回の旅のもう1つの目的である“中国大陸縦断”は終わったが、旅はまだまだ続く。
◆おじさんは神出鬼没?!
電車は布原を通過。市販の時刻表で伯備線のページをめくると、布原に停車する電車は1本もない。かつて、JR北海道函館本線の張碓の晩年は臨時駅となり、列車は1本も停車しなかったことを思い出すが、布原はそうではない。
実はこの駅、停車するのは電車ではなく、気動車なのだ。 なぜならば、ホームは1両分しかないためで、伯備線の電車は最低2両で運行するからである。そして、備中神代で芸備線と合流するが、路線はここで終わっても、たった1両の列車は伯備線に乗り入れ、新見まで足を伸ばすのだ。それでも布原に停まるのは下り5本、上り6本(土休は5本)だけ(2008年3月15日ダイヤ改正時点)。ちなみに昔は伯備線の鈍行客車が停まっていることもあったという。しかし、ホームが短いため、ドアが開かない車両が多かった。
15時48分、終点新見4番のりばに到着。向かいの3番のりばは普通電車備中片上行きが発車を待っているが、なんと、湘南色!! おじさんと俺はガッカリ。もっとも、私は新見で一旦下車することを決めていたので、次の電車に賭けてみよう。
新見を下車し、千屋(Chiya)ダムにつながり、貯まった水を流すときにサイレンが鳴るという、高梁川(Takahashi Liver)を渡ったところにある新見郵便局でこの日、最後の旅行貯金。
急いで戻ると、3番のりばは213系の回送、4番のりばはエル特急〈やくも17号〉出雲市行きが発車。そのあと、4番のりばの倉敷寄りから普通電車姫路行き(クハ115-1139:体質改善車)が入線。願いがかない、転換クロスシート装備の体質改善車がやって来た。
車番をチェックし、発車時刻が近づいたので、後方の車両に乗り込み、乗車している先頭車に戻る途中、前から2両目の車両にあのおじさんと御夫妻が乗り込んでいて、ビックリ。おじさんも普通電車姫路行きは転換クロスシート装備の体質改善車であることを信じていたのだ。国鉄車両を愛する方には申し訳ないけど、私もおじさんも湘南色に対する想いや郷愁はないのである。
16時15分に発車し、石蟹(Ishiga)-井倉間は複線だが、井倉を発車したあと、単線に戻って、広石信号場で止まり、普通電車新見行きと行き違う。そのあと、高梁川リバーショーは進行方向左側から右側へ移り、速度を大幅に落として通過するなど、難所だらけだ。
備中川面(Bicchu-Kawamo)で“ゆったりやくも”のエル特急〈やくも19号〉出雲市行きと行き違い。動画撮影終了後、車内に戻ろうとしたら、ドアが閉まり、動いてしまった。背筋が凍るほどあわててしまったが、運転士が気づいて、すぐに止まり、車内に戻ることができた。乗務員の情けに感謝ではあるが、私自身が情けない。投手に例えるなら、痛恨の失点である。
◆やっぱりダイヤにゆとりのないJR西日本
電車は備中高梁(Bicchu-Takahashi)3番のりばに到着。向かい2番のりばには始発の湘南色、普通電車三石行き(Local for Mitsuishi)が発車を待っているものの、誰も乗っていない。それもそのはず、三石まで、この電車が先に到着するのだ。それにしても、岡山地区に湘南色がまだ残っているというのは意外な気がする。JR西日本を利用するレールファンではない利用客は、湘南色と転換クロスシート装備の体質改善車、どちらを好む?
備中高梁から複線となり、カーブはゆるやかになって、快走。美袋(Minagi)で7分停車。ICOCAが使える無人駅用(?)の自動改札機を素通りして下車し、コンビニ等を探すものの、周辺にはなく、深入りすると乗り遅れる可能性があるので、晩メシの購入はしばらくお預けが確定。実は新見に食料が買えるお店があったのだが、買うのを忘れてしまったのだ。
車内に戻ると、“ゆったりやくも”のエル特急〈やくも22号〉岡山行きが通過。今まで、行き違いや通過待ちのエル特急〈やくも〉を見ていると、道の険しさから思ったほどスピードは出なかったが、ここでは特急らしく、気分爽快に駆け抜けていく。
普通電車姫路行き編成表 | |||||
乗車区間 | 号車 | 車両番号 | 禁煙 | 備考 | |
姫路 | なし | クハ115- | 1139 | ○ | 体質改善車 |
なし | モハ115- | 1084 | ○ | 体質改善車 | |
なし | モハ114- | 1148 | ○ | 体質改善車 | |
新見 | なし | クハ115- | 1068 | ○ | 体質改善車、弱冷車 |
17時17分に発車し、東総社を過ぎると、高梁川と別れ、街に変わると総社へ。総社線からの乗り換え客が多いのかどうかは定かではないが、大量乗車があり、立客が発生。ドアが閉まったあと、第3セクター、井原(Ibara)鉄道井原線の気動車が到着したが、次の清音で乗り換え客が待っている。なぜならば、総社-清音間は井原線と共用しているからだ。
山陽新幹線をくぐり、高梁川リバーショーは完全に終了し、水島臨海鉄道水島本線〔倉敷市駅〕のベテラン気動車が頑張っている姿を見届け、17時40分、倉敷に到着。ここから山陽本線に入り、帰宅ラッシュが本格化した。
17時59分、岡山4番のりばに到着。半数は降りたが、ホームで待つ人は倍以上で、ホームは長蛇の列!! もう乗れないとあきらめたのか、ホームは数人、次の電車を待つことにした。
夕ラッシュ激化で18時01分に発車し、岡山県内の駅で終わり、再びガラガラになるかと思いきや、そうでもなく、三石を発車しても混みあっている。意外にも通勤客ではなく、高校生の姿が多いのだ。
いよいよ関西に戻り、有年(Une)で223系2000番台の普通電車上郡行きとすれ違い、相生3番のりばに到着。乗車率はほんの少しだけ減り、2番のりばでは播州赤穂からの新快速京都方面野洲行きを待つ利用客がいた。坐れる確率は高いが、相生と姫路の停車時間が長い難点がある。この電車に乗ったほうが加古川から先の新快速停車駅は15分早くなるが、電車は少々遅れが発生していた。
竜野(Tatsuno)でカマキリが網干までへばりつき、英賀保(Agaho)ではオール223系1000番第12両編成の新快速播州赤穂行きに遭遇。1~8号車はほぼ満席、9~12号車は網干止まりのため、ガラガラだった。
19時30分、定刻より4分遅れで終点姫路5番のりばに到着。向かいの6番のりばで乗り換えるはずの新快速米原行きがいない!! すでに定刻通りに発車したのだ。これはどういうことだ。なぜ待たない。首都圏は少々遅れてもキッチリ接続をとるのだ。こういう姿勢は困ったもので、サービス業の基本を放棄している。また、車掌も遅れて終点姫路に到着し、新快速米原行きに接続をとらないのであれば、相生到着時に案内しなければならない。そうすれば、姫路5・6番のりばで騒然とするほど混みあうことはなかっただろう。
帰宅後、JR西日本にクレームを出したところ、このような回答をいただいている。
「お客様には不愉快な思いをおかけし、ご迷惑をおかけいたしまして申し訳ございませんでした。
姫路駅での大阪方面への接続につきましては、早朝や最終間近などの一部列車を除きましては、運転本数が比較的多く設定されていることと、新快速電車をご利用されるお客様が多くおられること、新快速電車も各ターミナル駅で待ち合わせしている列車があり僅少な遅れでありましても各列車・各線区に遅れが波及することなどから接続を行なっておりません。
列車に遅れが発生した場合は、お客様のご利用状況や他の列車への影響・運転状況などを総合的に判断して、全体的なお客様へのご迷惑が最小限となるように努めております。
今後も、早期ダイヤ復旧に努めて参りますので何卒ご理解を賜りますようにお願いいたします」
この回答では途中駅の各駅停車接続を優先しているようで、気分が悪い。首都圏ではダイヤを犠牲にしてでも接続を重視する。下りの快速〈ムーンライトながら〉大垣行きも他線が遅れている場合、それに付き合い、お客様を待つ。他社の遅れでも乗ってくる人のために待つのだ。そのため、下り便の遅れは日常茶飯事的になっている。
JR西日本は福知山線の脱線事故以来、“ゆとりダイヤ”に取り組んだはず。首都圏もゆとりのないダイヤかもしれないが、殺伐な中にも“遅れてでも接続をとる”という策をとっていることが多い。これが“「お客様重視」という名の真のゆとりダイヤ”ではないだろうか。また、他社線などで終電の接続を行なわない場合、ちゃんと貼り紙等で案内をしている。
◆ゆとりダイヤでも、新快速の遅延は日常茶飯事?
姫路5番のりばに始発の普通電車(西明石-高槻間は快速)京都方面野洲行きが入線。223系6000番台の種別幕の「普通」を見ると、下の英文字部分にブルーのラインがないことに気づいた。この電車は8両編成で、5~8号車は223系6000番台、1~4号車は221系で、それに合わせたのだった。
さぁー、いよいよ、19時42分発の新快速京都方面野洲行き(8号車クモハ223-2052)が登場。さいわい、坐ることができた。
新快速京都方面野洲行き編成表 | |||||
乗車区間 | 号車 | 車両番号 | 禁煙 | 備考 | |
京都 | 8 | クモハ223- | 2052 | ○ | なし |
7 | サ ハ223- | 2120 | ○ | なし | |
6 | サ ハ223- | 2121 | ○ | なし | |
5 | モ ハ223- | 2149 | ○ | なし | |
4 | サ ハ223- | 2122 | ○ | なし | |
3 | サ ハ223- | 2123 | ○ | なし | |
2 | モ ハ223- | 2024 | ○ | 弱冷車 | |
姫路 | 1 | ク ハ222- | 2052 | ○ | 弱冷車 |
山陽本線は上下線共、帰宅ラッシュを迎えており、補助シートが使えない。その場合、座席定員は221系よりも減るため、223系1000番台以降はサービスのイイ車両ではない。
先頭車だと夜間は乗務員室のカーテンは左側と中央を下ろしているため、前面展望はサングラスガラスとなっている右側しかできない。そのため、左側と中央にいる人は“東京流”でうしろにもたれている。
須磨で221系の快速(高槻から普通電車)米原方面大垣行きと車両未確認だが、各駅停車近江舞子行きをダブル抜き!! 兵庫では下の支線はいつもの103系ではなく、207系シリーズの代走を見届け、神戸に到着。ここからはついに東海道本線へ入り、長い旅のゴールが近づいたことを実感する。
三ノ宮では223系2000番台の新快速姫路行き共々、ラッシュの混雑が激しいものの、8号車の種別幕は白一色!! どこの鉄道もそうだが、時たま方向幕が誤って、“空き幕”の白が表示されることがある。
住吉付近で207系シリーズの各駅停車JR東西線経由松井山手行きを抜くが、7両編成の車内は空席が多く、新快速とは差があり過ぎる。
芦屋で321系の各駅停車京都行きに接続するが、ガラガラ。また、席が空いているにもかかわらず、すでに着席している人の隣りに坐ることを嫌うのか、立っている人もいる。次のさくら夙川で降りるのだろうか。
尼崎が近づくと、路面が濡れていることに気づいた。今回の旅は雨の日が多い。梅雨はとっくに明けているのに…
塚本-大阪間の鉄橋で221系の快速篠山口行きとすれ違い、大阪環状線の留置線にスカイブルーで、方向幕が「天王寺」と表示している201系を眺め、20時43分、大阪9番のりばに到着。“帰宅客の入れ替え戦”となり、20時45分に発車。223系2000番台の新快速姫路行きは大阪到着目前で足踏み状態だ。
吹田工場で221系の姿があり、岸辺を通過すると、ある物体の存在を確認できたため、「ヨシッ!!」と心の中でガッツポーズ。次の日の行程が決まった。
高槻で降りる利用客がおり、大荷物を抱えている身としては京都で降りやすくなった。しかし、島本付近で減速し、そこから先は徐行運転。特急〈スーパーくろしお35号〉和歌山行きの回送とすれ違ったあと、ATSの音がピコピコ鳴り、止まりそうになるが、長岡京で再びスピードがあがり始めた。ちなみに長岡京のホーム外側は旧来の黄色のサクだが、快速停車を考慮し、一部は“ワープゾーン(サクの設置が省略されている)”となっている。
向日町で221系の普通電車野洲行きを抜き、怒涛のハイスピードだが、さすがに東海道新幹線300系の〈こだま594号〉静岡行きには抜かれたものの、猛追したのち、21時18分、定刻より4分遅れで京都2番のりばに到着した。
京都で京都市交通局烏丸線(K11)21時33分発の国際会館行き(3723:ローレル賞のプレート、近畿日本鉄道車)に乗り換え、21時37分、四条(K09)に到着。河原町までテクテク歩き、コンビニでようやく晩メシにありつくことができた。
国際会館行き編成表 | ||||
乗車区間 | 号車 | 車両番号 | 禁煙 | 備考 |
四条 | なし | 3723 | ○ | 夢塗装車、ローレル賞のプレート |
なし | 3823 | ○ | 夢塗装車 | |
なし | 3323 | ○ | 夢塗装車 | |
なし | 3423 | ○ | 夢塗装車 | |
なし | 3223 | ○ | 夢塗装車、弱冷車 | |
京都 | なし | 3123 | ○ | 夢塗装車、ローレル賞のプレート |
★備考
①今回の動画はこちらにクリック!!
②フリー百科事典『Wikipedia「伯備線」』はこちらにクリック!!
③フリー百科事典『Wikipedia「やくも(列車)」』はこちらにクリック!!
④フリー百科事典『Wikipedia「布原駅」』はこちらにクリック!!
⑤明日の希望 動労千葉の闘いの記録「特集JR伯備線事故」はこちらにクリック!!
⑥参考文献として、鉄道ジャーナル社刊行、『鉄道ジャーナル2006年4月号』を使用。
⑦岸田法眼のRailway Blog.「2006年の汽車旅4-3」はこちらにクリック!!
⑧岸田法眼のRailway Blog.「2002年の汽車旅7-1」はこちらにクリック!!
⑨岸田法眼のRailway Blog.「2002年の汽車旅7-2」はこちらにクリック!!
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2008年11月も2者択一サイト、『Unow?』で、「アノ人はなぜハマル?(モハよう著者からの20の質問)」が公開されており、質問28・33・39・43で私の画像と解説が掲載されております。ぜひ、アクセスしてみて下さい。
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④『Unow?「モハよう著者からの20の質問」』の質問33はこちらにクリック!!
⑤『Unow?「モハよう著者からの20の質問」』の質問39は旧式はこちらにクリック!! そして、新式はこちらにクリック!!
⑥『Unow?「アノ人はなぜハマル?」』の質問43はこちらにクリック!!
※②~⑥は2008年11月30日(日曜日)まで公開予定です(翌日以降は削除されている可能性がありますので、あらかじめ御了承下さい)。
岸田法眼さんこんばんは。
電車内にバスの様に料金表があるのには驚きました。 ローカル路線の運転体系や車両改善も難しい悪循環に陥っていると感じました。
話は変わりますが、サンライズのVVVFインバータ音個人的には好きです。
by ネオ・アッキー (2008-11-08 19:17)
まずは、JR西日本の電化路線の制覇、おめでとうございます。
岸田さんが米子で会ったおじさんとの記事は、地元のかた(?)ならでは話もあり、興味深く拝見しました。
列車接続については、接続するorしないは鉄道事業者が判断すると譲歩したとしても、告知はすべきであると思います。姫路駅のホームが騒然とするほど混んでいたのであれば、なおさらです。
by PochiPapa (2008-11-08 23:13)
ネオ・アッキーさん、どうもありがとうございます。
平成の世に入ってから、ワンマンカーは運賃箱や料金表はありますが、人件費等の問題があるのでしょう。
285系はしばらく走行音を聞いておりませんが、7両中2両しか電動車がないわけですから、よく走れるものだと感心します。できることなら、1度、乗ってみたいですね。
by 岸田法眼 (2008-11-08 23:39)
PochiPapaさん、どうもありがとうございます。
伯備線は珍道中でしたね。おじさんに出会わなければ、華のない記事になっていたかもしれません。
接続に関しては先を急ぐ人たちが多いわけですから、よほどのことがない限り、しなければダメです。遅れて到着しても、普通は接続列車に関しては待ちますよ。そういう初歩的なことができないのだから、あきれるんですよね。そのため、ホームはパニック状態でした。
by 岸田法眼 (2008-11-08 23:51)