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2009年の汽車旅2-1 [汽車旅2009]
◆納得のいかぬ臨時格下げ

2009年3月19日(木曜日)22時50分頃、JR東日本東京へ。9番線にはJR東海373系が止まっているものの、折り返し、快速〈ムーンライトながら〉大垣行きではなく、回送。5日前のダイヤ改正で、快速〈ムーンライトながら〉は定期運行をやめてしまったのである。但し、東京-静岡間に1往復だけ残された普通電車は存続され、373系は続投となった。
思えば、私が快速〈ムーンライトながら〉に初めて乗ったのは、平成10年(1998年)4月3日(金曜日)。このとき、普通電車東京行きは終点に到着すると、一旦、田町電車区(現在の「田町車両センター」)に引き返し、再び東京に戻るパターンをとったが、いつしか神田寄りの留置線に移動してから入線する方式に変わり、寝台急行〈銀河〉が消えた2008年3月15日(土曜日)のダイヤ改正から直接、東京で折り返した。
近年は夜行高速バスに客足を奪われ、快速〈ムーンライトながら〉〈ムーンライトえちご〉に多大な影響を与え、2009年3月14日(土曜日)のダイヤ改正で、臨時運行に格下げとなり、腹立たしい思いでいっぱいだ。快速〈ムーンライトながら〉だと、下り便のみ発生する7~9号車の切り離しは目をつぶるとして、途中から自由席に変わるのがいただけなかった。夜行なのだから、快眠、安眠を提供するのが普通だろう。
高速バスは低廉な運賃のため、利用客が多いというが、その理由はなんとなく想像できる。高速バスは国土交通省の認可がおりれば、私のわかる範囲で述べると、車両を用意すればいいのだ。道路工事は道路公団に任せればいいのだから、費用が少なくて済む。対して鉄道は車両のほか、路盤の管理もすべて自社でやらなければならないため、カネがかかってしまう。平成に入ってから、鉄道夜行が徐々に姿を消したのは、利用率の低下もあるだろうが、保線工事の負担を減らしたい意向もあるのではないかと思う。

さて、隣りの7番線に211系の普通電車平塚行きが入線。2009年に入ってからだろうか、グリーン車以外のシートモケットを濃い目のグリーンに変えている車両が現れている。まだまだ使うという表れで、ステンレス車体は丈夫で長持ちなので、末永く走ってほしい。

10番線に臨時快速〈ムーンライトながら〉大垣行き(3号車指定席モハ189-34:簡易リクライニングシート)が入線し、それを見届けた373系は、田町車両センターへ回送していった。

臨時快速〈ムーンライトながら〉の方向幕は、「快速大垣」のみで物足りない。以前はちゃんと列車名も表示していたが、臨時運行に各下げてから、方向幕のレベルも落ちてしまったのか? また、1号車の位置は消えたブルートレインと変わらないため、停車中のフェイス撮影は10号車しか撮れない。
常磐線が遅れているため、定刻より25分遅れの23時35分に発車。“お客様本位”のJR東日本らしい遅れである。もっとも、“名古屋から先は定刻通りになる”とタカをくくっているので、遅れても気にならないが、臨時運行格下げに伴い、停車駅を大幅に整理したため、日付が変わったときに横浜へ到着されると、ムッとするだろう。
田町を過ぎ、進行方向右側の東京車両センターでは、373系が留置。灯りはついており、眠りに着くのは、まだ先のようだ。進行方向左側はJR東海、東海道新幹線の留置線があり、N700系と700系が翌日に向けて、スヤスヤ眠っている。ちなみに数日前、初めてJR西日本N700系3000番代を見たが、車番フォントがJR東海車と同じであることにガッカリした(N700系7000番代はJR西日本フォントなのに)。
臨時快速〈ムーンライトながら〉大垣行きは品川11番線に到着。向かいの12番線には、先に発車されてしまった〈湘南ライナー17号〉小田原行きに追いつくものの、追い越すことはできなかった。ホームはたくさんの人々でにぎわっているが、ほとんどは普通電車国府津行きを待っていた。
23時43分に品川を発車し、車内検札を終えると、23時59分、横浜6番線に到着。あわただしく乗り込み、発車したのは2009年3月20日(金曜日・春分の日)0時00分である。
余談だが、2009年春も夏も臨時快速〈ムーンライトながら〉は1往復体制である。定期と臨時が各1往復の時代でも常時満席だったというのに、臨時1往復のみというのは、どういう根拠なのだろうか? この姿勢に納得がいかない人々は多いはずだ。
◆転換クロスシートの頭部
時刻は5時30分を過ぎ、すでにJR東海名古屋を過ぎている。臨時快速〈ムーンライトながら〉大垣行きは東海道本線を激走し、夜は明けつつあるものの、路面が濡れており、あいにくの雨だ。
5時45分に岐阜を発車すると、3・4号車のデッキは人であふれる。とっとと次の電車に乗り換えたいために。
「ドアから手を離して、お待ちください」
「そうはいかないよ」
車掌の放送に、デッキ付近で終点大垣到着を待つオバサンがツッコミを入れる。オバサンは躍起になっているようだ。

5時55分、終点大垣1番線に到着し、いつもの座席争奪戦で2番線へまわり、普通電車(高槻-西明石間は快速)姫路行き(1号車クハ222-2018:弱冷車)に乗り換え。米原まで4両編成だが、思ったより混み合っていないものの、1号車は前と中ほどのドアが利用客であふれており、うしろのドアから乗り込んだ。ホームは1番線が120㎞/hの特急形電車、2番線は130㎞/hの近郊形電車という顔合わせだ。普通は特急形電車のほうが速いのだが……
6時00分に発車。JR西日本223系2000番代にしては珍しく、一部のドア上にある情報案内装置が作動していない。ちなみに221系は編成によってアバウトである。
臨時快速〈ムーンライトながら〉大垣行きは、台車の上に坐っていたせいか、よく揺れて、気分が少々悪い。普通電車(高槻-西明石間は快速)姫路行きも車端部という台車の上にいるため、気分が回復せず、体調がすぐれない。
米原が近づくと、大半はJR西日本の新快速姫路方面播州赤穂行きに乗り換える態勢をとる。広大な留置線には、増結用の223系2000番代がスタンバイ。そして、普通電車大垣行きとして走る373系も入線を待ちわびている。どうやら、今回のダイヤ改正で、373系の一部は大垣電車区常駐になったようである。
6時33分、米原2番のりばに到着。この電車の1号車は12両編成の新快速3号車にあたり、乗り換え一直線!! 9~12号車は北陸本線敦賀始発の編成と読んでおり、1つの転換クロスシートに必ず誰かが坐っているとにらんだ。それは読み通りで、米原で前8両を増結していたのだった(敦賀始発の4両編成は、米原で1~4号車から、9~12号車に変わる)。
先ほどまで乗っていた電車が遅れていたらしく、新快速姫路方面播州赤穂行き(3号車サハ223-1024:姫路まで女性車掌乗務)は、定刻より1分遅れの6時36分に発車。雨はやんでおり、西へ進むごとに天気は回復傾向にある。東の旅はヒコーキではない限り、天気は道中のお供であるが、偏西風の影響により、西へ進むにつれ、晴れが雨や雪に変わるのである。傘をしのばせていないので、少々不安だったが、買わずに済みそうだ。

※223系1000番代の転換クロスシート

※223系2000番代の転換クロスシート

※221系の転換クロスシート
223系1000番代に乗って、11年が経過するものの、転換クロスシートの背もたれの頭部は、まるでリクライニングシートを意識したような形状になっていることに気づいた。これは221系も同様で、223系2000番代の転換クロスシートは、頭部が水平に変更されている。117系シリーズの転換クロスシートも頭部が水平だし、これは思わぬ新発見だ。
223系2000番代は、2000年3月11日(土曜日)のダイヤ改正において、すべての新快速の130㎞/h化を実現させるべく、平成11年(1999年)に入団しているが、1年間のあいだに大量投入しなければならないため、コストミニマムを意識した車両である。製造費を抑えつつ、グレードを維持したものだが、転換クロスシートもその中に入っているようである。まさか10年も増備を続けることになるとは、想像もしていなかった。
国鉄時代から続く新快速は今まで、10年ごとに主力車両が交代していったが、223系2000番代の“長期政権”はほぼ確実(223系1000番代の新快速は2009年で、15年目を迎えている)。もし、次世代新快速として、「225系」が入団するとなれば、転換クロスシートからリクライニングシートにチェンジして、居住性の向上をはかっているだろう。JR東日本首都圏のように、4・5号車に2階建てグリーン車が連結されたら、よりハイグレードになるのだろうが、実現するかどうか。
◆信頼回復が遠のく大阪駅改良工事

※次は山科
膳所(Zeze)で221系の普通電車(京都-西明石間は快速)姫路方面網干行きをキャッチし、大津は新快速姫路方面播州赤穂行きが先に発車するも、山科は普通電車(京都-西明石間は快速)姫路方面網干行きに追い越されてしまった。ちなみにこの日、湖西線は強風により、遅れが発生していた。
※次は高槻
普通電車(京都-西明石間は快速)姫路方面網干行きにワンテンポ遅れて発車したが、トンネル内で抜き返し、すっかり晴れあがった空のもと、7時27分、京都6番のりばに到着。普通電車改め快速(西明石から普通電車)姫路方面網干行きも追いついたが、ここは新快速姫路方面播州赤穂行きが先に発車。長岡京に近づく頃、急行〈きたぐに〉の回送とすれ違う。方向幕は回送だが、ヘッドマークは急行〈きたぐに〉のままである。
長岡京を通過してから、勢いが落ちてゆく。山崎を過ぎると、まるでちょうちんのような踏切の点滅ランプを見かける。これは踏切事故防止のため、360度どこからでも見渡せる工夫をしているのだ。

※別の日に撮影
大阪府に入ると、また雲ゆきがあやしくなり、定刻より1分遅れの7時55分、新大阪16番のりばに到着。次の大阪も1分遅れの7時59分、5番のりばに到着。あれほど批判しているにもかかわらず、着々と改良工事が順調に進んでおり、福知山線脱線事故の補償問題をそっちのけにしている印象がますます色濃くなってゆく。遺族もそうだが、世間もJR西日本に対する不信感は強くなっているだろう。その遺族は歴代社長3人に訴訟を起こしたのは当然だ。福知山線脱線事故で乗務していた車掌も訴訟を起こしており、私が懸念していた展開になっている。これは現場ではなく、首脳陣がちゃらんぽらんなんだよね。ちゃんちゃらあきれる。
実は2008・2009年、JR西日本に苦情を5件寄せているが、全然回答になっていないのが多く、同業他社を利用していないことがミエミエの回答もあり、今後は「常に東京を見習う」、「常に東京に従う」、「常に東京は正しい」という意識が必要だ。このままでは、いつまでたっても信頼を回復することはないだろう。
これはJR西日本に限ったことではないが、関西地方は東京に歩調を合わせたがらない風潮がある。
代表的なのはマクドナルドで、関西以外は「マック」なのに、なぜか「マクド」で、Yahoo!の検索ワードでもそうなっていることが明らかにされている。エスカレーターの乗り方も大阪府と兵庫県は立ち位置が異なる(京都府はほかの地方に合わせているが、滋賀県、奈良県、三重県、和歌山県は見たことがないので不明)。但し、日本エレベーター協会では、どちらの乗り方も間違っていると指摘している。
疑問なのは、関西地方はなぜ、東京に歩調を合わせたがらないのだろうか? 関西は不思議な場所である。但し、“親切、ていねい”に関しては、関西に軍配があがり、首都圏は冷たい人が多い。
余談だが、東京が関西に歩調を合わせたものとしては、私の知る範囲だと、地下鉄電車の冷房化、女性専用車の急速な普及だろうか。女性専用車は京王電鉄が火をつけたのに、関西地方が爆発的な普及をしたため、関東地方は見直しを迫られたような恰好だ。以前、某鉄道会社が男性専用車を作ろうとしたものの、否決されているが、トイレと更衣室以外、男性専用、女性専用はやめたほうがいい。我々は差別のない誰もが暮らしやすい社会を作らなければならないはずだ。どうして、そういうところに国民は気づかないのだろうか?
◆12両運転は網干までにしたほうがいいのでは?
大阪は先述のように、定刻より1分遅れの7時59分に到着。国鉄時代の寝台急行〈銀河〉は東京を23時00分に発車し、終点大阪には8時00分に到着していた。今回の臨時快速〈ムーンライトながら〉大垣行きによる乗り継ぎでも、ここまでの行程が定刻通りならば、東京-大阪間の所要時間が8分短縮されており、いかに寝台急行〈銀河〉が鈍足だったことがわかる。やがて、所要時間は短縮されるが、新快速にはじき出された恰好だ。
1分遅れのまま8時01分、大阪を発車。京都発車時よりも“.com”となったため、車内に空調が入る。冷房か送風のどちらかはわからないが、心地よい風が吹く。
芦屋で321系の各駅停車西明石行きに接続し、灘で321系の各駅停車西明石行きを抜き、雲も少なくなり、三ノ宮へは定刻通りの到着。神戸から山陽本線に入るものの、乗車率は高い。
加古川で221系の普通電車姫路行きに接続。乗り換えてもよかったが、この混みようでは乗り換えられず、9時02分、姫路7番のりばに到着。ここで9~12号車を切り離すが、意外にも姫路以降も乗車続行の利用客が多く、1~8号車はラッシュさながらの混み具合となった。このまま播州赤穂へ向かうのか、相生で始発の普通電車備中高梁行き(For Bicchu-Takahashi)に乗り換えるのかどうかはわからないが……
新快速や普通電車の切り離しは姫路か網干のどちらかになっており、1つに統一させたほうが好ましいだろう。新快速は2011年春に全便12両編成化がウワサされており、おそらく、米原-網干間でそうなるのだろう。もし、相生のホームが12両分あるのなら、そこまででもいい。

9時09分、新快速播州赤穂行きは、晴れやかな姫路を発車していった。
★備考
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②2009年7月上旬、私が執筆した雑誌が発売になります。くわしくは発売日以降にお知らせする予定です。




岸田法眼のウソつき4択 powerd by けんてーごっこ
2009年3月19日(木曜日)22時50分頃、JR東日本東京へ。9番線にはJR東海373系が止まっているものの、折り返し、快速〈ムーンライトながら〉大垣行きではなく、回送。5日前のダイヤ改正で、快速〈ムーンライトながら〉は定期運行をやめてしまったのである。但し、東京-静岡間に1往復だけ残された普通電車は存続され、373系は続投となった。
思えば、私が快速〈ムーンライトながら〉に初めて乗ったのは、平成10年(1998年)4月3日(金曜日)。このとき、普通電車東京行きは終点に到着すると、一旦、田町電車区(現在の「田町車両センター」)に引き返し、再び東京に戻るパターンをとったが、いつしか神田寄りの留置線に移動してから入線する方式に変わり、寝台急行〈銀河〉が消えた2008年3月15日(土曜日)のダイヤ改正から直接、東京で折り返した。
近年は夜行高速バスに客足を奪われ、快速〈ムーンライトながら〉〈ムーンライトえちご〉に多大な影響を与え、2009年3月14日(土曜日)のダイヤ改正で、臨時運行に格下げとなり、腹立たしい思いでいっぱいだ。快速〈ムーンライトながら〉だと、下り便のみ発生する7~9号車の切り離しは目をつぶるとして、途中から自由席に変わるのがいただけなかった。夜行なのだから、快眠、安眠を提供するのが普通だろう。
高速バスは低廉な運賃のため、利用客が多いというが、その理由はなんとなく想像できる。高速バスは国土交通省の認可がおりれば、私のわかる範囲で述べると、車両を用意すればいいのだ。道路工事は道路公団に任せればいいのだから、費用が少なくて済む。対して鉄道は車両のほか、路盤の管理もすべて自社でやらなければならないため、カネがかかってしまう。平成に入ってから、鉄道夜行が徐々に姿を消したのは、利用率の低下もあるだろうが、保線工事の負担を減らしたい意向もあるのではないかと思う。
さて、隣りの7番線に211系の普通電車平塚行きが入線。2009年に入ってからだろうか、グリーン車以外のシートモケットを濃い目のグリーンに変えている車両が現れている。まだまだ使うという表れで、ステンレス車体は丈夫で長持ちなので、末永く走ってほしい。
10番線に臨時快速〈ムーンライトながら〉大垣行き(3号車指定席モハ189-34:簡易リクライニングシート)が入線し、それを見届けた373系は、田町車両センターへ回送していった。
臨時快速〈ムーンライトながら〉の方向幕は、「快速大垣」のみで物足りない。以前はちゃんと列車名も表示していたが、臨時運行に各下げてから、方向幕のレベルも落ちてしまったのか? また、1号車の位置は消えたブルートレインと変わらないため、停車中のフェイス撮影は10号車しか撮れない。
臨時快速〈ムーンライトながら〉大垣行き編成表 | |||||
乗車区間 | 号車 | 車両番号 | 禁煙 | 備考 | |
大垣 | 1 | クハ189- | 513 | ○ | 指定席 |
2 | モハ188- | 34 | ○ | 指定席、簡易リクライニングシート | |
3 | モハ189- | 34 | ○ | 指定席、簡易リクライニングシート | |
4 | モハ188- | 30 | ○ | 指定席 | |
5 | モハ189- | 30 | ○ | 指定席 | |
6 | モハ188- | 26 | ○ | 指定席 | |
7 | モハ189- | 26 | ○ | 指定席 | |
8 | モハ188- | 25 | ○ | 指定席 | |
9 | モハ189- | 25 | ○ | 指定席 | |
東京 | 10 | クハ183- | 1023 | ○ | 指定席、デラックス車 |
常磐線が遅れているため、定刻より25分遅れの23時35分に発車。“お客様本位”のJR東日本らしい遅れである。もっとも、“名古屋から先は定刻通りになる”とタカをくくっているので、遅れても気にならないが、臨時運行格下げに伴い、停車駅を大幅に整理したため、日付が変わったときに横浜へ到着されると、ムッとするだろう。
田町を過ぎ、進行方向右側の東京車両センターでは、373系が留置。灯りはついており、眠りに着くのは、まだ先のようだ。進行方向左側はJR東海、東海道新幹線の留置線があり、N700系と700系が翌日に向けて、スヤスヤ眠っている。ちなみに数日前、初めてJR西日本N700系3000番代を見たが、車番フォントがJR東海車と同じであることにガッカリした(N700系7000番代はJR西日本フォントなのに)。
臨時快速〈ムーンライトながら〉大垣行きは品川11番線に到着。向かいの12番線には、先に発車されてしまった〈湘南ライナー17号〉小田原行きに追いつくものの、追い越すことはできなかった。ホームはたくさんの人々でにぎわっているが、ほとんどは普通電車国府津行きを待っていた。
23時43分に品川を発車し、車内検札を終えると、23時59分、横浜6番線に到着。あわただしく乗り込み、発車したのは2009年3月20日(金曜日・春分の日)0時00分である。
余談だが、2009年春も夏も臨時快速〈ムーンライトながら〉は1往復体制である。定期と臨時が各1往復の時代でも常時満席だったというのに、臨時1往復のみというのは、どういう根拠なのだろうか? この姿勢に納得がいかない人々は多いはずだ。
◆転換クロスシートの頭部
時刻は5時30分を過ぎ、すでにJR東海名古屋を過ぎている。臨時快速〈ムーンライトながら〉大垣行きは東海道本線を激走し、夜は明けつつあるものの、路面が濡れており、あいにくの雨だ。
5時45分に岐阜を発車すると、3・4号車のデッキは人であふれる。とっとと次の電車に乗り換えたいために。
「ドアから手を離して、お待ちください」
「そうはいかないよ」
車掌の放送に、デッキ付近で終点大垣到着を待つオバサンがツッコミを入れる。オバサンは躍起になっているようだ。
5時55分、終点大垣1番線に到着し、いつもの座席争奪戦で2番線へまわり、普通電車(高槻-西明石間は快速)姫路行き(1号車クハ222-2018:弱冷車)に乗り換え。米原まで4両編成だが、思ったより混み合っていないものの、1号車は前と中ほどのドアが利用客であふれており、うしろのドアから乗り込んだ。ホームは1番線が120㎞/hの特急形電車、2番線は130㎞/hの近郊形電車という顔合わせだ。普通は特急形電車のほうが速いのだが……
6時00分に発車。JR西日本223系2000番代にしては珍しく、一部のドア上にある情報案内装置が作動していない。ちなみに221系は編成によってアバウトである。
普通電車(高槻-西明石間は快速) | |||||
姫路行き編成表 | |||||
乗車区間 | 号車 | 車両番号 | 禁煙 | 備考 | |
米原 | 1 | ク ハ222- | 2018 | ○ | 弱冷車 |
2 | モ ハ222- | 3028 | ○ | なし | |
3 | サ ハ223- | 2042 | ○ | なし | |
大垣 | 4 | クモハ223- | 3018 | ○ | なし |
米原で5~8号車を増結 |
臨時快速〈ムーンライトながら〉大垣行きは、台車の上に坐っていたせいか、よく揺れて、気分が少々悪い。普通電車(高槻-西明石間は快速)姫路行きも車端部という台車の上にいるため、気分が回復せず、体調がすぐれない。
米原が近づくと、大半はJR西日本の新快速姫路方面播州赤穂行きに乗り換える態勢をとる。広大な留置線には、増結用の223系2000番代がスタンバイ。そして、普通電車大垣行きとして走る373系も入線を待ちわびている。どうやら、今回のダイヤ改正で、373系の一部は大垣電車区常駐になったようである。
6時33分、米原2番のりばに到着。この電車の1号車は12両編成の新快速3号車にあたり、乗り換え一直線!! 9~12号車は北陸本線敦賀始発の編成と読んでおり、1つの転換クロスシートに必ず誰かが坐っているとにらんだ。それは読み通りで、米原で前8両を増結していたのだった(敦賀始発の4両編成は、米原で1~4号車から、9~12号車に変わる)。
先ほどまで乗っていた電車が遅れていたらしく、新快速姫路方面播州赤穂行き(3号車サハ223-1024:姫路まで女性車掌乗務)は、定刻より1分遅れの6時36分に発車。雨はやんでおり、西へ進むごとに天気は回復傾向にある。東の旅はヒコーキではない限り、天気は道中のお供であるが、偏西風の影響により、西へ進むにつれ、晴れが雨や雪に変わるのである。傘をしのばせていないので、少々不安だったが、買わずに済みそうだ。
※223系1000番代の転換クロスシート
※223系2000番代の転換クロスシート
※221系の転換クロスシート
223系1000番代に乗って、11年が経過するものの、転換クロスシートの背もたれの頭部は、まるでリクライニングシートを意識したような形状になっていることに気づいた。これは221系も同様で、223系2000番代の転換クロスシートは、頭部が水平に変更されている。117系シリーズの転換クロスシートも頭部が水平だし、これは思わぬ新発見だ。
223系2000番代は、2000年3月11日(土曜日)のダイヤ改正において、すべての新快速の130㎞/h化を実現させるべく、平成11年(1999年)に入団しているが、1年間のあいだに大量投入しなければならないため、コストミニマムを意識した車両である。製造費を抑えつつ、グレードを維持したものだが、転換クロスシートもその中に入っているようである。まさか10年も増備を続けることになるとは、想像もしていなかった。
国鉄時代から続く新快速は今まで、10年ごとに主力車両が交代していったが、223系2000番代の“長期政権”はほぼ確実(223系1000番代の新快速は2009年で、15年目を迎えている)。もし、次世代新快速として、「225系」が入団するとなれば、転換クロスシートからリクライニングシートにチェンジして、居住性の向上をはかっているだろう。JR東日本首都圏のように、4・5号車に2階建てグリーン車が連結されたら、よりハイグレードになるのだろうが、実現するかどうか。
◆信頼回復が遠のく大阪駅改良工事
※次は山科
膳所(Zeze)で221系の普通電車(京都-西明石間は快速)姫路方面網干行きをキャッチし、大津は新快速姫路方面播州赤穂行きが先に発車するも、山科は普通電車(京都-西明石間は快速)姫路方面網干行きに追い越されてしまった。ちなみにこの日、湖西線は強風により、遅れが発生していた。
※次は高槻
普通電車(京都-西明石間は快速)姫路方面網干行きにワンテンポ遅れて発車したが、トンネル内で抜き返し、すっかり晴れあがった空のもと、7時27分、京都6番のりばに到着。普通電車改め快速(西明石から普通電車)姫路方面網干行きも追いついたが、ここは新快速姫路方面播州赤穂行きが先に発車。長岡京に近づく頃、急行〈きたぐに〉の回送とすれ違う。方向幕は回送だが、ヘッドマークは急行〈きたぐに〉のままである。
新快速姫路方面播州赤穂行き編成表 | |||||
乗車区間 | 号車 | 車両番号 | 禁煙 | 備考 | |
姫路 | 1 | ク ハ222- | 1009 | ○ | 弱冷車 |
2 | モ ハ223- | 1014 | ○ | 弱冷車 | |
3 | サ ハ223- | 1024 | ○ | なし | |
4 | サ ハ223- | 1023 | ○ | なし | |
5 | モ ハ223- | 1013 | ○ | なし | |
6 | サ ハ223- | 1022 | ○ | なし | |
7 | サ ハ223- | 1021 | ○ | なし | |
8 | クモハ223- | 1009 | ○ | なし | |
9 | ク ハ222- | 2071 | ○ | 姫路止まり、弱冷車 | |
10 | モ ハ223- | 2163 | ○ | 姫路止まり | |
11 | サ ハ223- | 2164 | ○ | 姫路止まり | |
米原 | 12 | クモハ223- | 2071 | ○ | 姫路止まり |
長岡京を通過してから、勢いが落ちてゆく。山崎を過ぎると、まるでちょうちんのような踏切の点滅ランプを見かける。これは踏切事故防止のため、360度どこからでも見渡せる工夫をしているのだ。
※別の日に撮影
大阪府に入ると、また雲ゆきがあやしくなり、定刻より1分遅れの7時55分、新大阪16番のりばに到着。次の大阪も1分遅れの7時59分、5番のりばに到着。あれほど批判しているにもかかわらず、着々と改良工事が順調に進んでおり、福知山線脱線事故の補償問題をそっちのけにしている印象がますます色濃くなってゆく。遺族もそうだが、世間もJR西日本に対する不信感は強くなっているだろう。その遺族は歴代社長3人に訴訟を起こしたのは当然だ。福知山線脱線事故で乗務していた車掌も訴訟を起こしており、私が懸念していた展開になっている。これは現場ではなく、首脳陣がちゃらんぽらんなんだよね。ちゃんちゃらあきれる。
実は2008・2009年、JR西日本に苦情を5件寄せているが、全然回答になっていないのが多く、同業他社を利用していないことがミエミエの回答もあり、今後は「常に東京を見習う」、「常に東京に従う」、「常に東京は正しい」という意識が必要だ。このままでは、いつまでたっても信頼を回復することはないだろう。
これはJR西日本に限ったことではないが、関西地方は東京に歩調を合わせたがらない風潮がある。
代表的なのはマクドナルドで、関西以外は「マック」なのに、なぜか「マクド」で、Yahoo!の検索ワードでもそうなっていることが明らかにされている。エスカレーターの乗り方も大阪府と兵庫県は立ち位置が異なる(京都府はほかの地方に合わせているが、滋賀県、奈良県、三重県、和歌山県は見たことがないので不明)。但し、日本エレベーター協会では、どちらの乗り方も間違っていると指摘している。
疑問なのは、関西地方はなぜ、東京に歩調を合わせたがらないのだろうか? 関西は不思議な場所である。但し、“親切、ていねい”に関しては、関西に軍配があがり、首都圏は冷たい人が多い。
余談だが、東京が関西に歩調を合わせたものとしては、私の知る範囲だと、地下鉄電車の冷房化、女性専用車の急速な普及だろうか。女性専用車は京王電鉄が火をつけたのに、関西地方が爆発的な普及をしたため、関東地方は見直しを迫られたような恰好だ。以前、某鉄道会社が男性専用車を作ろうとしたものの、否決されているが、トイレと更衣室以外、男性専用、女性専用はやめたほうがいい。我々は差別のない誰もが暮らしやすい社会を作らなければならないはずだ。どうして、そういうところに国民は気づかないのだろうか?
◆12両運転は網干までにしたほうがいいのでは?
大阪は先述のように、定刻より1分遅れの7時59分に到着。国鉄時代の寝台急行〈銀河〉は東京を23時00分に発車し、終点大阪には8時00分に到着していた。今回の臨時快速〈ムーンライトながら〉大垣行きによる乗り継ぎでも、ここまでの行程が定刻通りならば、東京-大阪間の所要時間が8分短縮されており、いかに寝台急行〈銀河〉が鈍足だったことがわかる。やがて、所要時間は短縮されるが、新快速にはじき出された恰好だ。
1分遅れのまま8時01分、大阪を発車。京都発車時よりも“.com”となったため、車内に空調が入る。冷房か送風のどちらかはわからないが、心地よい風が吹く。
芦屋で321系の各駅停車西明石行きに接続し、灘で321系の各駅停車西明石行きを抜き、雲も少なくなり、三ノ宮へは定刻通りの到着。神戸から山陽本線に入るものの、乗車率は高い。
加古川で221系の普通電車姫路行きに接続。乗り換えてもよかったが、この混みようでは乗り換えられず、9時02分、姫路7番のりばに到着。ここで9~12号車を切り離すが、意外にも姫路以降も乗車続行の利用客が多く、1~8号車はラッシュさながらの混み具合となった。このまま播州赤穂へ向かうのか、相生で始発の普通電車備中高梁行き(For Bicchu-Takahashi)に乗り換えるのかどうかはわからないが……
新快速や普通電車の切り離しは姫路か網干のどちらかになっており、1つに統一させたほうが好ましいだろう。新快速は2011年春に全便12両編成化がウワサされており、おそらく、米原-網干間でそうなるのだろう。もし、相生のホームが12両分あるのなら、そこまででもいい。
9時09分、新快速播州赤穂行きは、晴れやかな姫路を発車していった。
★備考
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④岸田法眼のRailway Blog.「快速〈ムーンライトながら〉 、最後の定期運行!!」はこちらにクリック!!
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⑥岸田法眼のRailway Blog.「JR西日本」はこちらにクリック!!
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