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2009年の汽車旅2-2(JR西日本キハ127系、キハ122系試乗) [汽車旅2009]
◆下記の記事をまだ御覧になっていない方は、URLにクリックしてください。
・2009年の汽車旅2-1
http://railway583.blog.so-net.ne.jp/2009-07-05
◆コンパクトになったホーム配置

姫路の在来線ホームは2008年12月21日(日曜日)、残る姫新線、播但線の高架化が完了した。地平時代に比べると、広々としたものから、コンパクトになった印象を受ける。ホームは3面9線で、播但線は1・2番のりば、姫新線は3・4番のりばを1面に集約。2・3番のりばを行き止まりにすることによって、コンパクト化したのである。また、すべてのホームが電化されており、緊急時に電車が3・4番のりばにも止まれるようになっている。
地平時代の姫路在来線ホームは、風格のある大きな駅という印象があったが、播但線のホームがどこにあるのかわかりづらい面があった。高架化により、わかりやすくなったものの、地平時代に比べ、山陽本線のホームは削られており、国鉄時代に比べ、長距離列車の数が減っているのだ。そして、網干総合車両所の存在感が増したことにより、折り返す列車も少なくなったのかもしれない。高架化により、ホームが削られた分、加古川寄りに留置線を設けて対応している。地平の時代から留置線があったかどうかは記憶になく、日本の鉄道完全制覇を目指しているからなのか、“ガムシャラ”に乗っているせいかもしれない。

2番のりばには特急〈はまかぜ2号〉大阪行きが発車を待っている。姫路で進行方向が変わり、山陽本線、東海道本線を経て、大阪へ向かうが、姫路-大阪間の所要時間は、特急〈はまかぜ2号〉大阪行きは68分、新快速は最速60分。停車駅は新快速が多いものの、キハ181系は130㎞/h運転ができないせいか、特急券を払ったほうが損をする展開になっている。おそらく、姫路-大阪間に関しては、酔狂な人が乗るのだろう。車内はガラガラで、ディーゼルエンジンのニオイがプンプンする。そして、発車するときもディーゼルエンジンは、大きなうねりをあげた。ちなみに同じ気動車で運行する特急〈スーパーはくと〉は最速53分で、特急〈はまかぜ〉とは大差がつけられている。
JR西日本はキハ181系の老朽化により、2011年の予定で特急〈はまかぜ〉に新型気動車が投入されることになっているが、形式名は不明。できることなら、振子を装備して、大阪-姫路間は特急〈スーパーはくと〉に並結できるようにしたほうがいいだろう。これは特急〈はまかぜ〉の新型車両が3両1組であること、大阪-加古川間は旅客列車のほか、貨物列車も走るため、線路容量が過密になっている印象を受けるからである。

3・4番のりばから地平ホーム跡地を見下ろすが、ほとんどのホーム、線路、架線は撤去されており、今後は21世紀にふさわしい空間に整備されるのであろう。乗り換えの跨線橋が高架化工事に伴い、一部だけ撤去しており、哀れな姿であるが、最後の存在感をアピールしているようだった。
◆キハ127系試乗

姫新線4番のりばに9時26分発、普通列車本竜野行き(For Hon-Tatsuno)ワンマンカーが発車を待っており、キハ127系を初めて見る。フェイスは223系2000番代にそっくりだが、キハ121系やキハ126系と同様、「ワンマン」の文字がスクロールされている。223系2000番代のフェイスでは、貫通扉の上に種別幕があるものの、キハ127系とキハ122系は方向LEDで、快速が走らない限り、種別は表示されない模様。

車体側面はキハ121系やキハ126系と同様、大型の方向LEDとなっており、ワンマンの下に表示する「Conductorless Train」がスクロールされている。大型で見やすいものの、フルカラーLEDではない。JR西日本は最初の新型車両である221系から、一部の車両を除き、一貫して方向LEDを採用しているが、在来線に関しては、進化が見られず、退化もしていない。ようはJR西日本の基本に徹しているのだ。フルカラーLEDが普及しているので、“そろそろ種別幕もそうなるのではないか”と思っていたが、JR西日本のこだわりかつ、ブランドのようだ。ちなみにJR西日本がフルカラーLEDを採用している車両は、N700系3000番代である(おそらく、N700系7000番代もそうだろう)。
※キハ127系のドアチャイム

※普通列車本竜野行きワンマンカー発車!!
ドアチャイムはJR西日本標準と同じ音階だが、音色を柔らかなものに変えている。車内はほぼ満席の状態だったため、10時12分発の普通列車佐用行きワンマンカーまで、待つことにしよう。キハ127系が動き出すと、先ほどのキハ181系に比べ、ディーゼルエンジン音は静かだし、ツーンとしたニオイもしない。
意外なことに入線時間が待つにつれ、長蛇の列となる。姫新線の兵庫県側は姫路-播磨新宮間の運行が多く、そこから先は少ないからだ。

普通列車佐用行きワンマンカー(For Sayo.1号車キハ127-3)が入線。2両の車内は相当乗っており、ラッシュさながら。ここは3ドアにしてもよかったのではないかと思う。また、セミクロスシートを採用しているが、転換クロスシートは2人掛けと1人掛けで、座席定員が少ないのが難点だ。以前は国鉄産の気動車を使用し、座席定員も多かっただけに、沿線利用客の反応が気になるところ。
10時12分に発車。高架を下り、地平へ。車内は観光客が多いようだ。座席数が減少した影響で、早くも立客が発生している。

※画像は復路の列車で撮影
余部でキハ127系の普通列車姫路行きワンマンカーと行き違い、10時24分に発車すると、進行方向右側には姫路鉄道部があり、そこを通る。キハ40系、キハ47系といった国鉄産気動車が在籍しているものの、ダイヤ改正で出番が激減したという。そのため、山陰地方へコンバートされた車両も発生している。
太市(Ohichi)を発車すると、トンネルを通り、勾配に突入。沿線には中国自動車道があり、姫新線にとっては、手ごわい存在だ。
本竜野で若干降り、キハ127系の普通列車姫路行きワンマンカーと行き違う。座席定員が少ないせいか、1号車の乗務員室寄りでは、女子高生なのか、若い女が床に坐っていた。マナーの悪さはどこも同じだ。
さて、キハ127系とキハ122系は2008年に入団。コモンレール燃料噴射システムを採用し、排出ガス、NOxを大幅に削減することが可能になり、地球環境に配慮している。本来、鉄道における地球環境の貢献には電車が適役なのだが、気動車が投入されたのは、姫新線の事情がある。
姫新線は姫路-上月(Kohzuki)間は昭和40年度(1965年度)の588萬2000人を境に利用客が減少しており、2005年度は242萬8000人に減少。これ以上の減少に歯止めをかけるため、2007年春に高速化が決まっているものの、先述したように播磨新宮-上月間の運行本数の少なさが影響したのか、電化は見送られた(佐用-上月間の運行本数はもっと少ない)。そのため、新型気動車、キハ127系とキハ122系を投入することになった。

高速化工事には兵庫県、姫路市、たつの市、佐用郡(Sayoh a County)佐用町(Sayoh Town)が協力し、合計で約80億円を出資することになっており、軌道強化の完成を待たず、キハ127系とキハ122系は2009年3月14日(土曜日)のダイヤ改正でデビュー。2010年春の予定でスピードアップをはかり、本領発揮かつ、姫路-上月間の真価が問われることになるだろう。姫新線のイメージアップを図るためか、車体側面にトンボのロゴが貼ってある。

JR西日本のローカル線で、赤い転換クロスシートを採用したのは125系が最初で、今回の姫新線新型気動車にも踏襲しているが、1人掛けと2人掛けにしたのは、通路幅を広げることによって、車椅子の利用客がスムーズに通れるようにするためである。これはJR東日本産の気動車でも採用されている。

車椅子スペースはトイレの向かい側にあり、2台分のスペースを確保しているようだ。223系2000番代に比べ、パネルヒーターは1つ増設しており、万全磐石の態勢を整えているようだが、不自然な光景を目にする。
これは以前から気になっているのだが、JR西日本は223系2000番代以降、車椅子スペースに荷棚を設けてはいるものの、座席部分よりも高い位置にある。JR西日本ではサービスの一環として、設けているというが、これでは身長180センチ以上の人でないと利用できない(車椅子スペースに荷棚があるのは、頭にぶつからないように配慮したため)。また、車端部は車椅子でも隣りの車両に移ることができるよう、傾斜の小さいスロープとなっており、少し盛り上がっている。
翌日、223系2000番代の新快速で坐れず、やむなく車椅子スペース付近で立っていたが、帰宅途中のサラリーマンは床にカバンを置いており、荷棚は役に立っていなかった。ちなみに首都圏では、車椅子スペースに荷棚は設置していない。車椅子を利用する人というのは、大きな荷物を持っていないことが多く、当然のことながら、荷物を持って乗るとしても、付き添いがいなければ荷棚に載せることが不可能であるからだ。

ロングシートは321系から続く、“消極的バケットタイプ”で、よく目をこらさないと見分けがつかないかもしれないが、窓上と戸袋部分に貼ってある席番シールでカバーしている。
話はそれるが、近年、京阪電気鉄道はバケットタイプのロングシートに積極的で、2代目3000系や9000系ロングシート改造車で採用。特に8000系(初代3000系の8000系30番代を除く)の車内リニューアルでは、車端部はバケットタイプを発展させたハイバックロングシートに改造して、「日本一豪華なロングシート」を目指すという。特急停車駅の増加に伴い、円滑な乗降が難しくなってきたということだが、果たして、ハイバックロングシートはどういうものなのか、実物を早く見たい気がする。
話を元に戻し、ロングシートと車椅子スペースは固定窓となっており、荷棚は221系に比べ、簡素なつくりで、照明にグローブがなかったのは意外だ。
播磨新宮でキハ122系の普通列車姫路行きワンマンカーと行き違う。1両の車内はほどよい乗車率である。
西栗栖で運転士は運転台うしろのカーテンを下ろし、発車すると、トンネルへ。勾配を登り、トンネルを抜けると、ゆるやかなカーブとなってゆく。 三日月でカーテンを上げ、その後は眠気を誘うほどの快走。座席定員が少ないゆえ、全区間立客が消えなかったのは残念だが、ディーゼルエンジン音は思ったほどうるさくなく、心地よい。

智頭急行智頭線に合流し、11時24分、終点佐用に到着。大半は2番のりばから、11時41分に発車する普通列車津山行きワンマン列車に乗り換えるが、キハ120系300番代1両のため、たぶん、姫路からずーっと立ち続けている利用客がいるのかもしれない。

折り返し、11時42分発の普通列車播磨新宮行きワンマンカー(2号車キハ127-1003)へ。ガラガラだったので、1人掛けの転換クロスシートでくつろぐ。1番のりばの外側では、PC枕木が山積みされており、高速化工事に向けて、準備が進められることになっている。ただ、沿線で警報機、遮断機のない踏切が多く、高速化においてはキッチリ整備してもらいたい。
◆キハ122系試乗

終点播磨新宮で普通列車姫路行きワンマンカー(キハ122-2)に乗り換えるが、なんと1両!! 車内は祝日なのに高校生が多く、12時24分に発車。木の枕木からPC枕木に変え、あわせてバラストも変えている。真新しい新線のような雰囲気だ。また、一部のホームもかさ上げ工事が行なわれており、車両とホームとの段差を解消させ、乗降しやすくする。軌道強化やホーム改良の完了後は、最高速度も85㎞/hから100㎞/hに引き上げる予定である。ちなみにキハ127系、キハ122系の最高速度は100㎞/hであるが、速度計は160㎞/hまで表示している。

本竜野でキハ122系の普通列車佐用行きワンマンカーと行き違う。乗車しているキハ122系の普通列車姫路行きワンマンカーは、大入り満員となり、太市を発車すると、運転士はあるフレーズの自動放送を流した。
「ドア付近が大変混雑しております。中ほどにお進みください」
余部でも多く乗り込み、キハ122系の普通列車本竜野行きワンマンカーと行き違い。ここで別の運転士1人が乗り込んできた。
たった1両でこんなに混んでいるようでは、2両基本にするか、4両に増結して、車掌を乗務させたほうがいいのだが、おそらく、新型気動車目当てに乗った人も多いのだろう。沿線の人々にとって、関心が高いのかもしれない。
播磨高岡でキハ122系の回送と行き違い。混雑のため、別の運転士が身を乗り出し、高校生は定期券を高々と見せて下車。13時01分、終点姫路3番のりばに到着した。

山陽本線6番のりばへまわり、新快速京都方面湖西線経由敦賀行き(3号車サハ223-2136:京都方面近江今津止まり)に乗り換え。隣りの7番のりばには特急〈はまかぜ3号〉浜坂行き(この日は香住-浜坂間、延長運転)が到着。進行方向を変えて播但線に入るが、12分停車し、13時17分に発車。一方、新快速京都方面湖西線経由敦賀行きは13時12分に発車。往路は神戸-加古川間、寝ていたので、目をこらす。

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岸田法眼のウソつき4択 powerd by けんてーごっこ
・2009年の汽車旅2-1
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◆コンパクトになったホーム配置
姫路の在来線ホームは2008年12月21日(日曜日)、残る姫新線、播但線の高架化が完了した。地平時代に比べると、広々としたものから、コンパクトになった印象を受ける。ホームは3面9線で、播但線は1・2番のりば、姫新線は3・4番のりばを1面に集約。2・3番のりばを行き止まりにすることによって、コンパクト化したのである。また、すべてのホームが電化されており、緊急時に電車が3・4番のりばにも止まれるようになっている。
地平時代の姫路在来線ホームは、風格のある大きな駅という印象があったが、播但線のホームがどこにあるのかわかりづらい面があった。高架化により、わかりやすくなったものの、地平時代に比べ、山陽本線のホームは削られており、国鉄時代に比べ、長距離列車の数が減っているのだ。そして、網干総合車両所の存在感が増したことにより、折り返す列車も少なくなったのかもしれない。高架化により、ホームが削られた分、加古川寄りに留置線を設けて対応している。地平の時代から留置線があったかどうかは記憶になく、日本の鉄道完全制覇を目指しているからなのか、“ガムシャラ”に乗っているせいかもしれない。
2番のりばには特急〈はまかぜ2号〉大阪行きが発車を待っている。姫路で進行方向が変わり、山陽本線、東海道本線を経て、大阪へ向かうが、姫路-大阪間の所要時間は、特急〈はまかぜ2号〉大阪行きは68分、新快速は最速60分。停車駅は新快速が多いものの、キハ181系は130㎞/h運転ができないせいか、特急券を払ったほうが損をする展開になっている。おそらく、姫路-大阪間に関しては、酔狂な人が乗るのだろう。車内はガラガラで、ディーゼルエンジンのニオイがプンプンする。そして、発車するときもディーゼルエンジンは、大きなうねりをあげた。ちなみに同じ気動車で運行する特急〈スーパーはくと〉は最速53分で、特急〈はまかぜ〉とは大差がつけられている。
JR西日本はキハ181系の老朽化により、2011年の予定で特急〈はまかぜ〉に新型気動車が投入されることになっているが、形式名は不明。できることなら、振子を装備して、大阪-姫路間は特急〈スーパーはくと〉に並結できるようにしたほうがいいだろう。これは特急〈はまかぜ〉の新型車両が3両1組であること、大阪-加古川間は旅客列車のほか、貨物列車も走るため、線路容量が過密になっている印象を受けるからである。
3・4番のりばから地平ホーム跡地を見下ろすが、ほとんどのホーム、線路、架線は撤去されており、今後は21世紀にふさわしい空間に整備されるのであろう。乗り換えの跨線橋が高架化工事に伴い、一部だけ撤去しており、哀れな姿であるが、最後の存在感をアピールしているようだった。
◆キハ127系試乗
姫新線4番のりばに9時26分発、普通列車本竜野行き(For Hon-Tatsuno)ワンマンカーが発車を待っており、キハ127系を初めて見る。フェイスは223系2000番代にそっくりだが、キハ121系やキハ126系と同様、「ワンマン」の文字がスクロールされている。223系2000番代のフェイスでは、貫通扉の上に種別幕があるものの、キハ127系とキハ122系は方向LEDで、快速が走らない限り、種別は表示されない模様。
車体側面はキハ121系やキハ126系と同様、大型の方向LEDとなっており、ワンマンの下に表示する「Conductorless Train」がスクロールされている。大型で見やすいものの、フルカラーLEDではない。JR西日本は最初の新型車両である221系から、一部の車両を除き、一貫して方向LEDを採用しているが、在来線に関しては、進化が見られず、退化もしていない。ようはJR西日本の基本に徹しているのだ。フルカラーLEDが普及しているので、“そろそろ種別幕もそうなるのではないか”と思っていたが、JR西日本のこだわりかつ、ブランドのようだ。ちなみにJR西日本がフルカラーLEDを採用している車両は、N700系3000番代である(おそらく、N700系7000番代もそうだろう)。
※キハ127系のドアチャイム
※普通列車本竜野行きワンマンカー発車!!
ドアチャイムはJR西日本標準と同じ音階だが、音色を柔らかなものに変えている。車内はほぼ満席の状態だったため、10時12分発の普通列車佐用行きワンマンカーまで、待つことにしよう。キハ127系が動き出すと、先ほどのキハ181系に比べ、ディーゼルエンジン音は静かだし、ツーンとしたニオイもしない。
意外なことに入線時間が待つにつれ、長蛇の列となる。姫新線の兵庫県側は姫路-播磨新宮間の運行が多く、そこから先は少ないからだ。
普通列車佐用行きワンマンカー(For Sayo.1号車キハ127-3)が入線。2両の車内は相当乗っており、ラッシュさながら。ここは3ドアにしてもよかったのではないかと思う。また、セミクロスシートを採用しているが、転換クロスシートは2人掛けと1人掛けで、座席定員が少ないのが難点だ。以前は国鉄産の気動車を使用し、座席定員も多かっただけに、沿線利用客の反応が気になるところ。
10時12分に発車。高架を下り、地平へ。車内は観光客が多いようだ。座席数が減少した影響で、早くも立客が発生している。
※画像は復路の列車で撮影
余部でキハ127系の普通列車姫路行きワンマンカーと行き違い、10時24分に発車すると、進行方向右側には姫路鉄道部があり、そこを通る。キハ40系、キハ47系といった国鉄産気動車が在籍しているものの、ダイヤ改正で出番が激減したという。そのため、山陰地方へコンバートされた車両も発生している。
太市(Ohichi)を発車すると、トンネルを通り、勾配に突入。沿線には中国自動車道があり、姫新線にとっては、手ごわい存在だ。
本竜野で若干降り、キハ127系の普通列車姫路行きワンマンカーと行き違う。座席定員が少ないせいか、1号車の乗務員室寄りでは、女子高生なのか、若い女が床に坐っていた。マナーの悪さはどこも同じだ。
普通列車佐用行きワンマンカー編成表 | ||||||
普通列車播磨新宮行き編成表 | ||||||
乗車区間 | 号車 | 車両番号 | 禁煙 | 備考 | ||
往路 | 復路 | |||||
佐用 | 佐用 | 1 | キハ127- | 3 | ○ | 佐用行きで乗車 |
姫路 | 播磨新宮 | 2 | キハ127- | 1003 | ○ | 播磨新宮行きで乗車 |
さて、キハ127系とキハ122系は2008年に入団。コモンレール燃料噴射システムを採用し、排出ガス、NOxを大幅に削減することが可能になり、地球環境に配慮している。本来、鉄道における地球環境の貢献には電車が適役なのだが、気動車が投入されたのは、姫新線の事情がある。
姫新線は姫路-上月(Kohzuki)間は昭和40年度(1965年度)の588萬2000人を境に利用客が減少しており、2005年度は242萬8000人に減少。これ以上の減少に歯止めをかけるため、2007年春に高速化が決まっているものの、先述したように播磨新宮-上月間の運行本数の少なさが影響したのか、電化は見送られた(佐用-上月間の運行本数はもっと少ない)。そのため、新型気動車、キハ127系とキハ122系を投入することになった。
高速化工事には兵庫県、姫路市、たつの市、佐用郡(Sayoh a County)佐用町(Sayoh Town)が協力し、合計で約80億円を出資することになっており、軌道強化の完成を待たず、キハ127系とキハ122系は2009年3月14日(土曜日)のダイヤ改正でデビュー。2010年春の予定でスピードアップをはかり、本領発揮かつ、姫路-上月間の真価が問われることになるだろう。姫新線のイメージアップを図るためか、車体側面にトンボのロゴが貼ってある。
JR西日本のローカル線で、赤い転換クロスシートを採用したのは125系が最初で、今回の姫新線新型気動車にも踏襲しているが、1人掛けと2人掛けにしたのは、通路幅を広げることによって、車椅子の利用客がスムーズに通れるようにするためである。これはJR東日本産の気動車でも採用されている。
車椅子スペースはトイレの向かい側にあり、2台分のスペースを確保しているようだ。223系2000番代に比べ、パネルヒーターは1つ増設しており、万全磐石の態勢を整えているようだが、不自然な光景を目にする。
これは以前から気になっているのだが、JR西日本は223系2000番代以降、車椅子スペースに荷棚を設けてはいるものの、座席部分よりも高い位置にある。JR西日本ではサービスの一環として、設けているというが、これでは身長180センチ以上の人でないと利用できない(車椅子スペースに荷棚があるのは、頭にぶつからないように配慮したため)。また、車端部は車椅子でも隣りの車両に移ることができるよう、傾斜の小さいスロープとなっており、少し盛り上がっている。
翌日、223系2000番代の新快速で坐れず、やむなく車椅子スペース付近で立っていたが、帰宅途中のサラリーマンは床にカバンを置いており、荷棚は役に立っていなかった。ちなみに首都圏では、車椅子スペースに荷棚は設置していない。車椅子を利用する人というのは、大きな荷物を持っていないことが多く、当然のことながら、荷物を持って乗るとしても、付き添いがいなければ荷棚に載せることが不可能であるからだ。
ロングシートは321系から続く、“消極的バケットタイプ”で、よく目をこらさないと見分けがつかないかもしれないが、窓上と戸袋部分に貼ってある席番シールでカバーしている。
話はそれるが、近年、京阪電気鉄道はバケットタイプのロングシートに積極的で、2代目3000系や9000系ロングシート改造車で採用。特に8000系(初代3000系の8000系30番代を除く)の車内リニューアルでは、車端部はバケットタイプを発展させたハイバックロングシートに改造して、「日本一豪華なロングシート」を目指すという。特急停車駅の増加に伴い、円滑な乗降が難しくなってきたということだが、果たして、ハイバックロングシートはどういうものなのか、実物を早く見たい気がする。
話を元に戻し、ロングシートと車椅子スペースは固定窓となっており、荷棚は221系に比べ、簡素なつくりで、照明にグローブがなかったのは意外だ。
播磨新宮でキハ122系の普通列車姫路行きワンマンカーと行き違う。1両の車内はほどよい乗車率である。
西栗栖で運転士は運転台うしろのカーテンを下ろし、発車すると、トンネルへ。勾配を登り、トンネルを抜けると、ゆるやかなカーブとなってゆく。 三日月でカーテンを上げ、その後は眠気を誘うほどの快走。座席定員が少ないゆえ、全区間立客が消えなかったのは残念だが、ディーゼルエンジン音は思ったほどうるさくなく、心地よい。
智頭急行智頭線に合流し、11時24分、終点佐用に到着。大半は2番のりばから、11時41分に発車する普通列車津山行きワンマン列車に乗り換えるが、キハ120系300番代1両のため、たぶん、姫路からずーっと立ち続けている利用客がいるのかもしれない。
折り返し、11時42分発の普通列車播磨新宮行きワンマンカー(2号車キハ127-1003)へ。ガラガラだったので、1人掛けの転換クロスシートでくつろぐ。1番のりばの外側では、PC枕木が山積みされており、高速化工事に向けて、準備が進められることになっている。ただ、沿線で警報機、遮断機のない踏切が多く、高速化においてはキッチリ整備してもらいたい。
◆キハ122系試乗
終点播磨新宮で普通列車姫路行きワンマンカー(キハ122-2)に乗り換えるが、なんと1両!! 車内は祝日なのに高校生が多く、12時24分に発車。木の枕木からPC枕木に変え、あわせてバラストも変えている。真新しい新線のような雰囲気だ。また、一部のホームもかさ上げ工事が行なわれており、車両とホームとの段差を解消させ、乗降しやすくする。軌道強化やホーム改良の完了後は、最高速度も85㎞/hから100㎞/hに引き上げる予定である。ちなみにキハ127系、キハ122系の最高速度は100㎞/hであるが、速度計は160㎞/hまで表示している。
本竜野でキハ122系の普通列車佐用行きワンマンカーと行き違う。乗車しているキハ122系の普通列車姫路行きワンマンカーは、大入り満員となり、太市を発車すると、運転士はあるフレーズの自動放送を流した。
「ドア付近が大変混雑しております。中ほどにお進みください」
余部でも多く乗り込み、キハ122系の普通列車本竜野行きワンマンカーと行き違い。ここで別の運転士1人が乗り込んできた。
普通列車姫路行きワンマンカー編成表 | |||||
乗車区間 | 号車 | 車両番号 | 禁煙 | 備考 | |
播磨新宮→姫路 | 1 | キハ122- | 2 | ○ | なし |
たった1両でこんなに混んでいるようでは、2両基本にするか、4両に増結して、車掌を乗務させたほうがいいのだが、おそらく、新型気動車目当てに乗った人も多いのだろう。沿線の人々にとって、関心が高いのかもしれない。
播磨高岡でキハ122系の回送と行き違い。混雑のため、別の運転士が身を乗り出し、高校生は定期券を高々と見せて下車。13時01分、終点姫路3番のりばに到着した。
山陽本線6番のりばへまわり、新快速京都方面湖西線経由敦賀行き(3号車サハ223-2136:京都方面近江今津止まり)に乗り換え。隣りの7番のりばには特急〈はまかぜ3号〉浜坂行き(この日は香住-浜坂間、延長運転)が到着。進行方向を変えて播但線に入るが、12分停車し、13時17分に発車。一方、新快速京都方面湖西線経由敦賀行きは13時12分に発車。往路は神戸-加古川間、寝ていたので、目をこらす。
新快速京都方面湖西線経由敦賀行き編成表 | |||||
乗車区間 | 号車 | 車両番号 | 禁煙 | 備考 | |
三ノ宮 | 8 | クモハ223- | 2103 | ○ | なし |
7 | サ ハ223- | 2221 | ○ | なし | |
6 | モ ハ223- | 2192 | ○ | なし | |
5 | ク ハ222- | 2103 | ○ | 弱冷車 | |
4 | クモハ223- | 2058 | ○ | 京都方面近江今津止まり | |
3 | サ ハ223- | 2136 | ○ | 京都方面近江今津止まり | |
2 | モ ハ223- | 2153 | ○ | 京都方面近江今津止まり | |
姫路 | 1 | ク ハ222- | 2058 | ○ | 京都方面近江今津止まり、弱冷車 |
神戸で東海道本線に戻り、13時52分、三ノ宮1番のりばに到着。ここで下車し、昼食をとることにしよう。
★備考
①今回の動画はこちらにクリック!!
②UZ's View「春の姫路駅にて(1)キハ122系デビュー」はこちらにクリック!!
③UZ's View「春の姫路駅にて(2)播但線ホームにて」はこちらにクリック!!
④UZ's View「春の姫路駅にて(Fin)一新された駅構内にて」はこちらにクリック!!
⑤MAKIKYUのページ「JR西日本 キハ127・122形気動車~姫新線で走り始めた新型気動車」はこちらにクリック!!
⑥小倉沙耶のやわやわ日和「久々の再会」はこちらにクリック!!
⑦神戸新聞「JR姫新線、高速化事業が本格化」はこちらにクリック!!
⑧参考文献として、鉄道ジャーナル社刊行、『鉄道ジャーナル2009年1月号』を使用。
⑨岸田法眼のRailway Blog.「2005年の汽車旅4-1」はこちらにクリック!!
⑩岸田法眼のRailway Blog.「2005年の汽車旅4-2」はこちらにクリック!!
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