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寝台特急〈はくつる〉リターンズ [プラットホーム2009]

2009年11月6日(金曜日)20時08分頃、JR東日本上野へ。“東北本線の始発駅”を印象づける地平ホームの13番線は、にぎわっている。ちなみに東北本線の起点は御存知の方も多いと思うが、東京である。  

13番線には、E231系近郊形タイプの普通電車宇都宮行きが発車を待っており、車内の整備、点検を終え、ドアが開くと長い列は一気に車内へ吸い込まれてゆくかのように乗り込んでゆく。時刻は20時10分を過ぎたが、東北本線はダイヤが乱れており、発車したのは20時13分だった。  

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普通電車宇都宮行き発車後、行先案内表示器は「団体列車 寝台特急 はくつる 20:45」に変わり、レールファンは一斉にシャッターを切る。昔はフラッシュがビジバシと光っていたが、デジカメになると夜でも、ありのままに写るので、セッティングする必要がなくなった。ちなみに発車時刻は当初、20時45分を表示していたが、のちに20時44分の誤りであることが判明し、駅員はお詫びの放送を流していた。  

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駅員は臨時寝台特急〈はくつる〉青森行きの入線時刻は、20時29分と案内。先頭車となる位置では、エクセルっぽい特製の停止位置をぶら下げる。一夜限りの復活運行は、電気機関車1両、電源車1両、2段式B寝台6両と短く、寝台特急〈あけぼの〉〈北陸〉とは停止位置が異なるためだ。  

電気機関車の停止位置周辺では、おなじみのグリーンロープを張り、警護にあたる。私はグリーンロープが張っていないところで入線を待つことにしよう。フイルムの一眼レフカメラやコンデジであれば、車止めあたりで待っていたかもしれない。

「まもなく、13番線に、回送列車が、まいります。あぶないですから、黄色い線の、内側に、お下がりください。この列車は、折り返し、団体列車となります」

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13番線に放送が入り、入線するまで、ずいぶん時間はかかったが、臨時寝台特急〈はくつる〉青森行きが入線。尾久車両センターから上野までは推進運転のため、1号車の貫通扉が開き、テールランプの下に取りつけたカンテラの白い光がヘッドライトの代わりを務め、車掌2人が目視している。  

臨時寝台特急〈はくつる〉青森行きは、晩年と同じブルートレインの運行で、24系25形と電源車は金帯、24系24形は白帯の混結で、指定席ゴロンとシート、A寝台個室シングルDXは連結されていない。編成は若干短いけど、晩年の姿をできる限り、再現している。ちなみに金帯のブルートレインは、寝台特急〈北斗星〉用の引き戸ではなく、折戸で寝台特急〈あさかぜ1・4号〉〈出雲1・4号〉で使われていたものだ。寝台特急〈出雲〉運行終了後、金帯折戸の24系25形は残っていたのである。

一夜限りの復活運行は、市販の時刻表に掲載されない団体列車扱いとなった。これはJR東日本の旅行代理店、『びゅう』のえきネット予約限定のツアー商品で、乗車区間は上野-旭川間。おひとり様でも参加できる。料金は大人34000円、子供22000円で、往路のみの料金で、復路のルートは“お客様御負担”となる。おそらく、新千歳空港からヒコーキに乗って、帰宅されることを想定しているのだろう。

上野-青森館は臨時寝台特急〈はくつる〉、青森-函館間は特急〈白鳥41号〉、函館-旭川間は臨時特急〈北海〉の利用となり、プレスリリースでは、このツアーのゴールとなる旭川は18時00分頃の到着予定となっている。

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さて、電気機関車を撮影しようとするものの、もみくちゃ。特に発車まで15分しかないというのに、長時間居続けるレールファンがいて、困ったものである。

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寝台特急〈はくつる〉は昭和39年(1964年)10月1日(木曜日)に誕生。当時は20系客車を使用していたが、昭和43年(1968年)10月1日(火曜日)のダイヤ改正で、583系に変更。一時期、2往復で運行されていた。

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平成6年(1994年)12月3日(土曜日)のダイヤ改正で、26年ぶりにブルートレインへ衣替えをした。寝台特急〈あけぼの〉との格差をなくすためか、A寝台個室シングルDXを連結しているが、寝台特急〈あさかぜ1・4号〉から転用したものだった。583系は臨時便で引き続き使用されたが、2002年12月1日(日曜日)、東北新幹線八戸延伸に伴い、38年の歴史に幕を閉じた。乗車率は堅調だったようだが、盛岡-八戸間が第3セクター鉄道2社(IGRいわて銀河鉄道、青い森鉄道)に転換されることが決まっていたため、運行上のネックになったのかもしれない。

個人的なことだが、ブルートレインの寝台特急〈はくつる〉には違和感があり、なじめなかった。583系のイメージが強いせいか、2002年11月30日(土曜日)、私は最終便を見送らなかった。今回はプレスリリースをよく見ていなかったため、“583系なのかな?”と思いつつ、上野へ行ったわけだが、ブルートレインだった。それでも、7年ぶりに会えたことにカンゲキしている。  

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電気機関車の撮影を終えると、行先案内表示器は「団体列車 寝台特急 はくつる 20:44」に修正され、1号車へ。パッパッとスンナリ撮れたが、発車時刻が近づいた。

昔ながらの発車ベルが鳴り終え、ドアは閉まっても、すぐには発車しない。車掌は電気機関車の運転士に無線で連絡して、安全を確認したあと、ボリュームを最大最強にして汽笛を鳴らし、旅立った。牽引機のEF81形は、EF510形に置き換えられることが決まっているため、もう1度復活する機会があれば、違った雰囲気で、北の夜空に輝きを見せるだろう。  

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ほどなくして、13番線に寝台特急〈あけぼの〉青森行きが入線。発車時刻まで30分あるせいか、こちらは思い通りのカットで撮影することができた。東北新幹線全通時は存続するか、消えてしまうのかが気になる列車である。


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21時15分、寝台特急〈あけぼの〉青森行きが発車。次の13番線は寝台特急〈北陸〉金沢行きだが、発車時刻は23時03分。さすがに多くのレールファンはそこまで待てず、13番線に別れを告げた。  

余談だが、寝台特急〈はくつる〉が消えた2002年と、一夜限りの復活を果たした2009年は、奇しくも巨人は日本一に輝いている。

★備考

①動画はサイトの閉鎖に伴い公開を終了しています。

鉄道ニュース「リバイバル“はくつる”使用車両が回送される」 

岸田法眼のRailway Blog.「暴れん坊583系2002Ⅳ(上野ハロープロジェクト第4弾、寝台特急〈はくつる〉フォーエヴァー)」

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コメント 4

しまどっち

あー はくつるが来てたんですね。
はくつる来てたの知らなくてのんびりあけぼのの出発までの時間
新幹線撮ってました。。。。
by しまどっち (2009-11-08 12:46) 

下総弾正くま

「はくつる」のトレインマーク、よく見るとちょっとかわいいかも…^^;

東北新幹線全通、さらには新幹線の北海道延伸後、夜行列車がどうなるのか非常に気がかりです。
個人的に「はまなす」の今後も気になります…。
by 下総弾正くま (2009-11-08 18:40) 

岸田法眼

しまどっちさん、どうもありがとうございます。
 
私はあるサイトで知ったのですが、時刻表に掲載しているわけではないので、知らない方も多かったと思います。JR東日本の新幹線も乗りたいし、撮りたいですね。
by 岸田法眼 (2009-11-08 19:11) 

岸田法眼

下総弾正くまさん、どうもありがとうございます。

鶴の目は、某社のペリカン便っぽいデザインだと思います。

夜行列車は暗い話題ばかり続いておりますが、〈あけぼの〉〈日本海〉は永年運行してほしいところです。北海道新幹線ができると、〈はまなす〉は函館発着になるかもしれませんが、車両をキハ183系500番代に置き換えてもいいように思います。青森-函館間はED79が牽引すれば、すぐにでも可能ですから。あとは2段式B寝台を気動車対応改造するかどうかですね。
by 岸田法眼 (2009-11-08 19:12) 

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