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特急〈北近畿〉フォーエヴァー [鉄道評論]

2010年10月20日(水曜日)、JR西日本とJR九州は新大阪―鹿児島中央間の最速列車を〈みずほ〉に決めた。鉄道に興味のない方は“銀行を連想する”と違和感を持っている様子で、レールファンだと賛否両論である。  

〈みずほ〉が話題になっている中、JR西日本の社長定例会見で、衝撃を受ける項目があった。

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それは2011年春に287系を投入するが、その際、現行の特急〈北近畿〉を「特急〈こうのとり〉」に改称するということだ。これにより、特急〈北近畿〉は25年の歴史に幕を閉じることになる。  

特急〈北近畿〉は、新大阪・大阪―城崎(現・城崎温泉)間を結ぶ「エル特急」として、昭和61年(1986年)11月1日(土曜日)に誕生した。これは福知山線宝塚―福知山間、山陰本線福知山―城崎間の電化完成に伴い、特急〈まつかぜ〉と急行〈丹波〉を集約したものである。当時は国鉄末期で、車両は各地からかき集めた485系でしのぐしかなかった(四国と北海道は新型特急気動車を投入し、新風を吹かせていた)。また、グリーン車が連結されていなかったが、同年11月22日(土曜日)から順次、1号車を半室グリーン車に差し替え、分割民営化までに完了した。  

分割民営化でJR西日本に引き継がれたが、城崎以西へ向かう乗客にとっては、乗り換えの手間が生じるため、急行形気動車改造による特急〈エーデル鳥取〉〈エーデル北近畿〉が運行されたことがある。この特急の前面スタイルは、臨時特急〈エーデル丹後〉を継承し、中間車を加えたものである。先述したように急行形気動車の改造だが、車内は特急なみにグレードアップされた。  

平成2年(1990年)7月に交流機器を撤去した直流電車化改造車が登場し、183系800・850番代に形式名が変更された。まさかの“183系編入”となったわけだが、その後、山陰本線園部―福知山間の電化もあり、編入車を増やしている。また、2010年3月13日(土曜日)のダイヤ改正で、「エル特急」から「特急」に変更されている。

平成8年(1996年)3月16日(土曜日)に絵入りヘッドマークが現在のタイプに変更され、和を基調にしたかのような雰囲気になった。初代の絵入りヘッドマークは、コウノトリが描かれており、実は〈こうのとり〉も候補にあがっていたという。このため、特急〈こうのとり〉に改称されるのは、運命だったのかもしれない。

JR西日本は愛称変更の理由として、地元からの強い要望があり、コウノトリに対する想いに共感したからだという。287系のボディーカラーのイラストを見ると、コウノトリを意識したようなホワイトが印象に残るので、特急〈北近畿〉よりも特急〈こうのとり〉のほうがピッタリだと思う。

コウノトリは絶滅危惧種とされており、これはトキと共通する。一時期、上越新幹線で〈とき〉〈Maxとき〉が消えていたが、〈あさひ〉と〈あさま〉が混同し、乗り間違える乗客があとをたたないことから、“奇跡の復活”を果たしている。

〈こうのとり〉が列車の愛称として走るのは初めてだが、末永く愛される列車であることを願ってやまない。

★備考

①JR西日本プレスリリース「10月定例社長会見(2010年)」

②参考資料として、鉄道ジャーナル社刊行、『鉄道ジャーナル1987年1月号』を使用。

③参考資料として、デアゴスティーニ・ジャパン刊行、『週刊鉄道データファイル298号』を使用(恥ずかしながら、私が執筆した記事です)。

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コメント 2

サットン

北近畿、消滅ですか。当時の観光キャンペーンに合わせて選定されたと記憶していますが、素っ気ない、音が悪いと不評でした。今までよく続いたものだと思います。
新車、新名称の導入で心機一転巻き返しを図って欲しいと思います。
by サットン (2010-10-25 13:56) 

岸田法眼

サットンさん、どうもありがとうございます。

〈北近畿〉は国鉄最後の“新登場特急”でしたが、地方(地域)が明確な〈丹波〉のほうがなじみやすかったかもしれません。もし、特急〈南近畿〉があったら、〈くろしお〉は存在しなかったでしょう。

287系投入で快適になるのでしょうが、1年前に山陰本線に乗ったとき、レールの継ぎ目で不快な揺れを体験しました。軌道強化されていれば、“いい旅”になるでしょう。
by 岸田法眼 (2010-10-25 23:47) 

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