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とうきょうスカイツリー駅 [鉄道評論]

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2010年12月27日(月曜日)、東武鉄道(以下、「東武」)は2012年春に伊勢崎線(以下、「東武線」)業平橋駅を「とうきょうスカイツリー駅」に改称することを発表した。  

業平橋駅は明治35年(1902年)4月1日(火曜日)に誕生。当時は「吾妻橋」という駅名だった。同日、北千住―吾妻橋間が延伸し、東武は路線網の発展途上にあった(当時の東武は、吾妻橋―加須間のみ)。  

明治37年(1904年)4月5日(火曜日)、亀戸―曳舟間が開業。同日に開業した総武鉄道(現・JR東日本総武本線)両国橋(現・両国)へ乗り入れた。吾妻橋―曳舟間は当初から“支線”という位置づけだったため、同区間はわずか2年で役目を終えてしまう。ちなみに吾妻橋は当初、「小梅」という駅名にする予定だった。  

ところが明治39年(1906年)に私設鉄道の国有化が公布され、総武鉄道はその対象になる。国有化されると両国橋―亀戸間の直通運転ができない事態になってしまうので、東武はあせったことだろう。ただ、国有化されても亀戸で乗り換えはできるので、そこを基点にしても問題ないように思えたが、のちに東武は別の道を開拓することになる。ちなみに「日本国有鉄道」というのは、世に言う「国鉄」である。  

明治41年(1908年)3月1日(日曜日)、吾妻橋―曳舟間は貨物線として奇跡的に復活。明治43年(1910年)3月1日(火曜日)に吾妻橋は初代「浅草」に改称。同年3月27日(日曜日)に旅客列車が6年ぶりに姿を見せた。それと同時に両国橋―亀戸間の直通運転を取りやめた。  

その後、初代の浅草は旅客、貨物とも充実。特に貨物輸送は、北十間川に通じるドックを新設し、その面積は1600坪。鉄道貨物と舟運の連携をはかった。  

昭和6年(1931年)5月25日(月曜日)、旅客路線は隅田川を渡り、浅草雷門(現・2代目「浅草」)へ延びた。これにより、初代の「浅草」は現在の「業平橋」に改称された。業平橋改称後は貨物列車の発展が続くものの、優等列車は通過する憂き目にあう。  

昭和36年(1961年)度に貨物輸送はピークを迎えたが、その後は減少し、平成2年(1990年)9月25日(火曜日)、一部の貨物線とホッパーを撤去した地平の臨時旅客ホームが誕生。これにより、準急(現・区間急行)の10両運転は曳舟から業平橋まで延びた。また、東京都交通局都営浅草線、京成電鉄(以下、「京成」)押上線〔押上駅〕の連絡通路を新設し、乗換駅とした。  

2003年3月19日(水曜日)、業平橋―曳舟間の複々線と位置づけられる押上―曳舟間(イーハー東武)が誕生。同日、帝都高速度交通営団(現・東京地下鉄。通称、「東京メトロ」)半蔵門線水天宮前―押上間が延伸したことにより、同線と東京急行電鉄(通称、「東急」)田園都市線は相互直通運転を開始。業平橋臨時ホームと押上駅へ連絡通路は13年の歴史に幕を閉じた。その後は“跡地”となり、東京スカイツリータウン(東京スカイツリー、東京ソラマチ、東京スカイツリーイーストタワーの総称)を建設中である。  

さて、Twitterやブログでは、駅名改称に戸惑いと批判の書き込みが多い。駅名改称はいいとしても「とうきょう」という文字に疑問を持つ人もいる。東武は「東京駅」や「東京テレポート駅」との区別や親しみやすさを考えて、ひらがなにしたという。個人的なことだが、今までひらがなの「とうきょう」に親しみやすさを感じたことはなく、漢字の「東京」がしっくりいく。駅名を改称するのであれば、「東京スカイツリー前」や「東京スカイツリータウン前」にしたほうがよかったのではないだろうか。  

個人的なことだが、関東と関西では“ひらがな駅”に対する意識が異なるような気がする。  

大阪市交通局の場合、「なんば」、「あびこ」、「なかもず」という“ひらがな駅”がある(「なんば」は南海電気鉄道も使用)。いずれも正式な駅名は漢字(「難波」、「我孫子」、「中百舌鳥」)だが、案内上はひらがなにして、わかりやすくしているし、“大阪らしさ”というものを感じる。 「あびこ」の場合、JR東日本常磐線、成田線に「我孫子」という駅があるため、瞬時に見分けがつく。NAKAMOZUの場合も“「なかもず」は御堂筋線、「中百舌鳥」は南海電気鉄道、大阪府都市開発(泉北高速鉄道)”と、こちらも瞬時に見分けがつく。

近畿日本鉄道(通称、「近鉄」)、阪神電気鉄道(以下、「阪神」)、JR西日本は漢字にこだわり、「難波」を使っているが、利用客は戸惑いもなく受け入れられているようだ(注、近鉄と阪神は「大阪難波」、JR西日本は「JR難波」)。ちなみに、JR西日本のJR難波はかつて、「湊町」という駅名だった。

関西では“ひらがな駅”が好意的に受け入れられているのに対し、今回の「とうきょう」は、その逆というふうにとらえていいのかもしれない。小学校高学年以上は、「東京」という字が読めることもあるが。

本題に戻り、東武が「とうきょうスカイツリー」に改称する背景には、先述した押上をかなり意識しているように思う。鉄道アクセスに関しては、押上のほうが有利だからだ。特に都営浅草線は、京成や京浜急行電鉄と相互直通運転を行なっており、成田国際空港、東京国際空港の駅からダイレクトで東京スカイツリーに行ける電車があるため、外国人観光客や帰国した日本人にとっては格段に便利なルートである。

東武の場合、JR東日本は常磐線、武蔵野線、両毛線、総武本線など、首都圏新都市鉄道常磐新線(通称、「つくばエクスプレス」)、わたらせ高原鐵道の沿線にそれぞれお住まいの方だと、どこかの駅で東武線を利用することになる。しかし、現状では難点がある。

1つ目は、常磐線は東武線乗換駅の北千住に特急が停まらないこと。水戸方面だと、普通電車(取手から快速)上野行きに延々乗るか、特急〈フレッシュひたち〉を利用して柏で快速上野行きに乗り換えるかになる。特急〈スーパーひたち〉は水戸―上野間ノンストップが原則のため、“遠回り”になってしまう。2012年春のダイヤ改正で、常磐線特急が北千住停車にするか注目してみたい。

2つ目は、業平橋に停まる電車は各駅停車、区間準急、区間急行だけで、特急、快速、区間快速は通過する。ちなみに、押上はすべての電車が停まる。

3つ目は、東武線の半蔵門線直通電車で、なにかアクシデントが発生すると、イーハー東武が“封鎖”されてしまい、押上―北千住間は運休となってしまう。東京スカイツリータウンがグランドオープンすると、観光客などで日中時間帯でも混雑が予想される。混雑緩和をするためには、押上と業平橋改め、とうきょうスカイツリーで“分散”したほうが得策である。したがって、イーハー東武を封鎖しないよう、アクシデントが発生した場合、押上は1・4番線で折り返せるようにしたい。  

2011年3月12日(土曜日)のJR西日本ダイヤ改正では、『OSAKA STATION CITY』を意識してか、快速電車を増発させるが、東武は東京スカイツリータウンに向けて、どういうダイヤにするか注目だ。もし、特急が81年ぶりに停車するとなると、回送等以外の電車はすべて停まるだろう。

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気になるのは、快速や区間快速に使われる2ドアの6050系。一部完全新製車があるものの、大半は6000系の機器を流用した車体更新車であるため、取替えの時期が来てもおかしくないと思う。ここはJR産近郊形電車に準じた3ドア転換クロスシートの車両を投入して、遅延防止と快適性向上が両立できるものがいい。

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駅名改称に若干の疑問があるものの、駅も大規模なリニューアルをする。東京スカイツリータウンとともに、新しい駅の姿も楽しみにしたい。

★備考

参考資料として、電気車研究会刊行、『鉄道ピクトリアル2008年1月臨時増刊号』を使用。

★おまけ

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