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銚子電気鉄道総集編 [汽車旅2013番外編]

■2003年3月16日(日曜日)

JR東日本総武本線の各駅停車終点銚子に到着。降りたホームをまっすぐ進み、銚子電気鉄道銚子電気鉄道線に乗り換える。同一ホームでラクだ。乗り換え客の中には、飯田橋―銚子間を精算するSuica定期券の女性がいた。

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外川行きワンマン電車(For Tokawa.デハ801:レトロ風電車。1950年製)へ。私は精算係に往復割引540円の乗車券を購入。

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犬吠で大量下車し、終点外川に到着。全線完乗達成!! 手作り広告とドコモの貼りつけパンフレットが印象に残った。

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外川を下車し、漁港に足を向けると、“ここは千葉県なのか?!”と衝撃を受けた。

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外川に戻り、銚子行きワンマン電車(1002:1959年製)に乗り、終点に到着すると、JR東日本総武本線都賀で人身事故の知らせが入った。

■2011年1月1日(土曜日・元旦)

◆8年ぶりの銚子電気鉄道乗車

JR東日本の臨時快速〈銚子初日の出〉銚子行きは、4時16分に千葉を発車。成田山新勝寺への初詣下車客は少なく、ここからは佐原のみ停車。成田空港支線の分岐点で単線になり、終点銚子まで仮眠をとることにする。

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松岸で再び総武本線に入り、5時28分、終点銚子3番線に到着。大半はその先にある銚子電気鉄道(路線名は「銚子電気鉄道線」)に乗り換える。

銚子電気鉄道は大晦日から元旦にかけて、終電の繰り下げと初電の繰り上げが行なわれているが、この時間帯は終点外川の1つ手前、犬吠で折り返している。千葉県銚子市の場合、初日の出スポットは犬吠崎が1番人気のようである。

2・3番線の先に、オランダの風車小屋をイメージしたメルヘンチックな銚子電気鉄道の駅舎があり、手前には簡易Suica改札機を備えている。オシャレな駅舎は残念ながら老朽化しており、羽根を撤去していた。

ローカル線のたたずまいで、田舎を感じる銚子だが、JR東日本の駅舎には自動改札機が設置されており、Suicaに対応している。これに伴い、房総各線の東京近郊区間が拡大され、東京―銚子間の乗車券は2日間有効だったのが、1日のみに変更された。2日間以上有効の乗車券は、“旅”を感じさせるアイテムなのだが……

銚子電気鉄道の駅舎で乗車券を購入。弧廻手形(1日乗車券、620円)にしようか悩んだ末、あえて普通乗車券にした。

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5時40分、臨時各駅停車犬吠行きワンマン電車(2502)が入線。2009年12月に伊予鉄道から移籍した2000系である(伊予鉄道時代は800形だった)。この車両はワンマン改造や整備を受け、2010年7月24日(土曜日)に“再々デビュー”した。この車両は京王帝都電鉄(現・京王電鉄)2010系からスタートし、半世紀近く生きており、大ベテランの域に到達しようとしている。銚子電気鉄道は単行車両が多い中、2両固定編成は目立つ存在で、早くも“エース”になった模様である。

新戦力2000系を投入するきっかけは、2002年に行なわれた国土交通省の安全性緊急評価だった。その際、デハ700形、デハ800形の老朽化が進んでおり、国土交通省の目に留まってしまった。

指摘を受けた銚子電気鉄道は、ただちに車両の取替えを決めたものの、完全新製車が投入できる状況ではなく、直流架線は600ボルトという珍しい存在も重なり、難航してしまう。直流架線の多くは1500ボルトが“普通”という時代になっていたからだ。もし、直流架線を1500ボルトに昇圧すると、すべての車両を取り替えなければならず、多額の費用を覚悟しなければならない。ちなみに、和歌山電鐵貴志川線も直流600ボルトだが、南海電気鉄道時代に自前の22000系を車体更新及び、複電圧改造を受け、2270系に形式変更されている。当時は将来の直流1500ボルト昇圧を想定していたのだろう。

話を元に戻すが、2006年11月15日(水曜日)、銚子電気鉄道は電車の修理代がないことを自社ホームページ上で告白し、ぬれ煎餅の購入を呼びかけた。この衝撃の告白が人々の心を動かし、ぬれ煎餅はメール注文者が殺到。電車も満員御礼になった。これにより、修理費用などを捻出することができたが、告白した同年夏に前社長の横領容疑があり、金融機関から白い目で見られるようになる。また、枕木や踏切など、安全性に問題があるとして、国土交通省から業務改善命令が出されるなど、存続が厳しい状況に追い込まれた。

そんな中、2007年1月14日(日曜日)に銚子電鉄サポーターズが誕生。当時、千葉ロッテマリーンズの守護神で、“幕張の防波堤”と呼ばれた小林雅英投手も銚子電鉄サポーターズに入った。サポーターらのカンパにより、安全性の問題を克服。2008年5月26日(月曜日)に活動休止を発表した。

2009年、新戦力車両は伊予鉄道800形の移籍で決まったが、導入にあたり、付帯工事費を含めて1億4000万円程度かかることになった。しかし、金融機関に融資を申し込んでも断られるところがあり、銚子電気鉄道を応援する人々が増えても、事件の傷跡は想像以上に大きかった。

そこで、車両導入工事費用の一部を債券化。車両支援オーナー募集(一口10万円)と、愛称命名権売却をすることになった。

こうして、多くの支援者により、伊予鉄道800形は予定通り銚子市に上陸し、2000系として沿線やレールファンから大歓迎を受けた。

◆終点1つ手前の駅で下車

8両編成の臨時快速〈銚子初日の出〉から、2両編成の臨時各駅停車犬吠行きワンマン電車に乗り換えるが、当然の如く、車内は首都圏なみの大入り満員御礼。JR東日本の駅員も応援に入り、より安全な発車に努めている。

積み残しが発生し、5時49分に発車。次の臨時各駅停車犬吠行きワンマン電車は6時13分まで待たなければならない。これは全線単線の上、行き違いできる駅は笠上黒生に限定しているからである。外川方面はスタフ、銚子方面は通票を持つ鉄則があり、この駅で運転士同士が交換している。

側扉が閉まることを案内する
「発車します。御注意ください」の音声は、エコーがかかっており、衝撃を受ける。車体側面の方向幕は「銚子←→犬吠」だが、自動放送は「外川行き」になっており、これは御愛嬌。

「ワンマン電車」という案内だが、実際は車掌が乗務しており、すべての側扉が開閉する。これはありがたいものの、意外と途中駅から乗車する人がいて、混雑はさら増す。私は車内の中ほどにおり、どこをどう走っているのか、わからない状況だし、実は犬吠ではない駅に下車するため、降りられるかどうかが不安だ。

笠上黒生で臨時各駅停車銚子行きワンマン電車と行き違い、6時07分、君ヶ浜に到着。意外と下車客が多く、私もその1人である。

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君ヶ浜は無人駅だが、この日は銚子電気鉄道の社員が待ち受けており、“臨時有人駅”と化す。銚子電気鉄道は2003年3月16日(日曜日)以来、8年ぶりの利用だが、途中駅で下車するのは初めてだ。駅前には初日の出の予定時刻と君ヶ浜しおさい公園への地図があり、観光客に対応している。

定刻より3分遅れの6時08分に発車。犬吠寄りの踏切で、初日の出ツアーの観光客に遭遇。この列に紛れ込み、公道をひたすら歩く。夜は明けつつあり、三日月も光り輝いている。やがて、関東各地のナンバープレートを“掲出”したクルマが大集結しており、銚子初日の出の人気を感じさせる。

◆激しい波に驚きながらの感動

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6時15分、君ヶ浜しおさい公園に到着。長年、初日の出は江ノ島海岸で御来光を待っていたが、今回は以前から行きたいと思っていた銚子市に決めた。しかし、初日の出スポットがよくわからず、銚子市にくわしい方に伺ったところ、君ヶ浜しおさい公園を勧められた。その方によると、犬吠埼灯台より混まず、犬吠埼の洋上に太陽が水平線から出てくるという。

この日は波が高く激しい。その姿を見ると、183系時代の特急〈しおさい〉のヘッドマークを彷彿させるほどだが、海岸とはいえ、波に飲み込まれそうな恐怖心を持っても不思議ではない。そういうスリルを味わいたいのか、単なる目立ちたがり屋なのか、少年は海水パンツ姿でひとり勝手に海開き。しかし、寒い上に海水もかなり冷たいようで、海水浴は早々にギブアップ。それでも果敢に挑んだが、すべて30秒足らずで海岸に引き上げた。例年、江ノ島海岸の初日の出ではサーファーを見かけるが、少年とは違い、準備万端で初日の出に臨んでいる。

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6時30分を過ぎると、犬吠埼灯台の白い光がまぶしくない空模様になり、6時46分、ついに初日の出が姿を現した。その瞬間、多くの人々は歓声をあげ、“幸先のいいスタート”という感覚だろう。これで私の元旦初日の出は8勝4敗となり、2007年から5連勝となった。ちなみに、2009年から基本的に天気予報が晴れ以外のときは、出かけないことを心がけている。しかし、元旦終夜運転は、普段見ることができない列車が走ることもあってか、毎年“現場”へ行ってみたい気にさせる(言っていることが矛盾していますが、御勘弁を)。

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初日の出をビジバシ撮影し、7時00分、君ヶ浜しおさい公園をあとにする。犬吠埼灯台周辺でも初日の出スポットがあり、高い位置から見る初日の出も魅力的だ。2012年はどこで初日の出を見るかは決めていないが、どこかの海岸で見てみたい。日の出と日の入りは、海岸や洋上で見ることに感激や感動が何倍にも膨れ上がる。

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適当に歩き、7時19分に犬吠駅へ。銚子に負けじと、こちらもメルヘンチックな駅舎で、犬吠埼の玄関口にふさわしい。駅舎に入り、きっぷ売り場で銚子までの乗車券を購入。すると、昔ながらの硬券にニンマリするが、係員の若い女性は、この時間帯は駅舎の外にある特設の乗車口を利用するよう、案内される。

駅舎を出ると、長蛇の列!! 銚子電気鉄道は「年の初めの開運電車」と銘打ち、7~9時台はほぼ30分おきの運行だが、すべて犬吠始発である。これは犬吠埼や、その周辺で初日の出を楽しんだ人たちが利用するため、ダイヤの乱れを防ぐためなのだろう。前述したように、銚子電気鉄道で行き違いができる駅は笠上黒生のみ。また、運行区間は基本的に全線だが、1時間あたり片道2本が限度の模様で、最高速度は40㎞/hだ。犬吠―外川間(0.9キロ)を運休することにより、犬吠での停車時間が確保できるため、多くの乗客はゆとりを持って、電車に乗ることができる。

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さて、私は7時44分発の臨時各駅停車銚子行きワンマン電車に乗ることをあきらめ、駅前の露店でお雑煮(400円)を注文し、朝食とする。お雑煮は濃い目のしょうゆ味で、もちはつきたてを使用。ねぎが入っており、甘みがある。

今回、外川へ行けなかったのは残念だが、次回の来訪時は弧廻手形であちこち探検して、思う存分満喫したい。


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銚子電鉄:自主再建を断念、市などに支援要請 震災打撃 http://bit.ly/W7sAgb⇒我々にできる“支援”は、3つあります。①乗ること。②ぬれ煎餅を買うこと。③寄付すること。再び奇跡が起きることを願っています。 http://bit.ly/bigNKt

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皆様、千葉県銚子市に行って、銚子電気鉄道(銚子電鉄)に乗りましょう。そして、銚子名物のぬれ煎餅を買いましょう。 http://t.co/Qz545rre http://t.co/uX40dArp
http://t.co/wNybRPD9

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