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急病人 [鉄道評論]

2010年4月4日(日曜日)16時25分過ぎ、JR東海、東海道本線の新快速浜松行きは大府へ向かう途中、先頭車で前方の乗客たちが車内に異変が発生していることに気づいた。先頭車の中間側扉付近に坐っていた私は、ICレコーダーで録音したものを聞いていたが、急病人が発生し、数人の乗客は「SOSボタン」と叫び、どこにあるのかわからないものを押すように呼びかけていた。

私はただちに聴くことを中断し、「うしろ!!」などと言って、後方の乗客に押してもらうよう、伝言をお願いする。車内は満員御礼で、私が坐る進行方向右側しか車窓が眺められない状況で身動きが取れないのだ。それに私は医者ではないから、しゃしゃり出るのは無責任な行動だろう。  

SOSボタンは車端部に設置されていることが多く、乗車している313系5000番代のクモハ313形5000番代もそこの上部にある。そのあと、後方の乗客の手により、SOSボタンが押され、ブザーが鳴り響くと、電車は高架上で滑らかに止まった。こういう状況で電車が止まることを目の当たりにするのは初めてだが、電車は落ち着いている。しかし、どこで止まったのかがわからない。乗客によると、新快速浜松行きは大高を通過したという。私は運転士に最寄りの駅で止めるよう、前方の乗客に伝言をお願いする。「最寄りの駅」と言ったのは、「次の駅」と言うと、「大府」と解釈される恐れがあるからだ。  

16時34分、女性運転士が客室に入り、切羽詰った表情で乗客をかき分けながら進む。急病人と、どこでSOSボタンを押したのかをそれぞれ確認する。SOSボタンのブザーは乗務員の手で解除しなければならないのだ。

SOSボタンは、進行方向左側の後方側扉で押され、女性運転士が解除して持ち場へ戻り、16時35分に運転再開。通過する南大高で緊急停車をして、救急車を手配することになった。これは私の言い分が天に通じたというよりも、運転指令所の指示でそうなったと解釈している。もし、私が動かなければ、SOSボタンが押されず、大府までこういう状況だったかもしれない。

近年は周囲から「鉄道ライター」という目で見られるプレッシャーがある。世間に名をさらす商売をしているのだから、「みずから種をまいているじゃないか」といわれるのは当然だろう。フリーライターという商売をしている以上、こういう事態を見過ごすわけにはいかなかった。芸能人、スポーツ選手、作家、カメラマン、ライターなどは品格を意識し、社会の模範にならなければならない立場なのだから。  

16時37分、女性運転士は警笛を鳴らし、南大高へ。急病人は前方の側扉か、乗務員室の扉のいずれかで降りたものと思われる。南大高の上りホームは進行方向左側にあるため、先述したように様子がわからないからだ。  

16時42分に運転が再開され、大府以降は15分遅れで進み、終点浜松には定刻より13分遅れで到着した。  

今回の出来事は、「SOSボタン」を知っていても、場所がわからないという乗客が多かった。それは当然だと思う。関東地方の場合、ホームのSOSボタンを黄色にしてわかりやすくしているが、車内の場合、ステッカーが頼りで、その部分を目立つに色にする車両が少ないのではないだろうか。また、今回は先頭車で発生したが、“運転士はSOSボタンが押される前に、客室の異変に気づいていたのかどうか?”と疑問を持つ人は多いと思う。

これは私の推測だが、運転中に話しかけられても対応ができないこと、目の前ではなく、真うしろのため、勝手な行動や判断ができないことなど、SOSボタンを押して止まることは正解、不正解、どちらにも当てはまるだろう。しかし、人の命にかかわることなのだから、今後は乗務員の勇気ある判断、客室のAED設置を義務づけることも必要になってくる。

私自身、情けないのは、すべての車両のSOSボタンがどこに設置されているのかが把握していないことである。鉄道を1つのテーマとして書いているのだから、“ライターも人の命を救う立場”にあることを実感した。  

車内で倒れられた方にお見舞いを申し上げます。そして、1日も早い御快復を心より願っています。


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