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球界が悲しんだ日 [波瀾万丈伝]

2010年4月2日(金曜日)、プロ野球セリーグ、広島東洋カープ(通称、広島カープ)―巨人戦の試合前、木村拓也内野守備走塁コーチが突然マツダスタジアムのグラウンドで倒れ、病院に搬送された。地上波中継をしたフジテレビは、その映像を流していたが、練習中に誰かが倒れるとは想像するはずもない。

木村コーチは昨年の日本シリーズ終了後に余力を残して現役選手を引退。優勝が近づく頃に加藤健捕手が死球退場し、控え捕手がいない危機に直面した試合では、急きょキャッチャーマスクをかぶり、勝ちに等しい引き分けにしたのは記憶に新しく、彼の名は輝きを増した。投手以外のポディションをこなしたのだから、野球殿堂入りする値打ちがあると思う。

木村コーチはくも膜下出血と診断されたが、すでに意識不明で手術ができない状況だった。木村コーチが倒れた当日、私は旅支度をしていたが、一報を聞いたときから落ち着かなかった。生還を心より願い、旅に出た。しかし、木村コーチのことが頭から離れられず、何度もiモードを使い、mixiにアクセスして、最新の情報を知りたかった。しかし、吉報が入ってこなかった。

清武英利巨人軍球団代表は、急きょ広島入りしたが、報道発表はよくないことばかり。ウソでもいいから「絶好調です、快復しました」と言ってほしいと何度思ったことだろう。木村コーチの意識が回復しないまま、4月7日(水曜日)3時22分、37歳の若さで永眠した。

新聞報道で知ったが、くも膜下出血は年間14,000人が死亡するという。それにかかって生還する人もいるが、社会復帰をする確率は低いというのが現実らしい。意外にも30~50代という働き盛りがかかりやすく、私と木村コーチは年齢が4つしか違わないので、恐ろしい。また、くも膜下出血の予防法の1つとして、脳ドックの利用を勧める医師がいる。私は「脳ドック」という言葉を知っているが、その言葉を聞くのは数年ぶりで、今まで忘れていた。ちなみに脳ドックを受けるのに25,000円以上もかかり、これでは安心して受けられない人が多いと思う。

今後、健康診断のメニューの1つに脳ドックを入れてほしい。そうでないと、安心して生きられない(健康診断自体も40歳以上と同じメニューに統一したほうがいい)。

木村コーチは2006年6月6日(火曜日)、シーズン途中で巨人に移籍したが“なぜ広島カープの主力選手が巨人へ?”と疑問だった(実は巨人にトレードされたときはファーム暮らしだったことを知らなかった)。しかし、その疑問を跳ね飛ばす活躍ぶりで、2007年以降の3連覇に貢献。移籍当初は「58」という“空き番”でしのいでいたが、2007年から広島カープ時代につけていた“定位置”といえる「0」に変わった。

巨人の背番号0といえば、川相昌弘選手(現・中日ドラゴンズ2軍監督)のイメージが強かったが、木村コーチはそれを払拭させた。本当に背番号0が似合っていた(広島カープに移籍した当初の背番号は「41」だった)。巨人の背番号0は“いぶし銀”の選手にふさわしいのだろう。

2009年の日本シリーズ終了後に惜しまれつつ引退。直後に内野守備走塁コーチに就任し、後進の指導にあたっていたが、シーズンが始まったばかりに倒れ、この世を去ってしまった。奇跡を信じていただけに悔しい思いでいっぱいだ。

この日は球界全体が悲しみ、プロ野球全試合は全球団が半旗を掲げ、試合前に黙祷をした。今まで、こういう光景を見たことがない。巨人と広島カープの選手及び首脳陣、阪神タイガースは金本知憲選手、新井貴浩選手が喪章をつけて試合に臨んだ。私は巨人以外でも喪章をつける方の温かさに感銘を受けた。

その後、テレビ朝日の『報道ステーション』で、古舘伊知郎キャスターは「ご冥福をお祈りいたします」「お悔やみ申し上げます」という“定型文”を使わず、自身の言葉で天に旅立った方をねぎらっている。しかし、今回は悔しい思いが強いのか、苦々しい表情を浮かべ、ねぎらいの言葉が見つからず、視聴者にお詫びをするかのように思いっきり頭を下げたのが印象に残る。

謹んで御冥福をお祈りいたします。

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