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大関魁皇、1046回目の勝利!! [波瀾万丈伝]

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2011年7月14日(木曜日)、大相撲名古屋場所5日目は大関魁皇が前頭2枚目の旭天鵬を寄り切りで破り、通算1046勝目をあげ、歴代1位の第58代横綱千代の富士(現・九重親方)の記録を平成3年(1991年)夏場所2日目以来、20年ぶりに塗り替えた。

魁皇関は昭和63年(1988年)春場所初土俵。同期には第66代横綱3代目若乃花(当時、若花田)、第65代横綱2代目貴乃花(当時、貴花田)、第64代横綱曙(当時、大海)などがいる。あれから23年たった今、昭和の時代に初土俵を踏んだ現役力士は魁皇関しかいない。

魁皇関は2000年夏場所、小結で初優勝。次の名古屋場所後で大関昇進を果たす。当時、28歳で年齢的には遅いほうだった。これは「大関候補」といわれながら、何度も足踏みをしたからである。

大関昇進後、抜群の強さ、安定感を発揮した。今にして思えば、やや遅い大関昇進は、“万全を期して”なのだろう。また、JR九州は2001年10月6日(土曜日)に「特急〈かいおう〉」を誕生させた。これは言うまでもなく、福岡県直方市出身の英雄、魁皇関が由来で、本人と日本相撲協会の快諾を得た(特急〈かいおう〉は、直方―博多間の運行)。ちなみに、優勝は5回を数え、現役力士では第69代横綱白鵬に次ぐ“多さ”だが、横綱には手が届いていない。

ここ数年、皆勤しても2ケタ勝利に届かず、現役大関を続けている姿勢に批判の声がある。しかし、相撲に対する真摯な取り組み、豪快な上手投げや小手投げ、30代後半でも大関という地位を保っている姿、「地元の九州場所で優勝したい」という大きな目標に、多くのファンは共鳴共感を示した。また、偶然なのか、度重なる不祥事とともに魁皇関への声援と人気がさらに上昇したような気がする。

2010年夏場所千秋楽、大関琴欧洲を破り、第58代横綱千代の富士以来、史上2人目となる通算1000勝を達成。千秋楽は“お祭り”的な日のせいか、NHKのインタビューに応じた。本人は色々な記録に関心がない様子で、燃え尽きるまで現役を続ける姿勢を貫いていた。

2011年初場所後、八百長問題が発生し、春場所を中止。夏場所も中止とする代わりに、技能審査場所を開催。“本場所のようで本場所ではない”という、過去に例のない場所となったが、魁皇関は9勝6敗。特に千秋楽最後の一番となった第69代横綱白鵬戦では、底力を存分に魅せつけた。これにより、通算1044勝となった。私だけではないと思うが、“通算1045・1046勝は本場所で見たい”という大相撲ファンも多かったことだろう。

そして、2011年名古屋場所は初日から3連敗。体調が万全ではない上、記録更新のプレッシャーもあったようだ。あらゆる記録に関心のない魁皇関も、さすがに通算勝利記録更新は気になっていたようである。

7月13日(水曜日)に初日を出して、通算1045勝。そして、7月14(木曜日)、ついに誰にも破られないと思われていた通算1046勝目を達成した(私は少し目が潤んだ)。花道を引き上げる際、女性ファンから花束贈呈があり、魁皇関は受け取った。ちなみに、本場所でファンから花束を渡されるのは、第58代横綱千代の富士が通算1000勝をあげた平成2年(1990年)春場所6日目以来ではないだろうか。

NHKは放送中にインタビューをしたかったようだが、魁皇関は辞退したという。これは“記録のために相撲を取り続けているわけではない”という意思表示や、ここまで2勝3敗と黒星が先行しているため、放送中にインタビューを受けることに納得できなかったのだろう。

「体力衰えても、筋力衰えず」

これは長嶋茂雄さんが巨人の監督を務められていた平成5年(1993年)12月、落合博満選手(現・中日ドラゴンズ監督)がフリーエージェントで移籍した際の入団発表で語っていた言葉だ。これは今の魁皇関に当てはまる言葉だろう。

魁皇関は満身創痍で、万全の状態で相撲をとるのが難しくなってきているという。それでも入念なケアと毎日土俵にあがる姿勢が現役力士魁皇を支えている。第58代横綱千代の富士の1045勝は、「横綱」という常勝が義務づけられている地位での記録だ。33歳の頃に「通算1000勝」という目標を口にしていたし、できる自信があったからこそ達成できた記録だ。

一方、魁皇関の1046勝は意味が違うと思う。先述したが、記録更新のために相撲をとっているわけではなく、“力が続く限り、いつまでも相撲をとりたい”という姿勢が、“たまたま”いくつかの大記録を更新することになった(幕内在位場所、幕内通算勝ち星など。次の秋場所では大関在位単独1位を樹立する予定)。

多くの大相撲ファンは、“今年も九州場所の勇士を見たい”と思っていることだろう。来年40歳になるが、過去に40代の力士はいたものの、“40代の関取”というのは記憶にない(過去に高見山や寺尾が挑戦したものの、39歳で引退)。これもひとつの記録になるのだけど、大相撲ファンはそういうことを気にせず、魁皇関の活躍を楽しみにしたい。

私が願っていることは、日本相撲協会は魁皇関に、大関では異例の一代年寄をプレゼントしてほしい。また、魁皇関は国民栄誉賞や人間国宝に値するのではないだろうか。

魁皇関、不滅の大記録達成、おめでとうございます。

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