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鉄道よりも過酷な高速バス運転士 [鉄道評論]

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※画像のバスは、本題とはなんら関係ありません。御了承下さい。

2012年4月29日(日曜日・昭和の日)4時50分頃、群馬県藤岡市の関越自動車道上り線で発生した夜行高速ツアーバス事故は、夜行便なのに運転士が1人しか乗っていなかったことを指摘する声が多い。

高速バスの運転士は1日670キロ9時間以内の運転が法令で定められているという。事故を起こしたバスは金沢―東京ディズニーランド間の運行で、距離はギリギリ法令基準だったというが、のちにそれを超えていたという事実が明らかとなっている。

私は夜行高速バスに乗ったことがなく、きっぷの買い方がすら知らないが、『鉄道ジャーナル』誌1987年2月号(当時、鉄道ジャーナル社刊)にそのルポがある(夜行高速乗合バス)。改めて記事を拝読すると、運転士は2人乗務で、乗客が就寝する時間帯は交替で運転と仮眠を繰り返す。ハンドルを握る運転士は、高速道路のサービスエリア、またはパーキングエリアでボディーやタイヤのチェックをしているため、休憩する余裕がない。

お分かりになったかと思うが、高速バスの運転士はツアー、乗り合いに関係なく、鉄道よりも過酷だ。

夜行列車の場合、運転士は途中駅で交代するが、交替することはない。したがって同一列車で2区間を運転することがなければ、670キロ以上乗務することもない。

さて、関越自動車道の高速ツアーバス事故だが、逮捕された43歳の運転士は、千葉県印西市に所在するバス会社、陸援隊が日雇いで乗務させていた。このほか、数多くの違法行為が発覚し、乗客を「人間」とは思っていない悪徳企業のようだ。運転士はサービスエリア、パーキングエリアで仮眠をとっていたというが、いくら1人乗務とはいえ、先述した点検を怠っている。これでは乗客から不審に思われるのも致し方ない。

バスの利点は、鉄道よりもフットワークがあることや、道路管理をしなくてもいいことなどだ。鉄道の場合は車両、施設、線路など、あらゆるものを管理しなければならないため、維持費がかかる。夜行列車が少なくなったのも、乗車率低下のほか、維持費の削減があるのではないかと思う(ただし、一部の路線は深夜になると貨物列車が数多く運行している)。

バスのデメリットは、時間どおりに運行する保証がないこと、重大事故を起こす確率が鉄道より高いことである。鉄道の場合はATS(自動列車停止装置)やATC(自動列車制御装置)があるため、故障や故意による操作をしない限り、「絶対」ではないが事故を防ぐことができる(ATSやATCをアテにする運転士はいないはず)。一方、バス全般の場合はドライバーの安全運転に頼るしかない(2012年は、早朝の新名神高速で衝突事故が発生している)。

高速バスのホームページを見ると、例として東京―大阪便の価格競争が熾烈で、高速乗合バスと高速ツアーバスの見分けがつかない。また、安いものはトイレなし、高いものはデラックスシートなど、選択肢が多い。今や快速〈ムーンライトながら〉などが定期運行をとりやめたので、いずれ乗る日が訪れるだろう。

高速ツアーバスの場合は、高速路線バスよりも規定がゆるく、低料金を設定しているが、安過ぎるのがかえって気になる。東京駅―大阪駅間が3000円台で乗車できるのは、私でも魅力を感じるが、それと同時に不気味でもある。普通乗用車で同区間を高速道路経由で運転すると、高速料金代とサービスエリア内のガソリンスタンドで、最低1回以上給油(満タン)した場合は、1万円を突破するからである。近年は格安航空会社が登場し、東京国際空港(羽田空港)―新千歳空港・那覇空港間などが1000円未満で乗れるなど、ライバルは鉄道ではなく大手の航空会社といった状況だ。高速ツアーバスも、高速乗合バスがライバルであるため、いずれも鉄道は相手にならないようだ。

今後、高速バス全体が安心、快適に過ごせるよう、距離、時間、昼夜行に関係なく、運転士2人乗務を義務化させるべきだ。特に夜行バスの場合は、運転士が仮眠できるスペース、トイレ設置を原則としないと乗客は不安だろう。また、高速バスが複数の事業者による共同運行の場合は、途中で別の事業者や営業所等の運転士に交代させるなど、労働基準を抜本的に見直すべきだと思う。

★Railway mixiアンケート

Q1:高速バスに乗ったことはありますか?(複数回答可)

第1位:高速乗り合いバスに乗ったことがある…69票

第2位:有料道路経由の路線バスに乗ったことがある…47票

第3位:高速ツアーバスに乗ったことがある…28票

第4位:乗ったことがない…11票

Q2:今後も高速バスに乗りたいと思いますか?

第1位:今後も高速乗り合いバスに乗る…20票

第2位:今後も有料道路経由の路線バスに乗る…12票

第3位:今後は高速ツアーバスに乗らない…9票

第4位:わからない…9票

第5位:今後も高速ツアーバスに乗る…3票

第6位:今後は高速乗り合いバスに乗らない、その他、今後は有料道路経由の路線バスに乗らない…各1票

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