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ハンドブックの弊害 [特別企画]

御存知の通り、2024111日(金曜日)よりフリーランス新法が施行されました。

「出版不況」や「本が売れない」と言われて約20年もたちますが、一向に改善されないのは、コンプライアンスにうるさくなったこともさることながら、時事通信社の『用字用語ブック』、共同通信社の『記者ハンドブック』、NHKの放送用語委員会(以下、これらをハンドブックと記載)などに固執しているのも要因だと思います。

■型と個性を尊重せず、先人を全否定した

大相撲の力士は巨漢と小兵、四つ相撲と押し相撲、プロ野球の打者はホームランバッター、アベレージヒッター、守備職人、投手はストレートでグイグイ押す本格派と変化球でかわす技巧派など様々で、型と個性が認められています。第52代横綱北の富士勝昭さんの相撲解説、野茂英雄投手のトルネード投法も然りです。


ところがメディアの世界になると、型と個性を認めず、ハンドブックに固執する傾向にあるのは、いかがなものでしょうか。私は人種差別と認識しています。

昭和の時代、本や雑誌はハンドブックなどにとらわれることなく、野放図の明るさがあり、読み応えがありました。当時、Web媒体は存在せず、紙媒体が百花繚乱で、それぞれがしのぎを削りあいました。媒体の多くは、各執筆者のスタイルを尊重し、公序良俗に反するもの、誹謗中傷などを除き、“なにを書いてもいい時代”なので、文章にもイキイキとしたものが感じられました。私は昭和生まれですから、その書物を読んで、言葉を徐々に覚えていきました。

しかしながら、ハンドブックの普及により、先人が築きあげ、後世に伝えた言葉が“全否定”されています。

例えば、着座という意味の「すわる」。昭和の時代は「坐る」で、“正しい日本語”として覚え、現在もその認識は変わりません。大ベテランのアナウンサーもスンナリ読めます。

あと、「おこなった」。普通は「行なった」と書けばわかりやすいのに、ハンドブックは「行った」としています。これでは「いった」とも読めますから、間違いやすく、わかりにくい。“読み”としては間違いではないとはいえ、そのような言葉を“俺がルールブックだ”と言わんばかりに位置づけて公表し、おのおのに伝播させたのは遺憾です。

■媒体の質の低下

ハンドブックが浸透したのは21世紀に入ってからと考えられます。インターネットの普及により、Web媒体が台頭したことで、ハンドブックが膨張したようです。


これにより、媒体の質の低下にもつながったと見ています。

特に今や市民権を得たWeb媒体は、ハンドブックにとらわれるあまり、編集者の質が著しく低下しました。その分野に対し学ぶ姿勢がなく、思い込みや不正確な校正をする。スキルがないのに、わからないことを質問しない。入稿から掲載までの制作が簡素なゆえ、手間暇もかけない印象があります。コタツ記事が多い要因にもなっているでしょう。

もうひとつ言えば、Web媒体は基本的に写真と文章を交互に載せるので、“ブログの延長上”と化しています。制作が簡素ということもあるのか、紙媒体の編集者に比べ、誠心誠意、果敢に取り組む人が少ないと思います。ブログの延長上なら、シロートでもできるのだから。

なお、Web媒体によっては、作り手に“丸投げ”するところもあります。全責任を負うカタチになるとはいえ、やりやすいのは言うまでもないでしょう。読者に自信をもってお見せできる“真の記事”が毎回掲載できるのだから。

紙媒体の編集者はあらゆるスキルが求められます。さらにライターやカメラマンといった作り手の意向、指示に応じ、ブラッシュアップしていき、想像以上のものを作り上げています。また、3作の著書の表記もすべて私の意向を尊重していただいています。

■「多様性社会」の時代に逆行

2020年に入ると、多様性社会(Diversity)の時代に入りました。性別、年齢、障害、疾病の有無、社会的地位、出生、民族、国籍、性的指向、性自認などの差別や偏見をなくし、ひとりの人間として人権を尊重するというものです。

ハンドブックは多様性社会に逆行しています。フリーランスも多種多様で、ライターやカメラマンなどがプロ野球選手や力士と同じ“アスリート”という目線で見られないことには、地位向上につながらないものと見ています。それぞれが持つ型と個性を尊重しないことには、よりよい作品、記事などができません。


「けんもほろろ」と言わんばかりに、ハンドブックに固執し続けているようでは、Web媒体もすたれてゆくでしょう。現に廃刊や身売りした媒体もあるのだから。

時事通信社、共同通信社、NHKには申し訳ないのですが、ハンドブックは社内もしくは局内だけにとどめてほしいと思います。この状況が続き、日本語力の低下にもつながっているのではないでしょうか。

私はライターである以上、もっと多くの言葉を覚え、後世に伝えていきたいと思います。

※note転載記事は、こちらです。





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