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第10回みんな集まれ! ふれあい鉄道フェスティバル [汽車旅2010番外編]

◆2年ぶりの来訪  

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2010年11月20日(土曜日)11時30分頃、JR東日本東北本線尾久へ。電車を降りると、尾久車両センターに寝台特急〈北陸〉がイベント来訪を歓迎。本年3月13日(土曜日)のダイヤ改正で惜しまれつつ姿を消したが、ジョイフルトレイン『ゆとり』の展望車、『夢空間』のA寝台個室、寝台特急〈出雲〉の食堂車、オロネ25形(A寝台個室シングルDX)、高速軌道試験車などが混ぜこぜ。この車両たちが現役として走る可能性は極めて低いが、尾久車両センターの広さがさいわいし、解体を免れている模様だ。ただ、状態の悪い車両もあるため、この先どうなるかは不明である。  

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上野寄りには京浜東北線209系がまだ留置されている。房総各線に転用される可能性が高いと思われるが、トイレ設置やセミクロスシート化改造などで、長い順番待ちにあっているのだろう。京浜東北線で役目を終えた209系は桐生(駅からかなり離れたところ)、高萩、酒田、一ノ関の留置施設、秋田総合車両センターで“目撃”しているが、車体側面下部にある車両番号のステッカーがはがされており、哀れな姿に映ってしまう。ちなみに、画像にチラッと203系が隠れているが、E233系2000番代の増備が本格化した模様で、ついに“戦力外編成”が発生したようである。  

ホームに10分ほど滞在したあと、下車。尾久車両センターへは、タイムカプセル平成ロード(尾久駅地下通路)を通ればすぐに着くが、この日は長蛇の列ができており、遠回りをする。それならばと駅近くのコンビニで昼食を購入し、腰を据えて長打の列に入るとしよう。  

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上野方面へ歩いていると、建設中の東京スカイツリーが見えた。ここからでも見えることに時の流れを感じる。東京スカイツリーはすでに“東京の玄関口”と化していることを実感する。また、建設が順調に進んでいるせいか、近辺では観光客が増えて、2010年の流行語大賞にめでたくノミネートされている。しかし、建設途中で流行語大賞にノミネートされるのは、時期尚早だと思う。  

さて、何百メートル歩いただろうか、ようやく列の最後尾に到着。時刻はまだ正午になっていないが、12時台には入れるだろう。そして、尾久駅前に戻り、タイムカプセル平成ロード(尾久駅地下通路)へ。ここは自転車の通行も可能だが、傾斜がきついことに気づく。この日は車椅子の来場者もおり、階段ではスタッフが持ち上げていた。ただし、車椅子に乗っている方はいったん降りなければならず、立つのが辛そうだ。一部の駅で見られる昇降用リフト、エレベーターがあればいいのだろうが……

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12時15分過ぎ、尾久車両センターへ。まっさきに向かったのはGゾーンで、E655系を見る。E655系は、鏡のようなみずみずしさがあるため、アングルによっては、撮影する本人の姿が10メートル離れたところでも映ってしまう。また、前回来訪時(2008年11月22日)同様、特別車抜きで展示されており、1号車では発電用ディーゼルエンジンの音が聞こえる。このイベントは架線のないところで開催しているため、電車や電気機関車が新鮮に映る。  

次はCゾーン。ここには休憩用車両を留置しており、照明と空調は「切」の状態。多くの休憩利用者は窓を開けて換気している。車両が動くわけではないけど、“古きよき汽車の旅”が体感できるのではないだろうか。  

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休憩用車両は、旧型客車とスカ色の113系で、まずは後者へ。お昼時なので、ほぼ満席。なかにはドア付近でレジャーシートを広げて昼食をとる家族連れを見たが、いかがなものだろうか。車内はリニューアルされているが、化粧版を見ると、“ひと昔前”というものを実感する。  

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次に旧型客車。新製から60年近い超ベテランで、メンテナンスが行き届いているせいか、傷みが見受けられない。トイレや洗面所を使用停止にするといった節制もあるだろう。いまや時代劇は、昭和初期まで拡大した印象を受けるせいか、蒸気機関車と旧型客車は重要な“名脇役”に発展している。  

旧型客車は人気が高く、たまたま無人のボックスシートを見つけたので坐る。見た目でわかったことだが、2人掛けの座席幅が狭く、大人同士で坐るのは窮屈なことに気づいた。ストレートボディーということもあるかもしれないが、窓下に暖房を張り出しているため、窓側席は足元も窮屈なのだ。2009年12月13日(日曜日)、初めて12系客車に乗り、オリジナルを堅持するボックスシートに坐ったが、その差は歴然としている。これは日本人の体格が向上したため、旧型客車は時代についていけなかったのだ。  

半世紀前の旧型客車は、これで多くの人々を乗せていたことになるが、当時、豊かな生活には程遠い状況だった。そのため、多くの乗客は狭さを我慢していたのかもしれない。やがて、“「2010年」という名の未来”になれば、いい思い出として、記憶に深く刻まれていることだろう。  

余談だが、私は営業運転での旧型客車に乗ったことはない。それもそのはず、大井川鐵道を1回も利用していないのだから。  

時刻は13時を過ぎ、5分程度だが旧型客車の坐り心地を味わった。ボックスシートは、JR東日本E217系、E231系近郊形タイプなどに比べれば、差がある。坐り心地はもちろんだが、“味わい深さ”は何枚も上なのだ。

◆無法地帯と化したDゾーン  

Dゾーンは、機関車5両を展示しており、大人気だ。大宮総合車両センターのイベントでは実現しなかったEF510形500番代の2色そろい踏みが最大の目玉だろう。ちなみにEF510形500番代は全15両のうち、509・510号機はカシオペアカラーである。  

EF510形500番代は2010年6月25日(金曜日)、上野発の寝台特急〈カシオペア〉札幌行きでデビュー。当時はブルートレイン塗装で牽引していたが、それでも充分にお似合いのコンビネーションだった。7月14日(水曜日)には上野発の寝台特急〈北斗星〉札幌行きで、EF510形500番代の牽引が始まり、7月23日(金曜日)に上野発の寝台特急〈カシオペア〉札幌行きで、カシオペア塗装もデビューした。  

さて、展示している機関車は、上野寄り、大宮寄りともヘッドマークを掲出しており、まずは上野寄りからいってみよう!!

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EF510形500番代カシオペアカラーは、寝台特急〈はくつる〉のヘッドマークを掲げている。これは結構強烈なインパクトがある。シルバーの車体に青いヘッドマークは、スピード感あふれるものがあるからだ。現役時代の寝台特急〈はくつる〉は、583系で運行していた時期が長かったせいか、“俊足”というイメージを持っている。定期便が583系から24系にバトンタッチしてからは違和感があり、なじめなかったが、EF510形500番代牽引と新型客車ならば、しっくりくるかもしれない。しかし、再び定期運行されることはないだろう。

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次にEF510形500番代ブルートレインカラーは、寝台特急〈あけぼの〉のヘッドマークを掲出。現時点、寝台特急〈あけぼの〉は、EF510形500番代牽引という情報がないものの、いずれこの姿が現実になると見ている。

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EF81形は寝台特急〈ゆうづる〉のヘッドマークを掲出。こちらは583系とブルートレインの“二刀流”で運行していたが、私は前者のほうがしっくりきていた。そして、昭和63年(1988年)3月13日(日曜日)のダイヤ改正で、寝台特急〈ゆうづる〉は583系に統一された。ちなみに、寝台特急〈ゆうづる〉の機関車のヘッドマークは鶴1羽、電車と客車のヘッドマークは鶴2羽である。

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EF65形1000番代は、現存していないジョイフルトレイン、『スーパーエクスプレスレインボー』カラーで、寝台特急〈カシオペア〉を掲出。寝台特急〈北斗星〉〈カシオペア〉とも、交直流境界駅の黒磯を通過するため、よほどのことがない限り、牽引されることはないだろう。

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DD51形は『夢空間』を掲出。客車3両のうち、2両は売却されたが、バブル景気の象徴的な車両といえる。ちなみに、842号機はお召し列車牽引機で、手すりや排気煙突はステンレス製だが、塗装を施しておらず、磨きだしだという。また、連結器は銀色に塗っているのも大きな特徴だ。よく目をこらさないと気づかない方も多いだろうが、展示しているのは888号機だ。842号機はお召し列車用のため、E655系の特別車両ともども、厳重に保管されているのだろう。  

単体の撮影が終わり、機関車全体を撮ろうとするが、ここで幼児たちが暴れだす。家族連れが多く、親御さんはかわいい我が子を撮影するのだ。ところが、親の指示なのか、幼児みずからなのかは不明だが、機関車を遊具代わりにしている光景が目立つようになる。また、連結器を触り、ステップに乗っている。車両だけを撮影したいレールファンにとっては、苛立ちが募るばかりで、実際に注意する男性がいた(1人だけ、わめく男もいた)。実は旧型客車による休憩車両でも、連結器に触れる来場者(大人子供問わず)がいて、JR東日本の職員に注意されていた。

しかし、暴走に受け取れる行為はエスカレートするばかりで、機関車と機関車のあいだを通り抜ける家族連れが続出。JR東日本の職員はこれを重く見たのか、13時30分頃にパイロンとはめ込み式の柵を用意して、機関車フェイスの前後に安全確保の規制を図った(車両全体を囲んで規制したわけではない)。これならば、最初からそうしてほしい。JR西日本関西本線の一件を機に、レールファンのマナー低下がクローズアップされてしまっているが、鉄道趣味を持たない人でも、今回のように“場をわきまえない人”が多くなっている。このほか、公道にバイクや自転車を止めて、通行の妨げを起こす不届き者がいた。

◆ヘッドマークを付け替えて終盤を盛り上げる  


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大宮寄りにまわると、DD51形は寝台特急〈カシオペア〉のヘッドマークを掲出。原色では寝台特急〈出雲〉、寝台特急〈北斗星〉の初期で牽引されているが、寝台特急〈カシオペア〉の原色牽引も案外に合いそうな気がする。

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EF65形1000番代“スーパーエクスプレスレインボカラー”は、寝台特急〈北斗星〉を掲出。原色機では臨時寝台特急〈北斗星トマムスキー〉で牽引されたことがある。色が異なっても、ブルートレイン牽引機にふさわしい風格を持っている。

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EF81形も寝台特急〈北斗星〉を掲出。現在はEF510形500番代にバトンタッチしたため、よほどのことがない限り、この姿を見ることはできない。個人的には、“スーパーエクスプレスレインボカラー”のほうがよく似合っていた。

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EF510形500番代ブルートレインカラーは、臨時寝台特急〈エルム〉を掲出。電源車以外は、すべて2段式B寝台して、寝台特急〈北斗星〉を補完した。

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EF510形500番代カシオペアカラーは、なんと寝台特急〈北陸〉だ。ブルートレインカラーのほうが、しっくりきそうだ。できることなら北陸新幹線金沢延伸まで運行していたら、長岡―金沢間はEF510形500番代の牽引があったかもしれない。

 

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14時に転車台で、D51形がクルクル回り、ギャラリーの注目を浴びているとき、一部の機関車はヘッドマークを付け替えていた。  

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上野寄りをチェックすると、EF510形500番代カシオペアカラーは、両方向とも寝台特急〈カシオペア〉、同じくブルートレインカラーは臨時寝台特急〈エルム〉へ。ただいま、E26系検査中のため、寝台特急〈カシオペア〉は10月16日(土曜日)から12月16日(木曜日)まで運休となっており、ささやかなファンサービスといえるだろう。できることなら、E26系を増備し、寝台特急〈あけぼの〉用の“廉価バージョン”も投入してほしいところ。  

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EF65形1000番代“スーパーエクスプレスレインボカラー”は、寝台特急〈北陸〉を掲出。以前、この組み合わせを見たことがあるので、“定番”のような感じだ。  

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大宮寄りをチェックすると、DD51形は寝台特急〈はくつる〉へ。東北本線全線電化前に盛岡―青森間で重連牽引しているので、オールドファンにとっては、懐かしさがこみ上げていることだろう。  

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EF65形1000番代“スーパーエクスプレスレインボカラー”は、寝台特急〈あけぼの〉へ。奥羽本線全線走破時代は、EF65形1000番代オリジナルカラーで牽引していた。色は違っても、その時代を思い出す。  

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EF510形500番代ブルートレインカラーは、寝台特急〈北斗星〉で、新旧機関車によるそろい踏みが実現した。  

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撮影後、Aゾーンへ。子供駅長撮影のパネルを遠くから見ると、“なぜJR九州800系が?”と疑問だったが、近づくとE6系だった。  

東京スカイツリーをじっくり眺め、14時55分、尾久車両センターをあとにした。


★備考

①eye Vio「第8・10回みんな集まれ! ふれあい鉄道フェスティバル THE MOVIE」 

②鉄道ニュース「寝台特急“カシオペア”をEF510-501がけん引」 

③鉄道ニュース
「寝台特急“北斗星”をEF510-501がけん引」 

④鉄道ニュース
「EF510-509が“カシオペア”をけん引」 

⑤鉄道ニュース
「EF510-510が“カシオペア”をけん引」 

⑥鉄道ニュース
「『第10回みんな集まれ!ふれあい鉄道フェスティバル』開催」 

★おまけ



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横山 正典

私は朝から並んでいましたが、午前中はそうでもなかったですね。とはいえ11時ごろからおかしくなってきた感じがしましたし、親の暴走が目に余る状態でした。
私も蹴り飛ばしたくなる親子連れもいましたし、はては「駅員さんに怒られるから」という暴言まで聞きました。
私としては、その親の氏名をさらしてもいいと思います。子育て失敗の恥を世界にさらすのがよいかと。
逆に鉄道ファンのほうが礼儀正しく、一時のさよなら騒ぎも実は、一般人の悪さではないかと疑いたくなりますね。
by 横山 正典 (2010-11-21 20:10) 

岸田法眼

横山正典さん、どうもありがとうございます。

モンスターペアレントは、今に始まった問題ではありませんが、親御さんが子供の頃は裕福な家庭に育ち、その甘えがこういった行為として表れているのでしょう。

私は正直なところ、怒りを抑えていました。怒声、罵声をあびせるのは、簡単なことだとは思いますが、場の雰囲気を損ねることにもなりますので(来場者から後ろ指を指される可能性もありますし)。それに幼稚なケンカをする年齢ではないですから。

今年はレールファンの行動や行為が悪玉扱いにされていますが、その場所に集まってくるのは、100%鉄道趣味者ではないだけに、正確かつキメ細かな報道が求められるでしょう(どこの趣味や分野にもいえることですが)。

私は雑誌等に寄稿する立場ですから、“報道”に属するかもしれませんが、動き回れなくなるまで、報道スペースで取材するよりも、現場の最前線で“ナマの姿”を追い続けたいと思います。

またのお越しをお待ちしております。
by 岸田法眼 (2010-11-21 20:47) 

トータン

久々に?(失礼!) 嬉しい写真ばかり(^^) ピクトリアル派の私にとっては最高の内容でした~ ありがとう御座います!
by トータン (2010-11-21 21:01) 

岸田法眼

トータンさん、どうもありがとうございます。

ここ数か月は、「Twitterダイジェスト」で画像を使いまわしている日々が続いておりますので、喜んでいただき、作った甲斐がありました。当初はTwitterで簡略化しようかと思いましたが、降りたとたんに〈北陸〉なので、“140文字では収まりきらない”と思い、Railway Blog記事に変更しました。

トータンさん御愛読の『鉄道ピクトリアル』誌は、“いぶし銀”というイメージがあり、年に何回かは資料用として購入しています。
by 岸田法眼 (2010-11-21 22:59) 

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