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JR東日本の空港快速乗り比べ-後編- [汽車旅2007番外編]

最初に2008年1月3日(木曜日)の観客動員数は、Season4では初めてとなる4ケタ、1114人をマークしました。ありがとうございます。

皆様にはお伝えしておりませんでしたが、2007年12月30日(日曜日)から2008年1月3日(木曜日)までは“年末年始の強化週間”でした。正月3が日の“ロケットダッシュ”はいかがでしたでしょうか?

それでは「JR東日本の空港快速乗り比べ-後編-」を御覧下さい。



オマタセ、ベイベー。イッツ・ショータイム。




成田空港1番線には特急〈成田エクスプレス32号〉池袋・大船行きが16時43分の発車を待っているが、7~12号車は大船行きになっているものの、方向幕は「横浜・大船」となっており、わかりにくい。初めて乗る人にとっては横浜行きなのか、大船行きなのかチンプンカンプンになりそうだ。ここは「横浜方面大船」にするか、「大船」だけにすればいい。



ホームの案内板で目につくのは「東京・新宿・横浜方面」の下に「新幹線接続」と表示していることだ。成田空港から発車する定期便は8時38分発の各駅停車千葉行きを除き、すべて東京へ向かうことになっている(但し、22時16分発の快速東京行きは新幹線に接続しない)。もともと、このスペースは成田新幹線が通ることを前提に作られ、成田空港への支線へ分岐する地点には、永遠に使われることのない高架も存在する。

成田新幹線は計画されていた路線であるが、騒音や採算に疑問の声が多かったため、用地を確保することがほとんどできず、反対派に押し切られたカタチで工事は凍結された。

成田空港は「新東京国際空港」として、昭和53年(1978年)5月20日(土曜日)にスタート。本来は昭和48年(1973年)にスタートさせる方針でいたが、反対派が多く、鉄塔を建てて、新空港の完成を阻止するほど壮絶だったという。

昭和52年(1977年)に鉄塔が撤去され、完成に向けて大きく前進するものの、スタート目前の昭和53年(1978年)3月26日(日曜日)、過激派ゲリラが管制塔内の機器を破壊したため、延期(3月30日にスタートする予定だった)。更に昭和53年(1978年)5月5日(金曜日・こどもの日)には京成電鉄の〈スカイライナー〉の初代車両、AE形の中間車1両が放火の被害にあい、使用不能となり、代替車を新製せざるを得なかった。

昭和53年(1978年)5月21日(日曜日)、京成電鉄は成田空港駅が開業。当時、現在の位置とは異なっており、下車してもバスか徒歩で移動しなければならなかった。これは成田新幹線の構想をまだ断念していなかったためである。

やがて、成田新幹線は断念され、用地はそのままにされていたが、当時、運輸大臣を務めていた石原慎太郎東京都知事が“ゲキ”を飛ばし、一気に前進。自分の一声で日本を変え、平成3年(1991年)3月19日(土曜日)にようやく在来線というカタチで、京成電鉄は移転、JR東日本は新規参入で開業した。ちなみに京成電鉄の初代成田空港駅は東成田線東成田駅に改称している。

2004年4月1日(木曜日)、成田国際空港に改称したが、滑走路はまだすべて完成したわけではない。滑走路がすべて早期に完成する可能性が低いと個人的には思うが、海上に設けた関西国際空港、中部国際空港は成田国際空港を“補完”する役割もあるのではないかと思う。これらの空港は“観光地”にもなるのだから。



さて、話を特急〈成田エクスプレス32号〉池袋・大船行きに戻すが、253系の指定席は2002年に登場した253系200番台以外、座席は向きが固定されている上、リクライニングせず、現代特急としてのグレードがないように思える(入団時はボックスシートだった)。かといって、乗車時間が短いので、グリーン車にポーンと乗ろうというほどの気力がない。居住性は京成電鉄の〈スカイライナー〉のほうが上だろう。特急〈成田エクスプレス〉は広大なネットワークでカバーしていると言っていい。



253系は平成3年(1991年)に入団しており、デザインは15年以上たった今でも古さは感じないものの、フェイスはJR西日本321系に似ている。321系は2005年に入団しているので、“パクリ”という印象を受けるが、国鉄通勤形電車の定義ならば、「109系」か「305系」にしているだろう。321系が通勤形電車であることに違和感がある。ちなみにJR東日本E231系シリーズ、E233系シリーズは「一般形電車」と案内している。



2番線に快速(東京から普通電車)久里浜行き(9号車モハE217-8:セミクロスシート)が入線すると、特急〈成田エクスプレス32号〉池袋・大船行きが発車した。

快速(東京から普通電車)久里浜行きの入線と同時に10号車のボックスシートを確保。カバンを置いて、車番チェック。日常生活及び関東の記事ではそういうことをしないことが多いのだが、ブログに掲載することを決めている以上はやっておいたほうがいいだろうと、ここ1年、“心境の変化”がある。

15両は果てしなく長かったが、10号車に戻ると、俺が確保したボックスシート(といっても1人分)は別人(女性2人組)が坐り、カバンがない!! まさか、人生初の置き引きにあったのかと思い、一気にあぶら汗。車内をくまなく見るも、見当たらない。

車内を出ると、60代だろうか、清掃員の男性が私に近づく。カバンのことを話すと、預かったとのこと。ハッ、どういうこと?

「エーッ!! なんで、そんなことをするの!!」

と発車時刻がせまっていることもあり、声が裏返る。“余計なことをしやがって”と思いたくなるものの、まぁー、無事でよかった。

始発駅はカバンを置いて、席を確保し、売店や自販機へ行くのは日常茶飯事的な光景だが、成田空港は物騒なところ(下車すると荷物検査と身分証明の提示が求められる)。清掃員の行為は賢明といえるのである。激昂することはなかったが、同じ関東で「首都圏」と言ってもいいようなところでも“温度差”があることを感じた。

無事にカバンを受け取り、やむなく8号車のボックスシートへ。さいわい、前向きが空席になっているところがあったので、先に坐っている熟年女性客に会釈をして、坐り、17時00分に発車する。ちなみに快速と各駅停車は車内の整備、点検はするものの、すぐに乗れる(特急〈成田エクスプレス〉はそれが終わらないと乗れない)。また、成田空港行きは快速〈エアポート成田〉として、運行する。

快速(東京から普通電車)久里浜行き編成表
乗車区間号車車両番号禁煙備考
東京増1クハE216-1004ロングシート。逗子止まり
 増2モハE216-2008ロングシート。逗子止まり
 増3モハE217-2008ロングシート。逗子止まり
 増4クハE217-2004ロングシート。逗子止まり
 1クハE216-2033ロングシート
 2モハE216-2015ロングシート
 3モハE217-2015ロングシート
 4サロE216-82階建てグリーン車
 5サロE217-82階建てグリーン車
 6サハE217-2016ロングシート
 7サハE217-2015ロングシート
 8モハE216-1008ロングシート。弱冷房車
 9モハE217-8セミクロスシート
 10モハE216-8セミクロスシート
成田空港11クハE217-8セミクロスシート

空港第2ビルを出ると、地上へあがり、自動による英語での停車駅案内を流す。E217系唯一の自動放送である。

すっかり暗くなり、成田に到着。113系1000番台の各駅停車佐原行きとE231系通勤形タイプの各駅停車我孫子行きに接続。各駅停車佐原行きは接続時間が短く、後方の車両に乗っているほうが便利である(15両編成のため、前寄りの車両では乗り換えられない恐れがある)。また、総武本線、成田線、外房線、内房線といった“房総四天王”にオールロングシートの211系3000番台が移籍してきたため、汽車旅の魅力が半減する可能性がある。

さて、乗車しているE217系だが、乗車している編成は初期の頃に作られているが、座席の肌触りが変わった印象を受ける。また、先頭車の列車番号表示もデジタル数字からLEDに変わった。

車体側面の方向幕は方向LEDに変わっていた。すれ違うE217系も方向幕の車両が少なくなっているような気がする。253系も方向LEDにチェンジした車両も増えてきているようだ。



E217系は平成6年(1994年)に入団。近郊形電車では初めて、4ドアの車両となり、ロングシート主体という、当時のJR東日本の姿勢が表れている。ラッシュの混雑を緩和するためには車内空間を確保するため、ロングシートを選択させざるを得なかったようだ。のちに東北地方に701系が入団し、この車両が量産されているあいだは“ロングシート政策”が活発だった。



基本編成11両、付属編成4両と113系1000番台を継承し、“209系の近郊形版”という印象を持つE217系だが、グリーン車はすべて2階建てとして、座席数を増やし、113系1000番台を置き換えてゆく。一部は東海道本線や編成短縮をして、“房総四天王”に移籍していった。



E217系は横須賀線と総武本線の直通用にしか投入されず、他線で増備されることはなく、その後はE231系近郊形タイプに継承。東海道本線に投入された頃からセミクロスシートの車両を増やすなど、若干の見直しが行なわれ、E531系に継承された。

なお、E217系は平成8年(1996年)、1編成が東海道本線にコンバートされ、編成を4+11から10+5に組成変更したが、当初、投入計画のなかったE233系近郊形タイプが登場したため、元の“職場”に戻る予定となっている。

佐倉から総武本線に入り、四街道で113系1000番台の各駅停車千葉行きに接続。快速(東京から普通電車)久里浜行きは成田空港-千葉間、東千葉以外は各駅に停まるため、四街道での接続は異例と言える。佐倉で待ち合わせてもよかったようにも思えるが…

都賀を発車すると、千葉まで停まらない。ようやく、快速の本領発揮となるわけで、クルマのライトが夜空に輝く京葉道路をまたいでゆく。交通量は多い。

17時42分、千葉7番線に到着。思ったほど、お客に変動はなかったものの、この日は京葉線、内房線、外房線が強風のため、遅れており、6分遅れの17時52分に発車。車掌は「上り特急電車の遅れ」と説明していたが、進行方向左側からE257系500番台が姿を現す。考えられるのは本来、蘇我から京葉線に入る特急〈さざなみ18号〉東京行き、臨時特急〈新宿さざなみ〉or〈新宿わかしお〉(いずれも新宿行き)のどちらかのようである。ちなみに京葉線沿線には千葉マリンスタジアムがあり、プロ野球の千葉ロッテマリーンズの本拠地だが、過去に強風で試合が中止になったことが何度もある。

そのあと、E231系通勤形タイプの各駅停車中野行きも相次いでロケットダッシュ。快速(東京から普通電車)久里浜行きは“牛歩運転”で待たされることになった。千葉駅は佐倉方面と蘇我方面にホームが分かれる構造になっているためである。

ようやく、複々線に入ることができると、大爆走!! E217系は120㎞/h運転ができるので、思いっきり駆け抜けてゆく。遅れを取り戻すのに必死だ。

市川で特急〈成田エクスプレス34号〉大宮行きに抜かれる。いくら120㎞/hで頑張っても、あちらは130㎞/hである。

遅れは2分に回復し、新小岩を発車。新小岩といえば、昔、『タモリのSuperボキャブラ天国』のネタになったところだ。

怒涛の回復運転は錦糸町で終わり、両国付近で複々線が終わり、支線と分かれ、地下へもぐり、馬喰町(Bakurocho)へ。以前、“国鉄でもっとも深い駅”で有名だった。



地下駅は暗さがただよい、2分遅れの18時27分、東京総武地下1番線に到着した。東京の発車時刻は18時41分となるため、ここから先はダイヤ通りの運行となる。また、東京総武地下ホーム全体にはE257系500番台の姿はなかった。



その直後、255系の特急〈しおさい14号〉が総武地下2番線に到着し、折り返し、18時45分発、特急〈しおさい11号〉銚子行きとなる。

255系を東京総武地下ホームで見るのは初めてだが、方向幕は方向LEDに変わっていた。


★備考

①フリー百科事典『Wikipedia「成田新幹線」』はこちらにクリック!!

②フリー百科事典『Wikipedia「成田国際空港」』はこちらにクリック!!

 

③フリー百科事典『Wikipedia「京成AE形電車」』はこちらにクリック!!

④フリー百科事典『Wikipedia「東成田駅」』はこちらにクリック!!

⑤総武本線は本線が東京-銚子間、支線は秋葉原-錦糸町間である。

⑥横須賀線は大船-久里浜間のことである。また、東京-西大井-大船間は東海道本線(品川-西大井-横浜間は支線)であるものの、国鉄時代より、東京-西大井-久里浜間は「横須賀線」と案内している。

⑦岸田法眼のRailway Blog.「JR東日本の空港快速乗り比べ-前編-」は
こちらにクリック!!

⑧岸田法眼のRailway Blog.「羽田空港と成田空港」はこちらにクリック!!

⑨岸田法眼のRailway Blog.「2005年の汽車旅2-前編-」はこちらにクリック!!

⑩岸田法眼のRailway Blog.「2005年の汽車旅2-後編-」はこちらにクリック!!

⑪岸田法眼のRailway Blog.「2006年の汽車旅1-最終回」はこちらにクリック!!

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コメント 7

kikuzou

クロスシートが減るのは残念ですね。
ロングシートだとうたた寝しにくいし(笑)
by kikuzou (2008-01-04 07:55) 

岸田法眼

kikuzouさん、どうもありがとうございます。

E217系はロングシート主体で、なおかつ4ドアなのでボックスシートがキュークツな感じがあります。

今年、東武鉄道は4ドア、回転クロスシート(向きを変えればロングシートにもなります)の50090系が入団しますが、JR東日本も空港快速専用車として、導入を検討していただきたいものです。
by 岸田法眼 (2008-01-04 10:22) 

undo

京成の旧成田空港駅、懐かしいですね。駅で降りてセキュリティを受け、バスに乗り換えさせられたこと思い出します。
行きは朝方が多いのでNEXでいく事が多いですが、帰りは快速で帰ることが多いですね。とはいえグリーン車以外はもう考えられなくなりました。荷物置き場があればなおいいですが。

ちなみに千葉の手前、JRの下を走るのは京葉道路です。東関道は幕張付近と物井付近でJRの上を高架で交差してます。
by undo (2008-01-06 15:59) 

岸田法眼

undoさん、どうもありがとうございます。

快速はグリーン車がいいでしょうね。少なくとも東京方面なら、そちらのほうが快適だと思います。ただ、〈エアポート常磐〉は特急形電車で、なおかつ上野行きは全車自由席のため、グリーン料金を払うことにためらいを感じます。

先ほど調べましたところ、御指摘の通り、京葉道路でしたが、有料道路区間もあるのですね。ややこしいところですね。

記事のほうはただちに訂正いたします。
by 岸田法眼 (2008-01-06 16:47) 

サットン

成田エクスプレスは一度だけ乗りました。やはり普通車のシートは抵抗を感じました。おまけにグリーン車のシートとは雲泥の差ですから。
一時期成田でホテル建設のプロジェクトに携わっていましたが、足は専らスカイライナーでした。安いし日暮里で楽に乗り換えることができましたしね。
by サットン (2008-01-07 20:10) 

岸田法眼

サットンさん、どうもありがとうございます。

253系の普通車の入団当初は583系の再来のような感じでしたが、現代でボックスシートには疑問がありました。今は京急の先代快速特急車両みたいな感じに変えていますが、逆向きに当たれば不快感はあるでしょう。どこかの出版社で発売している席番表が必須かもしれません。

〈スカイライナー〉は日暮里停車が大きいですね。上野での乗り換えは遠いですし、初めて上野の街を歩いた頃、京成の駅はどこなのかよくわからなかったです。

更に北総線を延伸して、最短36分で成田空港に直結するルートを作っているようですので、需要が増えるのではないでしょうか。
by 岸田法眼 (2008-01-07 22:59) 

にゆうてい

初めまして。少々気になることがありましたので通りすがりの者ですがコメントを残させていただきます。
253系の横浜・大船表示がわかりにくく大船と表記すべきとのことですがこれは元々大船のみの表示であったのを後に横浜を併記する今の幕になったという経緯があります。
行き先がマイナーすぎて分からない、といった場合にはよくみられる措置です。
by にゆうてい (2012-02-23 23:07) 

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