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横浜市交通局4号線-3 [汽車旅2008番外編]
川和町(G02)で下車。近辺に郵便局はなく、地上駅であることや川和車両基地があることから立ち寄ることにしたが、3号線あざみ野延伸以降は工費節減のためか、ちょっとでも建設スペースがあれば、地上に顔を出すことが原則のようになっている。また、市営地下鉄の車両基地の最寄り駅はすべて地上にあることも特長である。言わば“ハマ流”なのだろう。
下車すると、最寄りの停留所はなんと3つ!! 1つ目は川和公会堂前、2つ目は瑞雲寺前(Zuiunjimae)、3つ目は川和町駅である。また、川和町(G02)から少しはなれたところにバス停留所の川和町も存在するため、なれない利用客にとっては引っ掛かる可能性もある。これならば、川和公会堂前は「川和町駅入口東」、瑞雲寺前は「川和町駅入口西」に改称してもよかったのではないだろうか。
2008年3月30日(日曜日)から川和町駅-石橋間に市営バス311系統を新設。但し、1年程度の運行を予定しているという。
この311系統は2代目で、初代は3号線あざみ野延伸時、旧306系統のスジを継承するカタチで、センター南駅-あざみ野駅間で運行していたが、利用客がかなり少なかったため、都筑区の誕生と共に姿を消している。わずか1年半の短命だったが、今回、14年ぶりに復活しても、利用客が少なければ、予定通り、2009年春に運行を終了するだろう。
川和車両基地はのどかな田舎にあり、とても横浜市にあるところだとは信じられないし、都筑区は港北ニュータウンという“大都会”と“昔ながらの風景”に分かれている。この地は我々がイメージする横浜市とはイメージがかなりかけ離れており、その上、地下鉄が地上を走るのだから、ヘンな光景に見えてしまうだろう。だが、“横浜市の田舎”だからこそ、地上に車両基地を作ることができたわけだ。一部の地下鉄の車両基地は地上に土地が取得できるスペースがない影響で、地下に広大な空間を作っていることが多いから。今後、川和町(G02)周辺は“町から街”に変わるかもしれない。
ところで、川和町(G02)のデザインを見て、「あれーっ?」と気づく人もいるだろう。そう、この駅のデザインは関東の駅百選のうちの1つ、相模鉄道いすみ野線ゆめが丘に似ているのだ。
横浜市交通局ホームページによると、川和町(G02)のデザインは鶴見川の流れをテーマにしており、躍動感を演出したという。
川和町(G02)のホームは3・4番線となっており、1・2番線はないが、“名のない1・2番線”はホームの隣りにある。しかし、ホームにしては幅がせまい印象を受ける。
これは川和車両基地からの出入庫に使われるもので、利用客が増加すれば、快速か急行のどちらかをすぐに運行できるような態勢を整えているのかもしれない。ただ、川和町(G02)の次は終点中山(G01)のため、あんまり意味がないような気がする。もし、そういう展開になれば待避設備を増やさなければならないだろう。
14時59分発の中山行き(4号車10106:ワンマン運転)に乗るが、ここから乗ったサラリーマン3人組のお客は電車とホームのあいだは大きくあいておらず、スムーズに乗れることに気づいた。 グリーンラインのホームはすべて直線になっていることもあるが、これならば渡り板がなくても車椅子で乗降することが可能ではないかと思う。
中山行き(ワンマン運転)編成表 | ||||
乗車区間 | 号車 | 車両番号 | 禁煙 | 備考 |
中山 | 1 | 10101 | ○ | なし |
2 | 10102 | ○ | なし | |
3 | 10105 | ○ | 弱冷房車 | |
川和町 | 4 | 10106 | ○ | なし |
発車すると、川和車両基地への分岐線と別れ、鉄橋を渡って、地下へもぐり、15時01分、終点中山(G01)2番線に到着。4号線全線完乗を達成した。この先は行き止まりになっているが、中山(G01)から先も延伸できるだろう。実は横浜市でも鉄道の空白地帯がほかにもあるため、早急に着工を急いでもらいたいところがある。今回、市営地下鉄・市営バス共通一日乗車券を購入のもそのためだ。
さて、中山(G01)の自動改札機はガラガラだが、コンコースやホームで不快なニオイが発生していたという。これは日吉(G10)方面のトンネル内に生じている湧き水が原因で、排水溝から駅構内に伝わってしまった。このため、排水溝の清掃や消臭剤の散布。トンネル内に給水設備を設置し、湧き水を希釈する対策を行ない、“クリーンライン”になるよう、努めている。
下車して、まっすぐ歩くと、JR東日本横浜線の連絡改札がある。一旦、地上に出ることなく、スムーズに乗り換えることができる。特にSuicaやPASMOならラクラクだろう。その影響なのか、横浜線下り電車の停止位置が鴨居寄りに30メートルほど移動。また、世の中に必要のない喫煙所も鴨居寄りに移動している(なぜ、JR東日本は駅構内の完全禁煙化ができないのだろう?)。
ここからはSuicaを利用し、横浜線15時16分発の各駅停車八王子行き(8号車クハ205-73)に乗り換え。近年、横浜線205系はクハのフェイスのみ方向幕から方向LEDに変わっている編成を見かけるが、乗車したのはオール方向幕の編成だった。
各駅停車八王子行き編成表 | |||||
乗車区間 | 号車 | 車両番号 | 禁煙 | 備考 | |
十日市場 | 8 | クハ205- | 73 | ○ | なし |
7 | モハ205- | 205 | ○ | なし | |
6 | モハ204- | 205 | ○ | なし | |
5 | サハ205- | 133 | ○ | 弱冷房車 | |
4 | モハ205- | 206 | ○ | なし | |
3 | モハ204- | 206 | ○ | なし | |
2 | サハ204- | 113 | ○ | 6ドア車 | |
中山 | 1 | クハ204- | 73 | ○ | なし |
横浜線に205系が投入された当初、下りの方向幕は上段が「横浜線」、下段は行先の2段表示だったが、21世紀初頭にラインカラー地のものに取り替え、見やすくなった。しかし、山手線E231系500番台の投入にともない、205系1編成8両がコンバート。横浜線用から205系はクハのフェイス幕が1つプラスされ、209系に継承されたが、山手線から転用された編成はそれがなく、そこだけ方向LEDにして、横浜線と行先の交互表示にした。今後はそのタイプに統一させるかもしれない。
15時18分、十日市場に到着。横浜線の利用はここまでで、十日市場駅停留所から市営バス55系統若葉台中央行き(若葉台2552号車:車椅子対応車)に乗り換え。再び、市営地下鉄・市営バス共通一日乗車券を使用するが、バスに自動改札機があるはずもなく、どうすりゃいいのかと思ううちに運転士に見せたら、それでOKだった。
55系統ヴィンテージ前経由若葉台中央行き編成表 | |||
乗車区間 | 車両番号 | 禁煙 | 備考 |
十日市場駅→若葉台中央 | 若葉台2552号車 | ○ | 車椅子対応車 |
55系統若葉台中央行きは青葉台駅始発で、十日市場駅で路線バスでは異例の“停車時間”をとっている。普段から利用客が多いという表れだが、15時24分に発車。次の停留所は十日市場。まぎらわしい。
市営バスの魅力はなんといっても、シートモケットで、“ホンモノの横浜”の魅力がたっぷり詰まったガラは大いに気に入っている。まさか一線から退いた車両が2002年9月4日(水曜日)に根室で見かけるとは思ってもみなかったが、クルマは持っていないけど、仮に中古車を購入したら、市営バスのシートモケットに変えたいほどである(さすがに新車はオーダーメイドでもない限り、できない)。
天気は曇ったままだが、街路樹は新緑にあふれており、長津田台を過ぎると、進行方向左側はチラッと高層マンションがボコボコ建っている。
もうおわかりだと思うが、グリーンラインは中山(G01)-若葉台中央間の延伸と青葉台-十日市場間の支線を作って欲しいと願っている。
これは青葉台駅-十日市場駅間の大半は片側1車線道路が主体のため、クルマの往来が多く、バスも多いのだ。それに若葉台中央はマンモス団地で、不思議なことに鉄道が走っていない。もし、グリーンラインが若葉台中央まで延伸すれば、所要時間が大幅に短縮される。また、都内への通勤を考慮し、青葉台-十日市場間の支線を作ることにより、運行区間は日吉・青葉台-若葉台中央間にするのだ。問題は建設費とルートだろう。更にブルーラインもあざみ野-新百合ヶ丘間の延伸も視野に入れてもいい。東急側のたまプラーザ誘致を断ってまで、あざみ野にこだわったのは川崎市になるが、新百合ヶ丘の延伸構想があるからではないだろうか。
青葉台駅・十日市場駅から若葉台中央へ向かう市営バスは23・55・65系統の3つ(23系統は東急バスと共同運行。また、23系統は別ルートもあり、東急バスと共同運行していない)。いずれも経路が異なるのだが、55系統は遠回りのようで、そのせいか、終点若葉台中央まで乗ったのは私を含め、男性2人だけだった。
15時38分、終点若葉台中央に到着。わかばショッピングタウン内にある横浜若葉台郵便局でこの日、最後のゆうちょ。お天気も曇り空から晴れに回復しつつある。
横浜市旭区にある若葉台はマンモス団地で、スーパーマーケット、本屋、外食屋などがあり、ショッピングも充実。居住環境は太田光大統領でおなじみのサクラ共和国と遜色がないのに、なぜか鉄道はない(サクラ共和国も鉄道はなく、バスが頼みの綱)。これほど居住環境が充実していると、わざわざ遠くに出向く必要性もないだろうが、グリーンライン若葉台中央延伸で、快適性が増すことを願っている。
★備考
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グリーンラインレポート、興味深く拝見しました。
地下鉄新線は何処も集客に苦労しているようですね。
それにしても中山に地下鉄とは!
時の流れを感じます。
by サットン (2008-07-07 09:35)
リポートお疲れ様です。
私は以前横浜市戸塚区で仕事していましたので興味深く拝見しました。
戦後日本では鉄道冷遇で道路整備優先(経団連の前のトップはトヨタのボス)の政策をとってきました。そのために多額の資金投入を要する都心部の鉄道整備がなかなか出来ず、環境悪化に結びついています。更に昨今の原油高で自動車を手放す人も出てきています。そのためにも公共交通機関に対して利用していくような施策をとっていくべきではないでしょうか。この種の新線は開業後利用客が少なく多くが苦戦していますが、少しでも多くの人が利用しやすいにすべきです。
by UZ (2008-07-07 20:22)
サットンさん、どうもありがとうございます。
今里筋線もなかなか入ってこないようですね。副都心線は有楽町線と一心同体のため、アクシデントが起こるとものすごくモロいようです。先日も西武池袋線所沢で人身事故が発生した影響で、副都心線は渋谷-池袋間の折り返し運転でした。
中山は御存知かもしれませんが、緑区役所の最寄り駅になります。しかし、グリーンラインに緑区の駅は中山だけなんですよね。
中山は都会ではなく、田舎でもないので、“平凡”なところなのでしょうね。ラッシュ時はどのくらい利用しているのかはわかりませんが、多くの人々に愛される路線であって欲しいと願っております。
by 岸田法眼 (2008-07-07 23:18)
UZさん、どうもありがとうございます。
グリーンラインの低調は予想できたことですが、なんとも悲しいですよね。私はクルマは好きで免許はありますが、持っておりません。
公共交通機関は重要な存在ですが、物価の上昇により、今度は休みの日はどこへも出かけない人たちが増えるのではないかと思います。
街としての充実ぶりは港北ニュータウンが上なので、センター南を観光地として集客アピールをすればいいのではないかと思います。
なお、このシリーズは次回で最終回となります。また、明日はお休みいたしますが、水曜日以降にアップする予定です(変更になる場合もあります)。
by 岸田法眼 (2008-07-07 23:23)
横浜若葉台の場合は、その北隣の霧が丘高校との間の空き地が新設鉄道用地として確保してあったんですよね。
今はどうなってるのかわかりませんけど、昔は市営バスの廃車待ち車輌の車庫兼職員駐車場になったましたけどね^^
若葉台・霧が丘の住民が結束して、環状鉄道からの分岐線として新設を陳情するしか方法はないでしょうけど、折からの不景気と横浜市財政の悪化もあって、この先30年ほどは難しいでしょうな。
by hankyu8200 (2008-11-03 15:37)
hankyu8200さん、どうもありがとうございます。
鉄道用地の話は初耳ですね。こういうところに鉄道がないというのは、おかしな話です。
今は世界的な不景気になっておりますが、財政がダメなら募金でまかなうしかありません。あとはたまるかどうかでしょうね。
by 岸田法眼 (2008-11-03 19:30)