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2008年の汽車旅4-6 [汽車旅2008]
特急〈ドリームにちりん〉宮崎空港行きの発車を見届けたあと、改札へ。JR北海道根室本線の帯広と同様、改札は1・2番のりば用、3・4番のりば用に分けており、わかりやすくしているが、ホームは2面4線というのは意外な気がする。それだけ列車の運行本数が少ないということでもある。
改札係員はアロハシャツを着ているが、その姿に見慣れていない私は一瞬、“改札の人はどこだ?”と探そうとしてしまった。“定位置”に改札係員がおらず、あわてて戻ったところを見て、気づいた。ここでは下車せず、青春18きっぷに日付印を押してもらう。ちなみにアロハシャツの下は黒いスラックスをはいており、正規の制服のようだが、アンバランス。アロハシャツは半袖なので、腕章がつけられず、このほうがいいのだろう。
宮崎では電車は「各駅停車」、気動車は「普通列車」と呼び分けている。放送する係員によってはどちらも「各駅停車」と案内しているが、自動放送ではすべて「普通列車」となっている。
4番のりばでは817系の鹿児島中央行きワンマン列車が発車を待っており、利用客は高校生主体だが、運転士は「各駅停車」と案内していた。つまり、この電車は「各駅停車鹿児島中央行きワンマン列車」なのである。ちなみに以前は福岡都市圏の普通電車は「各駅停車」と案内していた時期があった。
3番のりばに各駅停車油津行きワンマン列車(キハ40 8100)が入線。2両編成で、うしろ1両はマンゴー色の日南線カラー車で、先頭車に並んでいた私は頭を抱えるが、各駅停車鹿児島中央行きワンマン列車からの乗り換え客が意外と多いこともあり、動けない。動いてしまうと坐れない恐れがあるからだ。
JR九州の国鉄産気動車の多くは415系鋼製車と同じ塗装をしており、車内もJR九州産に比べると、オリジナルを堅持しているため、大幅な格差を感じたが、近年はシートモケットを変えている。“まだまだ使う”という証でもある。シートモケットを変えただけでも格差が改善されている。
各駅停車油津行きワンマン列車編成表 | |||||
乗車区間 | 号車 | 車両番号 | 禁煙 | 備考 | |
油津 | なし | キハ40 | 8100 | ○ | なし |
宮崎 | なし | キハ40 | 8097 | ○ | 日南線カラー車 |
6時45分に発車し、大淀川を渡る。日豊本線でもっとも印象に残る車窓だが、なぜか撮影しておらず、大淀川の大海原ならぬ“大川原”にじーっと眺める。国鉄時代、キハ80系で運行した特急〈おおよど〉を思い出す。ちなみに特急〈おおよど〉の愛称の由来は言うまでもなく、大淀川で、博多-宮崎間を吉都線経由で運行していた。
大淀川を渡り終えると、南宮崎4番のりばへ。向かいの3番のりばには先ほど見かけた各駅停車鹿児島中央行きワンマン列車に追いつく。つまり、接続なわけで、宮崎で乗り遅れても南宮崎で追いつくのだ。
各駅停車鹿児島中央行きワンマン列車が先に発車し、上りの1番のりばには485系RED EXPRESSの特急〈にちりん2号〉別府行きの姿が。JR九州の485系は今や日豊本線が“最後の活躍”と言ってもよさそうだ。
6時56分に発車。ここから日南線に入るが、意外と利用客が多く、立客が発生するほどである。
田吉で各駅停車宮崎行きワンマン列車と行き違い、発車すると宮崎空港線と別れる。宮崎空港線はJRグループの路線ではもっとも距離が短いところで知られているが、宮崎空港発の上り1番電車は2008年3月15日(土曜日)のダイヤ改正時点、8時30分発の各駅停車延岡行きワンマン列車である。その分、下りの朝は早いものの、終電は延岡17時43分発の各駅停車宮崎空港行きワンマン列車で、終点には19時41分に到着する。
南方は阪急電鉄京都本線にも同じ駅があり、発車すると進行方向左側には巨人の1軍キャンプで使用するサンマリンスタジアム宮崎が遠くから見える(画像は上り列車で撮影)。日南線沿線はプロ野球のキャンプ地が多く、2月になると利用客は多いだろう。特にサンマリンスタジアム宮崎は宮崎総合運動公園内にあり、巨人がキャンプを実施している。
巨人の宮崎キャンプは歴史が古いものの、福岡ソフトバンクホークスはダイエー時代に宮崎へ移転(同じ宮崎市内でも場所が異なる)。それまで福岡を本拠地とする球団なのに、なぜか九州でキャンプを張ることはなかった。
かつて、宮崎総合運動公園内にある宮崎市営球場で巨人の1軍キャンプを開催していたとき、平成5年(1993年)は長嶋茂雄監督の復帰、松井秀喜選手の入団で大いに沸き、2000年は背番号3の復活で再び沸いたものの、その後は“中古車戦略”による人気の低下で、キャンプの観客動員数は福岡ソフトバンクホークスが上回っていると言う(以前、日本テレビの番組で長嶋一茂が「どうして巨人のキャンプに行かないのですか?」と当時の福岡ダイエーホークスファンに直撃したことがある)。
窓が汚れていて、車窓は満喫できねぇーが、運動公園を発車すると、日向灘に直通する加江田川を渡り、青島へ(画像は上り列車で撮影)。ここで各駅停車佐土原行きワンマン列車(Local for Sadowara)と行き違う。青島は宮崎県では5本の指に入る観光地である。
折生迫(Oryuzako)を発車すると、勾配となり、内海(Uchiumi)を過ぎると、進行方向左側は“日向灘オーシャンショー”へ。小内海を過ぎると、一旦、日向灘オーシャンショーは終了するが、列車は伊比井(Ibi-i)に到着。駅の所在地は宮崎市から日南市へ変わった。宮崎市は意外と規模がデカい。
伊比井で各駅停車宮崎行きワンマン列車と行き違い、発車すると、勾配はさらにキツくなり、気動車はうねりをあげる。
「お客さーん、終点よぉー」
と気がついたら、私以外に利用客はおらず、運転士に起こされていた。8時12分、終点油津1番のりばに到着していたのである。この列車は折り返し、各駅停車南宮崎行きワンマン列車へ変わる。
さて、うしろの車両の日南線カラー車だが、沿線でキャンプを行なう巨人のオレンジと広島東洋カープ(通称、「広島カープ」)の赤を足すと、その色になるわけではないが、マンゴー色をベースにドルフィンのロゴがあり、“日南線の国旗”というふうにも受け取れる。
車体側面には「NICHINAN LINE」のゴシック体の青い英文字があり、外側はスカイブルーでかこっている。青い海に澄み切った青空をイメージしているのだろう。オーソドックスカラーの多いJR九州の国鉄産気動車にしては派手に映る。
車内は先述したように国鉄時代と変わらないが、シートモケットを張り替えたことにより、古さを軽減している。以前は国鉄ブルーのシートモケットのままであったため、古い車両がより古く見えるのだ。ただ、冷房改造車とあってか、効きが悪く、扇風機の力が必要だ。
油津は日南市の玄関駅といえるところだが、簡易委託駅となっており、駅舎内の天井にはこいのぼりがつるされ、“日南市と言えば広島カープのキャンプ地”を連想させる。
広島カープといえば、キャンプの猛練習でたたきあげるイメージがある。猛練習により、数々の名選手を輩出したが、多額の費用がかけられず、フリーエージェント(通称、「FA」)宣言で他球団に移籍されてしまっている。また、平成5年(1993年)にFA制度を開始して以降、広島カープは1度も優勝しておらず、平成3年(1991年)以来の美酒はいつになるのか、やきもきするファンも多いことだろう。
駅舎内には飫肥杉(Obisugi)の一枚板ベンチがあり、バナナのような曲がり具合が印象に残るが、直線よりも少し曲げたほうが話に花が咲くのであろう。
駅舎を出ると、クロマグロのモニュメントが目立つ。これは平成4年(1992年)度に宮崎県から一部助成を受けて、建立したもので、知りバーメタリック1色でマグロの周囲は空、海、波、雨を表現。夜はマグロが7色に輝くという。
日南市は昭和25年(1950年)1月1日(日曜日・元旦)、宮崎県南那珂郡(Minaminaka a Group)飫肥町(Obi Town)、吾田町(Agata Town)、油津町、東郷村を合併して誕生。昭和38年(1963年)から広島カープが日南市天福球場で日南キャンプが行なわれ、現在は日南総合運動公園野球場(東光寺球場)も使われ、前者は1軍、後者は2軍が使用している。
2000年2月、日南市誕生50周年を記念し、マグロを“日南市の魚”に制定。2009年3月30日(月曜日)には南那珂郡南郷町(Nangoh Town)と北郷町(Kitagoh Town)を吸収する予定である。
さて、油津に戻り、8時40分、2番のりばに各駅停車志布志行きワンマン列車(キハ40 8104)が入線。すると、下りの運転士は各駅停車志布志行きワンマン列車、上りの運転士は各駅停車南宮崎行きワンマン列車にそれぞれ乗り換え。こんな光景は初めて見た。
下りの運転士は折り返し、各駅停車志布志行きワンマン列車になっても寝ている男性利用客を宮崎弁をまくしたて起こし、気がつくとあわてて乗り換えたが、利用客は標準語でしゃべっており、意外と“御当地言葉”がわからないらしい。
「ドア閉まります」
と運転士はなぜか、そこだけアクセントはバッチリの標準語で、ドアが閉まり、8時48分、志布志に向けて発車した。
★備考
①日南市役所ホームページはこちらにクリック!!
②フリー百科事典『Wikipedia「日南市」』はこちらにクリック!!
③岸田法眼のRailway Blog.「各駅停車と普通列車」はこちらにクリック!!
★緊急速報
2008年9月20日(土曜日)、11時50分頃に阪急電鉄甲陽線甲陽園駅で、終点到着を目前とした各駅停車(ワンマン運転)の最後部車両が脱線する事故が発生しました。
さいわい、ケガ人はおらず、不幸中のさいわいですが、原因を究明し、1日も早い運転再開を願っております。
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★お知らせ
2008年9月30日(火曜日)まで2者択一サイト、『Unow?』で、「モハよう著者からの20の質問」が公開されており、質問28・33で私の画像と解説が掲載されております。ぜひ、アクセスしてみて下さい。
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②『Unow?「モハよう著者からの20の質問」』はこちらにクリック!!
③『Unow?「モハよう著者からの20の質問」』の質問28はこちらにクリック!!
④『Unow?「モハよう著者からの20の質問」』の質問33はこちらにクリック!!
※②~④は2008年9月30日(火曜日)まで公開予定です(翌日以降は削除されている可能性がありますので、あらかじめ御了承下さい)。
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(ホビージャパン刊行)
定価1600円(本体1524円)
雑誌コード…68143-49
ISBN…978-4-89425-714-6
岸田法眼のウソつき4択 powerd by けんてーごっこ
南九州の485系は新幹線の博多開業により、消えてしまう可能性が高いですね。
私も早く撮影したいと思ってます。
by schnitzer (2008-09-20 22:50)
schnitzerさん、どうもありがとうございます。
私もそうにらんでいるんですよ。〈リレーつばめ〉の787系が押し寄せてくるのでしょう。もしかすると、787系は〈にちりん〉〈ひゅうが〉、ハイパーサルーンは〈きりしま〉と活躍の場が変わるかもしれませんね。
by 岸田法眼 (2008-09-20 23:41)
お疲れ様です。
宮崎にもいよいよ817系が進出しましたね。急ぎでなければ485系使用の特急よりも817系や713系を利用しますね。
広島カープも現状では快進撃を続けています。広島市民球場ラストイヤーにふさわしい成績を残してほしいものです。
by UZ (2008-09-20 23:57)
UZさん、どうもありがとうございます。
817系1000番台の投入にともない、筑豊本線や篠栗線で活躍していた817系0番台はトップナンバー以外、宮崎・鹿児島地区へ移りました。
おっしゃる通り、817系や713系SUNSHINE車のほうが魅力ですね。485系・783系は宮崎-宮崎空港間で気軽に利用できますので、青春18きっぷの旅の選択肢は広いですね。
カープは3位につけており、クライマックスシリーズに出場できる可能性があります。もし、日本一になると“メークミラクル”になるでしょうね。
by 岸田法眼 (2008-09-21 01:37)