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第21回参議院選挙 [らりるレビュー]

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「ダメな総理大臣は国民投票でクビにします」

「選挙で過半数を得られなかった内閣は総辞職を義務化します」  

いずれも、日本テレビで放送された『太田光の私が総理大臣になったら… 秘書田中。』で太田総理が可決したマニフェストである(前者は2006年6月23日、後者は2007年8月3日放送)。  

第21回参議院選挙は国会の会期延長にともない、当初の予定より、1週間遅れての実施となったが、自由民主党(通称、「自民党」)が歴史的な大敗と報道され、民主党が躍進した。ただ、自民党が歴史的大敗と報道しても、ほかの政党と無所属の当選者数がひとケタのため、「歴史的」という言葉を使うのは違うのではないだろうか。  

今回、民主党は初めて参議院第1党となったわけだが、候補者を告示する前から、テレビのCMを積極的に放映し、“国民が暮らしやすい政治づくり”を公約していた。以前は民主党のトップ3が荒波に飲まれながら、船のかじとりをする内容で、真剣さがちっとも伝わらない内容だった。「そうはい神崎」以来の駄作政治CMだったわけだが、方針転換をしたことが成功につながったようだ。また、小沢一郎代表が参議院選挙の結果次第では政治家を辞めることを示唆しており、大バクチではあるものの、早めに仕掛けたことが今回の参議院第1党につながったと見ている。

但し、CMでは流していなかったが、憲法9条改正(改悪)することに賛成している立場のため、国民の理解を完全に得ることができるかどうかが、気になるところである。

自民党は「成長を実感に」というキャッチフレーズで、安倍晋三総理大臣(次からは「安倍首相」と記す)は自信ありげに「改革実行力、自民党」と声高らかで、圧勝することを確信しているかのような笑みをCMで浮かべていたが、結果は惨敗。また、大物議員の落選が相次いだ。

安倍首相は北朝鮮に拉致された日本人の一部を帰国させることに成功し、すべての被害者を救出することを全面にかかげて、小泉内閣のあとを継いだが、郵政造反組の大半の元自民党議員を復党させてから、支持率が落ち、さらに大臣が相次いで自殺や辞任に追い込まれ、“消えた年金”が2006年12月にわかっていながら、2007年6月まで公表しなかったことで、急落。第21回参議院選挙では“落ち目を実感”する展開になったものの、退陣せずに続投という、多くの国民や議員にとっては、“ダダをこねる”あるいは“わがまま”というイメージがあるだろう。

本人にとっては、“闘う政治家”と名乗り、先祖代々の政治家一家というプライドがある。そして、テレビのCMで「改革実行力」を宣伝しているのだから、それを国民に証明するまでは続ける意思があるのだろう。これは第21回参議院選挙前から、退陣しないことは予想できたことである。しかし、7月の党首会談では“爆弾発言”をしている。

「私(Watakushi)と小沢さん、どちらが首相にふさわしいか、ということについてもですね、国民の皆様のお考えをうかがっていくということにもなるわけでございます」

と言いながら、みずから“強行採決”するとは自分の言動に責任感がなく、これではいくら続けても、支持率は上がらないだろう。また、一部の自民党議員は解散総選挙まで、安倍政権でいく意向があることを2007年8月3日(金曜日)放送の『太田光の私が総理大臣になったら… 秘書田中。』で、しゃべったものの、太田総理は“その議員の本音”でないと見ている。

本来ならば、参議院第1党の民主党が政権を握ればいいのだが、小沢代表が首相になるのか、あるいは鳩山由紀夫氏、菅直人氏のどちらかが就くのかはわからない。いずれにせよ、民主党が政権を握った際に首相になるのは、この3人のどちらかになるのは確実であろう。

今後、衆議院選挙、参議院選挙では総理大臣の信任投票も行なうべきではないだろうか。信任は○、不信任は×をつけ、明確にさせるのだ(裁判長の信任投票と同じやり方)。無作為に行なう世論調査とは違い、国民の声がしっかりと伝わることになる。  

今回、参議院第1党となった民主党は年金手帳の交付を提案している。これにより、消えた年金をなくすことにつながるとしているが、私みたいに整理整頓が下手な人には余計なモノが増えるだけのような不安があるし、管理しきれないだろう(実は年金手帳をどこにしまったのかわからない)。また、年金通帳を発行するよりも、住民基本台帳(住基ネット)と一体化したほうがよりわかりやすいのではないかと思うが、住基ネットの番号がわからず、いちいち役所に行って問い合わせをしなければならない難点があるなど、年金問題は課題が山積の状態だ。

こうならないためにも、国民及び厚生年金を廃止、社会保険庁も解体して、銀行や郵便局による“金融機関年金制度”に変えたほうがいいだろう。

これは20歳まで、銀行か郵便局の口座を開設することを義務化。20歳になれば、年金を振り込む、あるいは通帳から年金口座にまわす。年金口座はもらえる年齢になるまでは、1円たりとも引き出すことはできないようにする。また、引き出せる例外措置はもらえる年齢になるまで亡くなられた場合のみとする(葬儀費用またはユニセフへ寄付とするが、自殺は対象外)。

一般的にいえば、“貯金の延長”みたいなものだが、社会保険庁が大バカモノだらけで、国民が支払った年金で様々な不正を働いたあげく、逮捕者が出ないのだから、もはや年金どころか現金そのものを自分自身で守るしかないのだ。その上、キータッチ5000回で休憩というのもバカバカしい。毎日、ワードでキータッチを5000回以上も入力している者にとっては腹立たしい限りだ。社会保険庁や一般企業よりも俺はキータッチしているのだから。 私は政治家に期待することはなにもない。政治家や大富豪は庶民よりも税金を多く払い、暮らしを豊かにする。そして、国民も政治家の手腕に甘えることなく、よりよい日本を作り出す責任があるだろう。 今後は国民がマニフェストを国会に突きつける世の中にして欲しいと、私は願っている。  

さて、私は選挙の演説に遭遇したことが2回ある。  

1回目は2003年10月25日(土曜日)、所用で千葉県柏市へ。  

所用が終わり、都内へ移動しようとしたさい、JR東日本常磐線及び、東武鉄道野田線柏駅東口では桜田義孝議員の応援演説に小泉純一郎総理大臣(当時)が参上!!



「構造改革必要だ、がんばーれぇーっ、小泉っ!!」  

と力説していた。ちなみに私は千葉県民ではないので、桜田議員が当選したかどうかは知らない。また、小泉総理大臣によると、高速道路の非常電話は40萬で設置できるそうだが、実際は税金のムダづかいで1台240萬もかかるとのこと。これも構造改革の1つだとか。

 

それが終わって、ノドがかわき、ふと西口へ出たら、今度は麻倉未稀ミニライブ!!

「いやぁー、さっきまで純ちゃんがいましたねぇー」  

と代名詞『HERO』を熱唱したあと、麻倉未稀はそうコメントしていた。 

近辺に有名人が2か所で大暴れとは初めての経験である。ちなみに桜田議員は当選した。  

2回目は2007年7月22日(日曜日)、所用で埼玉県春日部市にいた私は帰宅する途中、東武鉄道伊勢崎線・野田線春日部駅では、人が高齢者を中心に集まっていた。バスやタクシーなどが通るロータリーには選挙カーが3台止まっている。「たしかな野党」をキャッチフレーズとする日本共産党だった。

日本共産党は住民税、消費税といった増税ストップ、緊急福祉1兆円プランというマニフェストがあり、比例代表№1を狙っている。

住民なのか、党の仲間か、ペーパー横断幕を広げた。その内容は憲法9条改悪反対や増税反対といった庶民の声である。 選挙カーの上に司会の女性、埼玉県知事選挙に出馬予定の吉川春子氏が登場。タイミングがいいことに路線バスが発車していった。

18時30分、日本共産党の選挙運動が始まり、まずは吉川氏の演説。現在の埼玉県政は政府のやらないことには一切やらない方針らしく、吉川氏はそれに不満を持っている。思えば、石原慎太郎東京都知事が初当選した時のスローガンは「東京から日本を変えてゆく」、「NOと言える東京を」だった。また、吉川氏は平成19年新潟県中越沖地震が発生した2007年7月16日(月曜日・海の日)当日に柏崎市へ飛んでゆき、惨状を見てきたという。この日、安倍首相はヘリコプターで乗り込んでいるものの、すぐさま帰京したとか。

平成19年新潟県中越沖地震では、東京電力の原子力発電所が火災及び、放射能漏れを起こしているが、それも批判。消火体制の整備がされていないことに憤りを見せていた。そして、いい主張はラッパのようなもので吹く人もいた。 吉川氏の怒りの主張は収まらず、埼玉県知事は河川に関する予算も放棄したとか。そのあいだ、選挙カーの上には綾部澄子候補、小池晃(Akira Koike)政策委員長が現れた。

「私の演説を終わりにしたいと思います」  

と言い、締めくくったものの、「思います」という言葉が引っ掛かる。「終わりにします」が正当な表現である。  

18時43分、今度は綾部候補にバトンタッチ。日本共産党は平成19年新潟県中越沖地震の募金活動をしているという。  

安倍首相は消費税の増税を予定しているらしいが、民主党の鳩山由紀夫氏は「仕方がない」と思っているそうだ。これに綾部候補は待ったをかけ、住民税共々、増税に反対。男だったら、「庶民からこれ以上、税金をふっかけるな!!」と言っているかもしれない。ほかにサービス残業廃止、正社員の増加も訴えている。会社側も安易にアルバイトや派遣社員を使うから、こうなるもので、私は以前から、「非正社員の雇用禁止」を全面に打ち出している。  

憲法9条改悪は自民党、公明党、民主党が変えようとしている。日本共産党は全員一致の団結力で、憲法9条を守るかまえでいる。それは社会民主党(通称、「社民党」)も同じことである。  

18時51分、大トリは小池政策委員長。ストップ増税、ストップ貧困、憲法9条改悪反対を改めて打ち出した。そして、安倍内閣を「欠陥車」と猛烈に批判!! そして、次々と言いたいことを国民に訴えてゆく。

「みなさん、欠陥車は修理を終えたら、また火を噴き出す(大臣の辞任で交代しても、不審な展開が続くという意味)」

「自民党の片山虎之助さんは気が動転していたと言いました」

「汚れた政治の大掃除、みなさん、やろうじゃありませんか」

「ダムを逆さに読むとムダ」

「難民がいるようでは“美しい国”とは言えないのではないでしょうか」  

小池政策委員長は実際にインターネットカフェへ足を運び、カフェ(のみもの)はセルフサービスであることに驚いたという。個室は狭い空間で、リクライニングシートで「く」の字になって寝る。本人はナイトパックをとったのかどうかは知らないが、店によってはマットタイプの個室もあり、横になれる。  小池政策委員長はかなりの名調子で、時たま民の爆笑を誘っていたが、“これを『ビートたけしのTVタックル』で発揮してくれたらなぁー”と思う民も多かったことだろう。  

19時10分過ぎ、日本共産党の演説は終了した。  

綾部候補と司会者は選挙カーを降りた。綾部候補は民の面々に握手をして、1票を呼びかける。中には久しぶりに会う民もいたようだが、私も握手をしてもらった。  

政治家は電車賃がタダというものの、綾部候補と女性(秘書だと思われる)はあらかじめ、乗車券を購入しており、伊勢崎線の急行中央林間行きに乗った。この電車は東京地下鉄半蔵門線に直通するため、永田町へ向かったのだろうか。  

電車に乗ったところまではよかったものの、女性は車内で携帯電話の通話をしていたのはいただけない。これでは、せっかくの綾部候補の熱弁をダイナシにすることにもなりかねない。  

電車内で女性が携帯電話の通話をしていたことの大きく影響したのか、綾部候補は落選。小池政策委員長が批判した片山候補も民主党の“お姫様”にやられて落選。さらに埼玉県知事選挙に出馬した吉川氏も落選した。  

そして、2007年8月27日(月曜日)、世間の冷たい風を浴びながらも“じっちゃんの名にかけて”と言わんばかりに安倍首相は内閣改造を断行。背水の陣で国民の信頼を回復しようとしているが、大臣のほとんどは自民党で、参議院第1党の民主党からは誰も選ばれなかった。


「美しい国づくり、新しい国づくり」  

と安倍首相はまたも“愛国心”を強調するような発言をしたが、日本人にとって、日本で生まれたということは、“祖国”であることに変わりはない。だが、そこまで日本を愛していたら、野球やサッカーのスター選手が外国へプレーすることはないと思う。  

最後に2007年8月10・11日(金・土曜日)、フジテレビで『はだしのゲン』を放送したが、“「日本が戦争に負ける」と思えば非国民”という世の中だった。日本が戦争に勝つことが“愛国心”の証だったのだ。 もし、“愛国心がなければ、原爆が落とされる前にポツダム宣言を受諾し、あの惨劇は起こらなかったのではないか”と頭をよぎった。

★備考

①今回の記事は2007年8月に執筆したもので、一部、加筆・修正をしております。

②2009年7月18日(土曜日)時点、首相は安倍氏から福田康夫、麻生太郎の両氏にバトンタッチされており、民主党の代表も鳩山由紀夫氏に代わっております。

③今回の記事は、2009年8月30日(日曜日)に衆議院解散総選挙が行なわれる予定であることをにらみ、掲載いたしました。

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