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2009年の汽車旅4-6 [汽車旅2009]

◆下記の記事をまだ御覧になっていない方は、下記のURLへクリックしてください。

・2009年の汽車旅4-1~5
http://railway583.blog.so-net.ne.jp/2010-02-09

◆九州鉄道記念館へ  

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門司港レトロ観光線の乗車を終え、九州鉄道記念館へ向かう。途中、門司港の留置線に廃車が確定したのか、ナンバーをガムテープで隠すEF81形400番代の姿を発見。2009年3月14日(土曜日)のダイヤ改正で、寝台特急〈はやぶさ〉〈富士〉、臨時快速〈ムーンライト九州〉が姿を消したため、戦力外になってしまったようだ。ジョイフルトレイン客車に望みを託したいが、現実は厳しいだろう。  

九州鉄道記念館に到着。入館料300円(4歳から中学生までは150円)を払い、まずは目の前にある車両展示場へ。  

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順番に展示車両を紹介すると、蒸気機関車は2両あり、「59634」のナンバープレートをつけているのは、9600形。大正2年(1913年)に産声をあげ、14年間で770両が作られた。初の国産貨物用蒸気機関車で、昭和51年(1976年)3月5日(金曜日)まで63年間活躍した。国鉄は昭和51年(1976年)3月5日(金曜日)で、蒸気機関車の運行に一旦ピリオドを打っており、最後は北海道の追分で、入換用に使われた。  

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次はC59形1号機。C59形は東海道・山陽本線の旅客用蒸気機関車として、昭和16年(1941年)に産声をあげ、昭和23年(1948年)まで173両が作られている。戦後になると電化が進み、高性能が災いとなって、運用範囲が狭まってしまった。一部は改造され、C60形として生き残りの道を歩むが、C59形は昭和45年(1970年)秋で、29年の活躍にピリオドを打った。ちなみにC59形1号機は、24年5か月で249萬1580.4キロを走行。これは地球62周分に相当し、準鉄道記念物に指定された。  

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次はEF10形35号機。これは関門トンネルの初代電気機関車で、昭和16年(1941年)に産声を上げ、昭和17年(1942年)6月20日(土曜日)にデビュー。当時、下関―門司間は直流電化されていたが、鹿児島本線の交流電化が決まると、関門トンネルの門司側で電流を切り替えることになり、直流専用のEF10形は他線区の転用を余儀なくされたものの、昭和54年(1979年)まで活躍した。  

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次はED72形1号機。これは九州交流電化最初の電気機関車で、昭和36年(1961年)に産声をあげた。暖房用ボイラーを搭載していたが、電気暖房に変わったことにより、貨物列車の牽引にも使われた。  

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次はキハ07 41。キハ07形は昭和12年(1937年)に産声をあげた気動車で、当時はガソリンエンジンで走っていたが、昭和27年(1952年)、ディーゼルエンジンにチェンジ。昭和44年(1969年)まで32年間活躍した。  

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キハ07 41は車内に入ることができるものの、土足禁止。また、飲食や側窓の開閉を禁止しているが、車内はセミクロスシートで、昭和初期の香りが漂う。 ボックスシートの背もたれはかなり低く、うっかりしていると、うしろの人の頭にぶつけてしまいそうだ。また、ボックスシートの特権なのか、灰皿が設置されている。現在は館内全域禁煙なので、ここで煙をくゆらすことができない。通路の頭上は白熱灯が均等な間隔で設置されており、おそらく、夜間やトンネル内は独特の雰囲気を醸し出していただろう。ロングシートにある吊り手は、木製で年輪が刻まれている。この吊り手を見ると、和歌山電鐵の『たま電車』に似た雰囲気だが、「柔」という感じ。キハ07 41は「剛」だろう。

このような車内をした車両に乗ったことがあり、2002年12月21日(土曜日)に利用した紀州鉄道だ。当時はキハ603という車両に乗ったが、白熱灯の輝きは今でも忘れられない。

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次はクハ481-603。ボンネット先頭車で、昭和44年(1969年)に新製されたが、当初はクロ481-5だった。この当時、“脱ボンネット”の583系が全盛期に突入しようという時代にもかかわらず、昼行特急形電車はボンネットにこだわっていたのである。

クロ481-5は東北地方で活躍していたが、昭和58年(1983年)に鹿児島車両所へ転属されると、普通車に格下げ改造が行なわれ、クハ481-603に改番された。

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平成9年(1997年)に御役御免となり、小倉工場で保存され、整備を受けたのち、九州鉄道記念館に展示されている。 こちらは土足でも入れるので、車内へ。側窓は座席2列分のワイドではなく、1列分であるところを見ると、グリーン車の面影が残る。改造時期が1980年代のせいか、普通車は簡易リクライニングシートに変えているが、485系は当初、リクライニングすらしない回転式クロスシートを装備し、分割民営化初期まで使われていた。ちなみに国鉄の急行形車両は電車、気動車、客車問わず、普通車はボックスシートだったが、急行〈りょうもう〉で活躍した東武鉄道1800系は回転式クロスシートを採用しており、グレードに差がついている。

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次はクハネ581-8。これは昭和42年(1967年)に世界初の寝台座席兼用電車で、衝撃のデビューを飾った581系である。581系は寝台特急〈月光〉でデビューしており、そのヘッドマークを見ると、〈月光〉の文字色は金色に輝いているように見える。まるで“時代のニューヒーロー参上”を積極的にアピールしたかった国鉄の誇りに思えてくる。

塗装は581系だが、車内は715系。昭和59年(1984年)に近郊形改造を受けて、クハ715-1に変身。側窓が開閉式になっているため、715系の面影が残っている。

715系が退役したあと、クハ715-1は解体を免れ、2000年に塗装や国鉄マークなどが復元され、外観だけだが581系によみがえらせた。  

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車内に入ると、一部は3段式B寝台下段にセットされている。近郊形改造を受けても、寝台設備だけは残っていた。581系、583系が近郊形改造を受けていた当時の国鉄は、財政が悪化して、底なし沼にはまっている状況を露呈したような時代だった。改造コストも抑えなければならず、“急場しのぎ”の車両といえるが、現在もJR西日本は419系として、まだまだ奮闘している。  

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クハネ581-8の前には、セラ1239という石灰の貨車が展示されているものの、製造初年、製作会社については調査中いう、謎の車両だ。

◆私の執筆記事が九州鉄道記念館で読める?!  

車両展示場見学を終え、本館へ。明治24年(1891年)に建てられたもので、120年近くの歴史を誇る。  

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中へ入ると、キッズルームへ。ロゴを見ると、日本語、英語、中国語、韓国語の4か国語表示である。ここは鉄道の本やおもちゃがあり、家族連れにはピッタリだろう。父親か母親のどちらかが子供と遊び、片方は気兼ねなく見学できるよう、配慮しているものと思われる。  

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人気なのは811系の運転シミュレーター。私も運転したいところだが、時間の都合でカット。九州の鉄道大パノラマは、鉄道模型のジオラマが壮大なスケールで展示されており、新幹線は0系、800系、500系、N700系7000番代による夢の顔合わせが実現。実車では“四天王の顔合わせ”が実現できなかっただけに、模型ならではの豪華なキャスティングだ。  

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2階へあがると、九州を走った客車列車のヘッドマークがズラリと展示されている。機関車掲出のヘッドマークは、九州独特のもので、中華鍋のウラみたいな形状をしており、丸みが強調されている。すべて現存しない列車や車両ばかりだが、懐かしい気分で見ることができるし、若者ならば新鮮と衝撃を感じるのかもしれない。  

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このほかに現在は九州新幹線の愛称として走る〈つばめ〉の歴史を紹介。国鉄にとって、〈つばめ〉はシンボルの1つで、かつてはプロ野球のセリーグに国鉄スワローズを所有していたし、国鉄バスはツバメのイラストが描かれていた。また、〈つばめ〉は昭和初期から運行されており、すべて特急として、現在に至るまで、そのプライドを守り続けてきた。ちなみに九州新幹線の愛称として走る〈つばめ〉は5代目になるが、残念ながら新大阪―鹿児島中央間の愛称には選ばれなかった。しかし、九州新幹線全通後も〈つばめ〉の名は永遠に羽ばたくようだ。  

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その隣には、883系オリジナル、885系“白いかもめ”の普通車座席が展示されている。883系は全車リニューアルされたため、オリジナルのシートモケットは消滅しているが、この車両を初めて見たときは衝撃だった。「なんじゃこりゃ」と言いたくなるほど、垢抜けていたからである。787系とは対照的な車内に、賛否両論があったかどうかはわからないものの、リニューアルによって、落ち着き感が強調されている。  

2つの座席を見ると、885系に軍配を上げたくなる。本革使用であることや、ゆったり坐れそうな雰囲気がするからだ。885系の普通車は「グリーン車じゃないの?」と思わせるほど。普通車でありながら、マジックテープで頭部位置を調節できるのだから、“スゴイ普通車”だと思う。グリーン車に乗らなくても、充分過ごせそうだ。  

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情報コーナーに入ると、『週刊鉄道データファイル』のファイルが目に飛び込む。残念ながら、私の執筆記事は見当たらなかったものの、いずれはファイリングされるだろう。旅立ち前には『週刊鉄道データファイル』の入稿しており、すがすがしい気分になることができた。“いつかは著書がここにあれば”という夢や目標が浮かび上がると、“頑張ろう”という気になる。人間というのは、無意識のうちに頑張っているもので、意識すると、空回りするのではないかと思う。なので、自然体にやっていきたい。  

なお、館内における図書の公開は、毎週土・日曜日と祝日に限定されているので、御注意を。  

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再び1階へ下りると、明治時代の客車が展示されている。車内へ入ることができるものの、時間の都合でカット。この車両の座席は畳だという。

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本館を出て、ミニ鉄道公園へ向かう途中、分岐器へ。手動で操作するものだが、使用厳禁。そして、ミニ鉄道公園へ。ここには885系“白いかもめ”、787系、883系、『ゆふいんの森3世』こと、キハ72系と813系のミニバージョンを運転することができる。1台につき3人乗車できるもので、リアルに運転が楽しめるとあって、小さい子供には人気のようだ。  

時刻は13時50分近くになり、九州鉄道記念館を出て、門司港駅へ。コインロッカーから荷物を取り出し、急いで電車に乗ろう。

★備考

eyevio「2009年の汽車旅4」 



九州鉄道記念館 

岸田法眼のRailway Blog.「583系備考一覧」 

★おまけ

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『週刊鉄道データファイル』の紹介記事で、掲載した画像。

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コメント 2

umi37-

九州鉄道記念館は1度だけ行った事があります。
展示車両の中で一番懐かしいと感じたのはクハ481でした。
僕が高校生の頃、博多駅で電車の写真を撮っていると必ずこの481系はホームに停まっていました。西鹿児島行きの有明、長崎・佐世保行きのかもめ・みどりで良く見ました。
583系は名古屋からの金星を何度か見たことがあります。博多駅に9時半過ぎに到着する列車で、地元の駅で青い特急かっこいい~なんて思ってみていました。
今のJR九州の特急は外観も中身もかなりすごいですね。たま~に乗るたび、特急はすごいなって感じます。
by umi37- (2010-02-10 22:05) 

岸田法眼

umi37-さん、どうもありがとうございます。

エピソードを見ると、九州は国鉄時代も燦然と輝いておりましたね。子供の頃は、583系の〈有明〉〈にちりん〉が印象に残りました。私にとって、583系は国鉄在来線特急の王道車両ですから、これが消えたときは納得がいかなかったです。当時は「状況」というものを把握していませんから。

今もそうなのでしょうが、地元の有料特急や急行は「カッコイイ」やシンボルというふうに見られ、憧れを抱くのでしょうね。

余談ですが、JR九州の特急で乗った車両は、485系、783系、787系のみです。787系に関しては、〈つばめ〉のグリーン車を奮発し、ビュッフェも堪能しました。
by 岸田法眼 (2010-02-10 22:31) 

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