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関東鉄道水海道車両基地イベント2011 [汽車旅2011番外編]

◆関東鉄道の無料シャトルバスが大忙し

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2011年11月3日(木曜日・文化の日)10時59分、関東鉄道常総線の各駅停車水海道行きワンマン列車は、終点水海道2番線に到着した。3番線の外側に1両はバラスト山盛りの貨車が休んでおり、出番を待っている状態だ。

水海道は複線区間の終点で、取手―水海道間は首都圏とみなしても差しさわりがなく、首都圏新都市鉄道常磐新線(以下、「つくばエクスプレス」)の開業により、守谷乗換えで都心へはかなり近くなったが、取手―守谷間の乗車率が下がってしまった。つくばエクスプレス経由のほうが、交通費が安くなる場合があることも、乗車率が下がった一因といえる。

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さて、水海道2・3番線から改札へは構内踏切を渡る。ローカル線の雰囲気を実感するが、階段の上り下りが必須の跨線橋を渡るよりも早く行けるし、車椅子利用客にとっては負担が軽減されるメリットがある。

構内踏切が続いているのは、各駅停車は取手―水海道間の区間運転があること、水海道以北は列車の運転本数が少ないことから、大幅な改良工事をする必用がないと判断しているものと思われる。駅舎も昔ながらの風情を漂わせるが、改札はICカードに対応するため自動化されている。SuicaやPASMOなどのユーザーにとっては、ありがたいことである。

下車し、ホームの取手寄りにある自由通路を渡り終えると、11時04分に先ほどまで乗車した2番線から電気笛の雄叫びをあげ、回送が発車。水海道車両基地に戻る。

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3番線側の自由通路付近に、自社水海道営業所が運行する無料シャトルバスのりばがあり、11時06分に入線。すぐには発車せず、一旦エンジンを切り、11時15分の発車を待つ。

その後、常総線は快速下館行きワンマン列車がたった1両で到着。無料シャトルバスは若干の立客が発生し、11時15分に発車。65㎞/h前後で飛ばす自動車が多いものの、無料シャトルバスは50~60㎞/hで安全運転をする。

ポリテクセンター入口交差点で、対向車線から別の無料シャトルバスが左折する。これは「第7回つくばエクスプレスまつり」の会場である、つくばエクスプレス総合基地から水海道車両基地に向かうのだ。両社のイベントは同日開催を基本にしており、“両方行けることがウリ”である。

私が乗っている無料シャトルバスが同交差点で右折し、信号機がない突き当たり交差点の手前で止まる。つくばエクスプレス総合基地からの無料シャトルバスが先に終点水海道車両基地に到着したため、下車完了待ちなのだ(満員御礼の状態だった)。これは右折左折どちらも道幅が大変狭い公道だからである。さいわい大型車通行禁止の標識は見当たらなかった。

余談だが、常総線はJR東日本水戸線と線路がつながっているため、新車を搬入する際は、下館経由で水海道車両基地に向かう(備考③④参照)。なので、トラックで運搬することはない。


◆キハ350形フォーエヴァー

11時26分、終点水海道車両基地に到着。今回のイベントに来訪するのは初めてである。

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本部で案内図等をいただき、直進すると2011年10月10日(月曜日・体育の日)で営業運転を終了したキハ350形をギャラリー、弁当販売、休憩所として開放していた。日本の鉄道車両では貴重な外吊り式側扉が特徴な車両で、昭和61年(1981年)から平成4年(1992年)にかけて、筑波鉄道、国鉄、JR九州、JR東日本で活躍したキハ35系が関東鉄道に移籍した。

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さて、車内へ入ると、2両ともヘッドマークや思い出ギャラリーを掲示(一部は“上塗り”をして再利用していた)。キハ3511が模型の展示、前部標識灯のデザインがブタの鼻に似ているとかで、「豚めし」という特製弁当(包装紙が2種類あり、いずれも1個800円)、キハ350形最後の乗務行程表(2種類あり、いずれも1部800円)、キハ350形とキハ100形のキーホルダー(1個500円)をそれぞれ販売している。売れゆきは順調で、車内にテーブルを設置しているため、ロングシートとの組み合わせによる“簡易食堂車”となっている。“ツウ”な男性2人は、各車の車端部に向き固定のクロスシートがあり、そこで食事をとって旅情を思い出しながら味わっているかのようだ。クロスシートの向かい側は立客スペースになっているが、かつてトイレを設置していたところだ(関東鉄道移籍時に撤去した)。



キハ350形展示車両編成表
方向号車車両番号禁煙備考
水海道寄りなしキハ3511なし
取手寄りなしキハ358なし

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午後に入ると、キハ3511のディーゼルエンジンが作動し、前部標識灯が点灯。再び息を吹き返した。車両自体は現役復帰に“意欲的”だが、今後はイベント用に残すのか、廃車になるのかが気になるところだ。ちなみに、リーフレットのウラには「キハ350(片運転台)が8両在籍しています」と明記していた。

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余談だが、キハ3511の前側には、軌道自転車体験コーナーで、レールの上に枕木を置き、“境界線”にしていた。


◆キハ100形に乗る

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キハ350形の車内見学を終え、前方へ進むと朱色塗装のキハ100形を展示。キハ100形はキハ350形を両運転台に改造し、整理券発行機、運賃箱、運賃表をそれぞれ設置した車両で、水海道―下館間のワンマン列車用として現在も活躍を続けている。今回は展示及び乗車会(〈鉄道の日記念号〉と名づけている)が行なわれる。ちなみに、2010年開催時は新鋭のキハ5000形が乗車会の大役を務めた。




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キハ100形の向かい側から電気笛の雄叫びが間近で聞こえた。キハ2300形がゆっくりと進んでいるのだ。ロープ柵もない状況の中で進んでいるが、間近で列車が近づくことに迫力を覚える。運転士は慎重に進み、前方に展示しているキハ5000形に連結することなく、止まる。この車両は「チビッ子トレイン」と銘打ち、ミニゲーム、塗り絵大会、車掌体験ができる。水海道寄り先頭車のキハ2301を見ると、なんと“人面車”となっており、連結器に綱を取りつけている。これは11時30分に1回目の綱引き大会が行なわれたからだ。車両が超低速移動したところを見ると、1回目は参加者たちが勝利した模様。



“人面車”に衝撃を受けたあと、キハ100形にディーゼルエンジンが作動し、11時50分頃に乗車会が始まった模様。事前の整理券配布がなく、定員になり次第、受付を終了する方式だ。係員が硬券の乗車証明書を手渡したあと、別の係員がそれに改札鋏を入れて、昔の雰囲気を再現する。

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キハ100形に乗り込むが、ロングシートはすでに満席。取手寄りの立席スペースに陣取る(運賃箱、運賃表などがある関係で座席を撤去したため)。運賃表には「下館行」を表示し、“旅情”をかきたてる。このまま下館まで乗りたい気分になるが、関東鉄道ホームページによると、水海道―下館間1日2往復運転している。乗車計画を立てる方は事前に同社ホームページでダイヤを調べておきたい。


キハ101形乗車会編成表
乗車区間号車車両番号禁煙備考
工場棟付近⇔折り返し地点なしキハ101なし

国鉄型外吊り側扉気動車に乗るのは、平成11年(1999年)1月4日(月曜日)のJR西日本山陽本線支線(和田岬線)以来、12年ぶり2回目。車両基地イベントの体験乗車をするのが初めてなので、ドキドキする。

「ハイ、お待たせしました。発車いたしまーす」

水海道寄りに乗務する男性運転士の放送が終わったあと、外にいる係員が笛を吹き、ドアチャイムが鳴動し、外吊り側扉が閉まる。安全を確認するブザーが鳴ると、取手寄りに乗務する男性運転士が警笛を高らかに鳴らし、定刻どおり12時00分に発車。往復500メートルという短い乗車距離だが、進行方向右側に立っている側、坐っている側にとっては、イベントの立ち入り禁止エリアに留置している車両を間近で見ることができる“特典”がある。タダで乗れるのだから、“坐らなくてよかった”と思う人が多いだろう。

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1分ほどで折り返し地点へ到着。前後に運転士が2人乗務しているため、移動することなく1分後に発車。“沿線”ではキハ100形の勇姿を撮影するレールファンでにぎわう。“撮りたいし、乗りたい派”にとっては一挙両得の乗車会である。





12時03分、起点に戻り乗車会終了。折り返し、12時20分発となるが、こちらも盛況で発車した。

◆キハ5001の悲劇

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昼食後、展示車両の撮影を行なう。左側から順にお伝えしよう。

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1つ目はDD502で、車齢55年のロッド式ディーゼル機関車だ。同機は常総線の貨物列車として活躍していたが、昭和49年(1974年)で運行を終えた。その後は取手―水海道間の複線化工事で大いに役立ったものの、現在はイベントや新車搬入時しか出番がないという。ちなみに、キハ5000形の搬入時はキハ2100形が牽引した。

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2つ目はキハ0形。国鉄キハ10・20系の車体更新車で、機関、変速機、台車などを流用した。当時は非冷房だったが、現在は新型機関の更新とともに冷房化改造を受けた。ちなみに、キハ0形の車号に「キハ007」がある。

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3つ目はキハ2100形。関東鉄道近代化の先陣を切った車両だ。ホワイトボディーに、ブルーとレッドの帯を巻き、キハ5000形が登場するまで“標準色”となった。この車両ではディーゼルエンジンの性能をアップさせ、省エネにもつなげている。キハ2100形は2両編成で、現在は取手―水海道間を中心に運転されている。

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最後はキハ5000形。2009年に登場した若手で、ブルーとレッドの帯を踏襲しつつ、ボディーカラーを青味がかかったホワイトに改めた。ディーゼルエンジンは微粒子状物質、窒素酸化物、ハイドロカーボン、騒音をそれぞれ削減し、燃費を向上している。







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撮影後、工場棟では検査中のキハ2100形を使ったクレーン吊り上げを実施。このプログラムはどこでも人気があり、多くのギャラリーが固唾を呑んで見守った。

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クレーン吊り上げが終了し、水海道車両基地を出る。公道を歩き、留置しているキハ300形、キハ350形をそれぞれ眺める。キハ301はボロボロで、物置と化していた。

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踏切を渡ると、キハ350形4両(スカイブルーと自社色)を留置。公道からでも撮影できるところへ置いているのは、ファンサービスの一環ではないかと思えてくる。少し先にはキハ5001が留置されているが、貫通扉と助手席側の窓がそれぞれ破損。助手席側の灯具類やスカートも哀れな姿だ。これは前日の2011年11月2日(水曜日)、南石下―石下間の踏切で、快速下館行きワンマン列車とトラックが衝突する事故が発生(一時、水海道―下妻間の運転を見合わせた)。キハ5001が被害にあい、運行不能に陥った。1日も早い復旧を願っている。


◆第7回つくばエクスプレスまつり

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水海道車両基地へ戻り、ここから無料シャトルバスつくばエクスプレス車両基地行きに乗る。座席はほとんど埋まっていたため、私は立つことを選択する。

水海道駅行きの無料シャトルバスが満員御礼の乗車率で発車。ほどなくして、つくばエクスプレス車両基地行きも13時40分に発車。水海道車両基地―つくばエクスプレス車両基地間の所要時間は20分となっているが、信号運がよかったこともあり、予定より9分早い13時51分に到着した。

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適当に歩き、検車庫事務所へ。ここは電車の床下見学が行なわれており、TX-2000系第11編成がモデルとなる。方向LEDが社名の「首都圏新都市鉄道」を表示している。その左側にTX-2000系第6編成があり、「つくばエクスプレス」を表示。普段お目にかかれないので、“トクした気分”と思う人が多いだろう。

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鉄道模型展示・プラレールコーナーは、幼児たちに大人気。ほかにも先頭車に掲出したヘッドマークや部品、標識類なども展示。開業して6年経過したせいか、“歴史”を感じるようになってきた。

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模型はEF81形カシオペアカラーがブルートレインを牽引。今や「伝説」という言葉が使えそうな状況にあるブルートレインだが、鉄道模型の世界では衰退することがない。このほか、EF65形1000番代牽引による貨物列車が共演した。

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プラレールは小田急電鉄50000形VSE、60000形MSE、西武鉄道10000系などが暴れまわっている。

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奥にはTX-1000系第3編成を展示しており、記念写真を撮る親子連れやカップルが多かった。

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7番線のヘッドマーク付き車両展示は、朱色と白の帯をそれぞれ追加したTX-2000系第20編成を充当。時間帯により、ヘッドマークを付け替えるもので、開業後の増備車両で掲出できなかった「開業1周年記念」や「祝・開業(平成17年8月24日)」がこの撮影会の目玉といえる。

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1・2番線は運転室及び車内見学ができる。前者はTX-1000系第1編成、後者はTX-2000系第15編成が“案内役”である。

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まずはTX-1000系へ。TX-2000系ともども、第1編成は2003年に竣工している。乗務員室を眺めると、最高速度130㎞/hの車両なのに、ワンマスコンハンドルの力行が4段しかないことに衝撃を受ける。参考までに国鉄時代、スピードと居住性を意識した117系が登場しているが、110㎞/h運転をするため、マスコンハンドルの力行を、115系以前の4段から5段に引き上げている。この高性能に「つくばエクスプレス、恐るべし!!」としか言葉が思い浮かばない(参考までにTX-1000系、TX-2000系は、電動車の主電動機が1両つきに4台、歯数比が6.53で、いずれも最高速度130㎞/hのJR西日本223系2000番代と同じ。ただし、クモハ・モハ223形3000番代の主電動機は1両につき3台)。

TX-1000系1号車に係員の男性が立っているが、2012年度に衝撃のTX-2000系が増備されることを明らかにする。つくばエクスプレスは将来8両編成を想定しているが、現時点増結の予定がなく、増備でカバーする方針だ(8両化するには、ホームの延伸工事が必要となる)。男性係員は、衝撃の増備車はLEDに特徴があるというが、行先や案内表示のフルカラーLED化、室内灯のLED照明化、ボックスシートにコンセントを装備するなどが予想できる。その答えは2012年秋に行なわれるであろう「第8回つくばエクスプレスレスまつり」で展示することが考えられるので、それまで楽しみにしたい。

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TX-2000系に“乗り換え”ると、3・4号車がボックスシート&ロングシートのセミクロスシートだ。さいわい、展示しているTX-2000系第15編成は、通路側のひじかけにテーブルを内蔵している数少ない車両だ。窓側にひじかけがないため、テーブルは4人グループの利用客しか気兼ねなく使えないのではないだろうか。ひじかけにテーブルを内蔵したのは、乗客のパソコン利用を想定したためで、開業当初から地下区間でも携帯電話の電波が圏外にならない。

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時刻は15時近くになり、第7回つくばエクスプレスまつりの終了時間が近づいてきた。帰路はここから発車する普通電車秋葉原行き(6号車TX-1609:守谷からワンマン運転)に乗ろう。

年に1日しか営業列車がやって来ないため、券売機や自動改札機がなく、SuicaやPASMOが使えない難点があるものの、係員が守谷まで無料で乗れるというので、ありがたく乗車駅証明書をいただく。これならば守谷からSuicaが使える。すでに乗車口となる20番線に普通電車秋葉原行き(守谷からワンマン運転)が入線しており、ホームがないため乗車口を1・3号車の各1か所に限定し、階段を登って電車に乗り込む。

普通電車秋葉原行き(ワンマン運転)編成表
乗車区間号車車両番号禁煙備考
守谷6TX-1609なし
 5TX-1509なし
 4TX-1409なし
 3TX-1309弱冷房車
 2TX-1209なし
つくばエクスプレス車両基地1TX-1109女性専用車
女性専用車について
平日の初電から9時まで、18時から終電までの全列車に該当。

15時04分に乗車受付を終了。

「大変お待たせいたしましたー。発車いたします。揺れますので御注意くださーい。お立ちのお客様、えー、揺れますので御注意くださーい」

全員の乗車を確認したあと、乗務員の肉声放送が車内に響き渡る。車内は幼児が元気ハツラツで、まだまだ遊びたいようだ。

「電車動きまーす。左右に電車動きまーす。進行方向の左側には、当社社員とスピーフィーが最後のお見送りでございまーす」



再び乗務員が案内し、発車可能を知らせるブザーとミュージックホーンが順次鳴り、定刻どおり15時08分に普通電車秋葉原行き(守谷からワンマン運転)が発車する。私は進行方向右側に立っており、スピーフィーを眺めることができない。振り返ればいいのだろうが、すでに普通電車秋葉原行き(守谷からワンマン運転)が動いており、いつでも吊り手につかまる態勢を整える。

「右側でも当社社員が最後のお見送りでございます。どうぞ御覧ください」

という乗務員の放送で、進行方向右側に坐っている、立っている乗客の多くが注目すると、3つのグループに分かれた社員十数人が手を振っていた。

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2か所で一旦停止したのち、営業線へ合流。ゆっくり走っていると、進行方向右側に気球が2台飛んでいる。このイベントに合わせて飛行しているのかどうかはわからないが、ほどなくして進行方向右側に坐っている家族連れが振り返る。

「あれ、アドバルーンだ」

と家族連れの母親xが進行方向右側の大きな物体に気づく。

「気球かな?」

「気球だ」

「あがってるよ」

と子供たちの歓声があがる。

「ホントだ、浮かんでるよ!!」

母親yも気球の飛行に驚いている様子だ。おそらく乗客の多くは実際に気球を見るのが初めてかもしれない。

「あっ浮いてる」

と別の幼児も衝撃だ。

「御乗車のお客様、進行方向右側を御覧ください。現在気球が2つあがっております。進行方向右側でございます」

乗務員が気球の存在に気づいたのか、案内放送を流す。車内は平日の通勤ラッシュ時に近い状況なので、進行方向左側に坐っている人々は見づらいかもしれないが、第7回つくばエクスプレスまつりは、2台の気球で終了といえる。

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15時17分、守谷3番線に到着。多くの乗客が4番線に移動し、ほどなくして区間快速秋葉原行き(ワンマン運転)が到着。車内は満員御礼となり、秋葉原に向けて発車した。

私はここで一旦下車するが、左側2台の自動改札機を機能停止させ、つくばエクスプレス車両基地からの乗車駅証明書を持っている人に限り、そのまま通過できるサービスをしていた。乗車駅証明書は磁気券だが、“記念品”にもなり、トクした気分で自動改札機を出た。


★備考

①eyeVio「つくばエクスプレスまつり&水海道車両基地イベント THE MOVIE」 



関東鉄道ホームページ 

③鉄道ブログ『モハよう de キハキハ』「悩ましい関東鉄道常総線下館駅の分岐器」 

④鉄道ブログ『モハよう de キハキハ』
「関東鉄道常総線新車5000形搬入!【モハよう de ワッチミー!】動画配信vol.8」 (動画のみは、こちらです

⑤岸田法眼のRailway Voice.
「関東鉄道水海道車両基地イベント2011 Voice Version.」

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