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福知山線脱線事故の無罪判決は是か非か [鉄道評論]

2005年4月25日(月曜日)9時18分、JR西日本福知山線塚口―尼崎間を走行中の快速JR東西線経由同志社前行きで脱線事故が発生し、運転士1人を含む107人が死亡、549人が重軽傷を負った。21世紀最悪の鉄道事故として、後世に語り継がれるだろう。  

福知山線尼崎―塚口間は、構想当初「片福連絡線」と称されていたJR東西線の開業を機に、ルート変更を行ない、旧ルートよりもカーブがきつくなった。当時はATS-Pを整備しておらず、平成9年(1997年)3月8日(土曜日)にJR東西線が開業。同日に同社アーバンネットワークエリアは大規模なダイヤ改正を行ない、福知山線尼崎―宝塚間が大増発された。特にJR東西線北新地は大阪駅に直結(徒歩6分程度)しており、京橋―北新地間は大阪環状線、北新地―尼崎間は東海道本線のバイパスと見ることができる。  

JR東西線の開業で福知山線の輸送力が強化され、スピードアップなどで並行する阪急電鉄宝塚本線に差をつけたが、増発や快速停車駅の増加により、ダイヤにゆとりがなくなっていた。また、JRグループではJR西日本がATS-Pの整備が遅れていた。

2009年7月8日(水曜日)、神戸地方検察庁はATS-Pの設置を怠ったことが大惨事につながったと主張し、福知山線ルート変更時に安全対策の最高責任者だった山崎正夫被告(当時、JR西日本社長)を在宅起訴した。山崎被告は在宅起訴当日に社長職を辞任し、無罪を主張し続けていた。  

2012年1月11日(水曜日)、神戸地方裁判所は「無罪」という判決を出した。当然のことながら、御遺族の方々が納得するはずがなく、神戸地方検察庁が控訴するのは確実と思われる。同日、JR西日本現社長の佐々木隆之氏がコメントを出し、事故に対するお詫びと、引き続き再発防止策に取り組むことを改めて表明している。  

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先日、私は福知山線を利用した。下りが尼崎発車時、上りが塚口通過時(各駅停車や一部の快速は発車時)になると、乗客は乳幼児を除き、どうしても脱線事故現場が脳裏に蘇る。特に上りの場合は、名神高速と県道338号線と交差する地点からブレーキをかけているので、乗客に脱線事故現場通過を知らせているようなものだ。そして、事故現場のカーブをゆっくり通過する。JR西日本が買い上げたマンション、エフュージョン尼崎は現在も事故当時のままだ。  

上下線とも事故現場を通過する直前、それまでにぎやかだった車内は乗客の話し声がピタリとやみ、悲惨な場を目の当たりにする。沿線の人々も心に大きな傷を負っているのだ。脱線事故現場は深刻さを増していることを実感した。  

改めて福知山線に乗ると、カーブが多いことに気づく。かつて尼崎―宝塚間は120㎞/hで運転していたが、カーブの多さを見るとムリがあったのではないかと思う。ちなみに国鉄時代、福知山線宝塚―福知山間及び山陰本線福知山―城崎(現・城崎温泉)間を電化計画した際、特急電車に381系を投入して、所要時間を大幅に短縮させる青写真を描いていた(しかし、国鉄の財政難により、485系の寄せ集めになった)。  

私は脱線事故が発生した3か月後、現場に足を運んでいる。花や線香は用意していなかったが、JR西日本社員数人に深々と会釈したのち、エフュージョン尼崎で犠牲者の御冥福をお祈りした。あれから7年の月日が流れるわけだが、あの惨状を忘れてはならない。  

JR西日本は駅員や乗務員の応対がよく、サービス面はJRグループの中でもトップクラスである。脱線事故直後、乗務員に対するいやがらせ行為が相次いでいたが、現場で利用客の命を預ける社員も被害者なのかもしれない。現場で働く人間のほうがフロントよりも信頼回復に努めているのだから。


★備考

①国土交通省ホームページ「西日本旅客鉄道(株)福知山線における列車脱線事故について」 

②JR西日本ホームページ
「福知山線列車事故の刑事裁判における弊社前社長に対する判決の言渡しに関して(社長コメント)」 
※2012年8月11日(土曜日)まで公開予定。

③岸田法眼のRailway Blog.
「JR西日本」 

④岸田法眼のRailway Blog.
「国土交通省は、JR西日本の本社経営陣を全員総解雇せよ!!」 

⑤岸田法眼のRailway Blog.
「年内200萬人突破なるか? 観客動員数181萬人突破!!」
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